歯並びが悪いと肩こりになる?原因と歯列矯正で改善を目指す方法を解説
2026年8月25日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。日本口腔インプラント学会認定JSOI専修医。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師向け専門書の翻訳なども行う。

歯並びの乱れや噛み合わせのずれは、顎まわりの筋肉に偏った負担をかけ、肩こりの一因になることがあります。さらに、頭痛や顎関節症、食べ物を十分に噛めないことによる消化不良につながる場合もあります。

 

ただし、肩こりには姿勢や運動不足など複数の原因があるため、歯並びだけで判断はできません。この記事では、歯並びと肩こりの関係や原因、日常生活でできる対策、歯列矯正による改善方法をわかりやすく解説します。

 

歯並びが肩こりにつながるメカニズム 

口まわりと首・肩の筋肉はつながっている

食べ物を噛んだり、口を開閉したりするときには、咬筋や側頭筋など顎・顔まわりの筋肉が働きます。これらの筋肉は、頭や首を支える筋肉と連動しており、口元の動きや顎の位置の影響が首や肩にも伝わります。たとえば、噛むときに顎を左右どちらかへずらす癖があると、頭の位置にもわずかな偏りが生じ、首から肩にかけての筋肉がバランスを取ろうとして緊張しやすくなります。

 

また、下顎の位置が安定しないと、頭を支えるために首まわりの筋肉が常に補助的に働くことがあります。その状態が長く続けば、筋肉が休みにくくなり、血流の低下によって重だるさや張り、痛みといった肩こりの症状につながる可能性があります。 

 

噛み合わせのズレが顎まわりの筋肉に負担をかける

歯並びが乱れて上下の歯が均等に噛み合わないと、一部の歯や片側の顎に力が集中しやすくなります。すると、咬筋や側頭筋が左右で異なる働き方をしたり、顎の位置を安定させるために必要以上に緊張したりします。

 

さらに、噛みにくさを補うために無意識に顎を前後左右へずらして噛むようになると、顎関節や周囲の筋肉への負担が増えます。歯ぎしりや食いしばりを伴う場合は、就寝中も強い力がかかり続けるため、起床時に顎の疲れや首・肩のこわばりを感じることがあります。こうした緊張が首から肩の筋肉へ波及すると、慢性的な肩こりや頭痛を招く可能性があります。

 

ただし、肩こりには姿勢、眼精疲労、運動不足、ストレスなど複数の要因が関係するため、歯並びだけが原因とは限りません。症状が続く場合は、歯科医院で噛み合わせを確認するとともに、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。 

 

歯並びの乱れが招く肩こり以外の不調 

頭痛・めまい

歯並びや噛み合わせが乱れると、食べ物を噛む際に咬筋や側頭筋などの筋肉へ偏った負担がかかることがあり、筋肉の緊張がこめかみや首まわりへ広がると、締め付けられるような頭痛につながる場合があります。

 

また、筋肉の過度な緊張や血行不良によって、ふらつきやめまいのような症状を自覚する方もいます。就寝中の歯ぎしりや食いしばりがある場合は、朝起きたときに頭痛や顎の疲れを感じることもあります。

 

ただし、頭痛やめまいには脳や耳、血圧などさまざまな原因があるため、歯並びだけが原因とは限りません。症状が強い場合や急に現れた場合は、歯科だけでなく医科も受診しましょう。

 

腰痛

噛み合わせのずれによって筋肉の緊張バランスが崩れ、顎や頭の位置が偏ると、身体がバランスを保とうとして首や肩、背中の筋肉に余分な力が入ることがあります。その影響が姿勢全体へ及ぶことで、腰まわりの筋肉にも負担がかかり、腰痛の原因になることがあります。

 

特に、片側だけで噛む癖や姿勢の悪さ、歩き方の癖などが重なると、身体の左右差が大きくなることがあります。ただし、歯並びと腰痛の関係は単純ではなく、長時間の座位、運動不足、筋力低下などの影響も大きいため、安易に噛み合わせだけを原因と判断しないことが大切です。 

 

顎関節症

歯並びが乱れて、噛み合わせる時に一部の歯だけが当たるようになると、顎を動かす筋肉や顎関節へも偏った負担がかかります。その状態が続くと、口を開けたときに音が鳴る、顎が痛む、口を大きく開けにくいといった顎関節症の症状につながる場合があります。

