「噛み合わせたときに奥歯が当たらない」「前歯ばかりが先に当たる」といった違和感は、歯並びや歯の位置のズレ、あごの位置などが関係している可能性があります。そのままにすると、一部の歯やあごの関節に負担がかかることもあるため注意が必要です。
この記事では、奥歯が当たらない噛み合わせの主な原因4つをはじめ、放置するリスクや、矯正治療・咬合調整など原因に応じた治療法についてわかりやすく解説します。
奥歯が当たらない噛み合わせとは、上下の歯を自然に噛み合わせたときに、前歯など一部の歯はすでに接触しているものの、奥歯同士が十分に接触していない状態を指します。左右両方の奥歯が浮いている場合もあれば、片側だけが当たりにくい場合、奥歯の一部が当たらない場合などもあります。
本来、噛み合わせた際には前歯から奥歯まで複数の歯がバランスよく接触し、食べ物を噛む力を分散させます。しかし、奥歯が当たっていないと、一部の歯に負担が集中して痛みや違和感などを生じたり、食べ物を噛みにくくなったりすることがあります。
また、噛み合わせのバランスが崩れることで、あごの関節や筋肉に違和感が生じる可能性もあります。違和感が続く場合は、歯科医院で噛み合わせの状態を確認してもらうことが大切です。
歯並びが乱れていたり、一部の歯の位置がずれていたりすると、上下の歯が適切に噛み合わず、奥歯が当たらない状態になることがあります。たとえば、前歯が先に強く接触して奥歯まで噛み込めない場合や、歯が本来の位置より大きく外側・内側に傾いていることで、上下の奥歯がうまく接触しない場合があります。
また、成長過程でのあごと歯の大きさのバランスや、過去の矯正治療後に歯の位置が変化する「後戻り」が影響することもあります。歯並びが原因の場合には、矯正歯科で検査を受け、歯の位置や噛み合わせを詳しく確認することが大切です。
日常的な歯ぎしりや食いしばりも、噛み合わせに影響を与える可能性があります。強い力が長期間にわたって歯に加わることで、歯がすり減ったり、移動したりして、上下の歯が接触する位置が変化することがあるためです。
また、一部の歯だけに強い力がかかることで、時間と共に噛み合わせのバランスが崩れる場合もあります。歯ぎしりや食いしばりは就寝中など無意識に起こることも多いため、本人が気づいていないケースも少なくありません。
上顎と下顎の位置関係にずれがある場合も、奥歯が当たらない原因となります。下顎が上顎に対して前後や左右にずれていると、上下の歯列が正しい位置で重ならず、特定の歯だけが先に接触したり、一部の奥歯が浮いたりすることがあります。
また、顎関節や噛むための筋肉の状態によって、口の開閉時に下顎の位置がずれる、または定まっていないケースもあります。顎の位置が関係している場合は、歯だけでなく顎関節や骨格を含めた検査が必要になります。
虫歯や歯周病、外傷などによって歯を失ったままにしていることも、噛み合わせが変化する原因の一つです。歯が抜けた部分を長期間放置すると、隣の歯が空いたスペースに傾き、噛み合う相手を失った歯が伸びてきます。
その結果、歯列全体の位置関係が変化し、奥歯が適切に接触しなくなる可能性があります。歯を失った場合には、ブリッジや入れ歯、インプラントなどによって欠損部分を補い、噛み合わせのバランスを整えることが重要です。
奥歯は、食べ物をすりつぶして細かくするという重要な役割を担っています。奥歯が十分に接触していないと、噛む力を効率よく使用できず、硬いものや繊維質の食品を噛みにくくなることがあります。その結果、前歯や片側の歯ばかりを使って噛む癖がつき、食事に時間がかかったり、食べられるものが限られたりすることもあります。
また、十分に咀嚼できないまま飲み込むことが増えると、消化不良を起こし、全身の健康にも不具合を起こしやすくなります。左右どちらかの奥歯だけが当たりにくい場合には、その反対側ばかりで噛む習慣がつくケースもあります。噛みにくさは少しずつ進むと自覚しにくいこともあるため、「以前より硬いものを避けるようになった」「片側で噛むことが増えた」と感じる場合にも注意が必要です。
奥歯が当たらないこと自体が直接虫歯や歯周病を引き起こすわけではありません。しかし、噛み合わせのずれによって一部の歯に負担が集中したり、歯が傾いて歯と歯の間に汚れが残りやすくなったりすると、口腔内を清潔に保ちにくくなる場合があります。
特に、歯並びの乱れを伴っている場合は歯ブラシが届きにくい部分が生じ、プラークが蓄積しやすくなります。その状態が続けば、虫歯や歯肉炎、歯周病のリスクを高める原因の一つとなります。
また、一部の歯に強い力が繰り返しかかることは、歯周組織への負担となる可能性もあります。歯に力がかかり、揺らされることで歯そのものだけでなく歯を支えている骨も弱っていくリスクが高くなります。毎日の歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用し、歯科医院で噛み合わせや清掃状態を定期的に確認してもらうことが大切です。