 

また、痛みはなくとも食事中に顎が疲れる、噛むと違和感があるといった症状が現れることもあります。歯並びの乱れに加えて歯ぎしりや食いしばり、頬杖、片側だけで噛む癖などが重なると、負担がさらに大きくなる可能性があります。 

 

歯列矯正と顎関節症の関係についてはこちらで詳しく説明しています

 

消化不良・胃腸への負担

歯並びや噛み合わせが悪いと、食べ物を効率よく十分に噛み砕けなくなり、大きなかたまりのまま飲み込んでしまうことが増えます。咀嚼には食べ物を細かくし、唾液と混ぜて消化しやすい状態にする食塊形成という役割があるため、噛む回数が少ない状態が続くと胃腸に負担がかかるようになります。

 

また、噛みにくさから硬い食品を避けるようになると、食事内容が偏り、必要な栄養を取りにくくなることも考えられます。食後の胃もたれなどが続く場合は、歯科以外の原因も含めて確認が必要です。

 

顔の歪み

左右どちらか一方で噛む癖や、噛み合わせの偏りが続くと、顎まわりの筋肉の使い方に左右差が生じます。その結果、顎周りの筋肉の張り方や顎の位置に差が出て、輪郭だけでなく口角の高さや目の位置までもが左右で異なるように見える場合があります。

 

ただし、注意したいのは顔の左右差は骨格、表情の癖、姿勢、頬杖などの習癖などにも左右されるため、歯並びだけで決まるものではないということです。自己判断で片側だけを鍛えたりせず、気になる場合は矯正歯科で噛み合わせや顎の位置を確認してもらいましょう。 

 

歯並びと顔の歪みについてはこちらでも解説しています

 

歯並びの改善で肩こりは改善できる?

歯並びや噛み合わせを整えることで、歯が均等に噛み合うようになり、「噛み癖」を改善しやすくなります。左右で均等に咀嚼できるようになることで、顎まわりの筋肉にかかる偏った負担が減り、首や肩の筋肉の緊張が和らぎやすくなります。

 

特に、片側だけで噛む癖や、噛みにくさを補うために顎をずらす動きが改善されれば、肩こりの軽減につながることが期待できます。ただし、「自身がかみやすいところで噛む」といった噛み癖は長年の日常生活の中で体に染み付いているものです。歯並びを整えたからといってすぐに左右均等な噛み方ができるわけではありません。

 

噛み合わせを整え、自身の癖を解消するように意識することで少しずつ新しい噛み合わせに順応し、その結果肩こりの改善へとつながっていくでしょう。

 

また、肩こりは歯並びの不正だけでなく姿勢の悪さや運動不足、眼精疲労、ストレスなど、さまざまな原因によって起こります。そのため、歯列矯正を受ければ必ず肩こりが軽減するとは限らず、効果には個人差があります。肩こりが続く場合は、必要に応じて他の原因も探りながら改善を目指していくことが大切です。 

 

歯並びが原因の肩こりを自分で和らげる方法 

舌の位置を正しく保つ

舌の位置がだらんと下がっている(低位舌)と、食事をしている時以外にも上下の歯がカチカチとあたりやすくなり、食いしばりや歯ぎしりへと繋がります。その結果、顎まわりの筋肉に余計な力が常に入っている状態となり、筋肉の緊張から肩こりを引き起こしやすくなります。

 

安静時は口を閉じた状態で舌先を上の前歯の少し後ろに置き、舌全体を上顎に軽く触れさせることを意識しましょう。唇は軽く閉じ、上下の歯は接触させず、わずかに離しておくのがお口周りに余計な負担をかけないための正しい形です。

 

片噛み・頬杖・うつぶせ寝などの癖を見直す

左右どちらか一方だけで噛む、頬杖をつく、うつぶせで寝るといった癖は、顎や首、肩に偏った負担をかける大きな原因となります。食事では左右を均等に使い、長時間同じ姿勢を続けないよう意識しましょう。スマートフォンを見るときの前かがみ姿勢も首や肩の緊張を強めるため、画面の位置を顔の高さまで上げ、こまめに姿勢を変える工夫が有効です。 

 

マッサージや入浴で筋肉の緊張をほぐす

顎や首、肩まわりの筋肉がこわばっている場合は、入浴や蒸しタオルで温めると血流が促され、緊張が和らぎやすくなります。また、マッサージをするのも効果的です。マッサージをする場合は強く押すのではなく、痛みのない範囲で首や肩をゆっくり回したり、側頭筋のあるこめかみ周辺や咬筋のあるえら周辺を軽くほぐしたりしましょう。

 

深呼吸をしながら行うと、身体の力を抜きやすくなります。触ると強い痛みや腫れがある場合は、自己流でのマッサージを避けて医療機関へ相談してください。

 

ナイトガードを活用する

就寝中の歯ぎしりや食いしばりがある場合は、ナイトガードを使用することで歯や顎関節への負担を軽減できることがあります。

 

ただし、市販品を使用する場合は要注意です。市販品は、個々の歯並びや噛み合わせに合わせて作られているわけではないため、かえって一部の歯や顎に負担をかけて違和感を大きくする危険性があります。ナイトガードで改善を図るためには、歯科医院で検査を受け、自分の口腔内に合った装置を作製してもらうことが大切です。

 

歯並びを整える歯列矯正方法

マウスピース矯正

歯並びを整える方法として、インビザラインに代表されるマウスピース矯正も選択肢の一つです。マウスピース矯正は、透明な装置を一定期間ごとに交換しながら歯を少しずつ動かす方法です。一日のうち、20~22時間の装着が必要ではありますが、装置が薄くて透明なため目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外せるため、日常生活への影響を抑えやすい点が近年人気で選ばれる方が増えています。

 

コンピュータ上のプログラムを使用して噛み合わせの改善を含めた治療計画を立てることができ、ゴールの歯並びを患者様と歯科医師で共有しながら治療を進めることができます。マウスピース矯正で歯並びを整えることで顎まわりの筋肉にかかる偏った負担の軽減が期待できる場合があります。

 

ただし、十分な効果を得るためには装着時間や装着方法を守る必要があり、歯並びや骨格の状態によっては適応できないこともあります。

 

表側矯正

表側矯正は、歯の表面にブラケットとワイヤーを取り付けて歯を動かす従来から使用されている矯正方法です。歯科医師のワイヤー調整によって歯の移動を調整することができ、軽度から重度まで幅広い症例に対応できます。

 

大きな移動を必要とする複雑な噛み合わせの改善にも用いられやすいため、肩こりとの関係が疑われる場合も、口腔内全体のバランスを考慮した治療を受けられます。一方で、装置が目立ちやすく、食べ物が挟まりやすいほか、装着直後や調整後に痛みや違和感が出ることがある点がデメリットです。

 

裏側矯正

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。正面から装置がほとんど見えないため、矯正中の見た目を重視する方に適しています。表側矯正と同様に、さまざまな歯並びや噛み合わせへ対応できる可能性があります。

 

ただし、歯の裏側に装置があるため舌が装置に触れやすく、治療開始直後は発音しにくさや違和感が生じることがあります。また、磨き残しも起こりやすいため、表側矯正よりさらに丁寧な口腔内ケアが必要です。

 

治療には高い技術が必要で、費用も高くなる傾向がある点にも注意が必要です。裏側矯正が可能かどうかは歯並びや噛み合わせによって異なるため、矯正歯科で精密検査を受けて選択しましょう。 

 

歯並びの治療を検討している方は、MeLoSにご相談ください

歯並びや噛み合わせが気になる方、肩こりとの関係について相談したい方は、MeLoSへご相談ください。経験豊富なスタッフが患者様のお悩みやお口の状態、治療へのご希望を丁寧に伺い、疑問や不安にお答えします。

 

また、お住まいの地域や通院のしやすさに合わせて、矯正治療を受けられるお近くの提携クリニックをご紹介することも可能です。初回相談は無料のため、治療を受けるか迷っている方や、費用・期間、装置の特徴について知りたい方も安心してご利用いただけます。肩こりには歯並び以外の原因もあるため、症状に応じて医科の受診が必要な場合もあります。まずは現在のお悩みを、お気軽にLINEよりご連絡ください。 

 

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