奥歯が接触していないと、本来は複数の歯に分散されるはずの噛む力が、前歯や一部の歯に偏ってかかることがあります。特定の歯に継続的に過度な負担がかかると、歯がすり減ったり、欠けたり、詰め物や被せ物が外れたりする原因になります。小さな欠けや摩耗はすぐに痛みが出ないこともありますが、進行すると冷たいものがしみるなどの症状につながる場合もあります。
さらに、歯を支える組織にも負担が加わり、歯の揺れや違和感につながる場合があります。特に歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方では、噛み合わせの偏りと強い力が重なることで歯への負担がより大きくなる可能性があります。すでに歯の摩耗や亀裂が見られる場合には、原因となっている噛み合わせも含めて確認することが重要です。
噛み合わせは歯だけでなく、下顎の動きや顎関節、周囲の筋肉とも関係しています。奥歯がうまく当たらない状態では、噛みやすい位置を探すために下顎をずらして噛むようになることがあり、顎関節や咀嚼筋に余分な負担がかかる場合があります。その結果、あごのだるさや疲れ、口を開閉したときの違和感、口が開けにくいといった症状が現れることがあります。
噛む位置が左右で偏っている場合には、片側の筋肉ばかりを使いやすくなることもあります。ただし、顎関節症には生活習慣やストレスなど複数の要因が関係しており、噛み合わせだけが原因とは限りません。奥歯が当たらない状態に加えて、あごの痛みや開閉時の音、口の開けにくさなどが続く場合は、自己判断で噛み方を変えようとせず、歯科医院で検査を受けることが大切です。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力を加えながら歯を少しずつ動かす治療方法です。歯並びや歯の位置のずれによって奥歯が当たっていない場合には、上下の歯の位置関係を整え、適切な噛み合わせを目指します。幅広い症例に対応しやすく、歯を大きく移動させる必要があるケースや複雑な噛み合わせにも用いられます。
奥歯が当たらない噛み合わせでは奥歯の傾きや位置を大きく移動させたり、抜歯を伴う歯の移動が必要になることも多いため、ワイヤー矯正は得意な動きになります。調整の度に力を大きくかけるため、痛みを伴いやすくはありますが、自身の装置装着管理なしに確実に歯を動かしたい方はワイヤー矯正を選ばれることも多いです。
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の矯正装置を一定期間ごとに交換しながら、歯を段階的に動かしていく治療方法です。装置が透明で目立ちにくく、食事や歯磨きの際には取り外せる点が特徴です。奥歯が当たらない原因が歯の位置や歯列のずれにある場合には、治療計画に沿って歯を移動させ、噛み合わせを整えていきます。
以前は奥歯の大きな移動や抜歯矯正は不得手だと言われがちでありましたが、ここ数年でシステムも日々大きな進化を遂げており、適切な治療計画を立てて、充分に装着時間を守っていただければ理想の噛み合わせに近づけることが期待できます。ただし、歯の移動量や骨格の状態などによっては、マウスピース矯正だけでは対応が難しい場合もあるため、事前に検査を受け、適応できる症例かどうかの確認が必要です。
奥歯が当たらない原因が歯の位置だけではなく、上あごや下あごの大きさ・位置など骨格的なズレが問題である場合には、外科治療が検討されることがあります。たとえば、あごの位置が前後または左右に大きくずれており、矯正治療だけでは十分な噛み合わせの改善が難しいケースでは、あごの骨のサイズを整えたり移動させたりする「外科的矯正治療」を行う場合があります。
一般的には、手術だけで完結するのではなく、手術前後にワイヤー矯正などの歯列矯正を行い、歯並びとあごの位置の両方を整えていきます。この方法は身体への負担や治療期間の負担が大きいため、精密検査を行ったうえで慎重に治療方針を決定します。
奥歯が当たらない状態は、歯並びや歯の位置、あごのバランスなど、さまざまな原因によって生じる可能性があります。原因によって適した治療方法も異なるため、まずはご自身のお口の状態を正しく把握することが大切です。MeLoSでは、専門のスタッフが患者様のお悩みやお口の中の状況を丁寧にお伺いし、矯正治療に関するご相談に応じています。
また、ご希望やお悩みの内容に合わせて、お近くで適切な矯正治療を受けられる提携クリニックをご紹介することも可能です。「奥歯がうまく噛み合わない」「どの治療方法が合っているのかわからない」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。初回相談は無料ですので、LINEよりお問い合わせいただけます。