マウスピース矯正の注意点を歯科医師が解説。食事や管理方法で気をつけるべき点は?
2026年6月30日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。日本口腔インプラント学会認定JSOI専修医。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師向け専門書の翻訳なども行う。

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、取り外しができることから人気の高い矯正治療です。しかし、ワイヤー矯正とは異なり、装着時間の管理や食事の際の取り扱い、日々の清掃など、患者様自身による管理が治療結果へ大きく影響します。注意点を知らずに治療を始めると、治療期間が延びたり、虫歯や歯周病のリスクが高まったりする可能性もあります。

 

この記事では、マウスピース矯正を始める前に知っておきたい注意点や、治療をスムーズに進めるためのポイントについてわかりやすく解説します。 

 

【朝】マウスピース矯正の注意点 

起床後、マウスピースを専用の洗浄剤で綺麗にする

マウスピース矯正中は、起床後にマウスピースを清潔な状態へ整えることが大切です。就寝中は唾液の分泌量が減少するため、マウスピースの表面に細菌や汚れが付着しやすくなります。そのまま使用を続けると、ニオイや着色の原因になるだけでなく、口腔内環境の悪化につながる可能性もあります。

 

そのため、起床後はマウスピースを取り外し、流水下にて指でこすり洗いをしましょう。気になる場合は専用の洗浄剤を使用して定期的に洗浄することがおすすめです。泡タイプの洗浄剤であれば時間のない朝でも手軽に使用できるためお勧めです。

 

また、熱湯で洗うのは変形の原因になるため避けましょう。マウスピースを清潔に保つことは、治療を快適に続けるためだけでなく、虫歯や歯周病の予防にもつながります。

 

朝食後は歯を磨いてからマウスピースを装着する

朝食後は、歯磨きをしてからマウスピースを再装着することが重要です。食事後の口腔内には食べかすや糖分が残っており、その状態でマウスピースを装着すると、汚れが歯とマウスピースの間に密閉された状態になります。マウスピースの中は唾液が行き渡らず自浄作用が働かないため、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、マウスピースの着色やニオイの原因にもなります。

 

特に、パンやシリアル、ジュースなど糖分を含む朝食を摂った後は注意が必要です。理想的には歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも活用して汚れを取り除いてから装着しましょう。忙しい朝でも口腔ケアを習慣化することで、治療中のトラブル予防につながります。また、朝の段階でしっかり装着を開始することで、その日の装着時間を確保しやすくなり、治療計画通りに歯を動かすことにもつながります。 

 

【昼】マウスピース矯正の注意点 

1日22時間の装着を守る

マウスピース矯正では、1日22時間以上の装着が推奨されています。これは、歯磨きと食事の時間以外はほとんど全て装着しているのが望ましいということになります。昼間は仕事や学校、外出などで生活が忙しくなるため、装着時間が不足しやすい時間帯でもあるため注意が必要です。

 

「少しくらいなら大丈夫」と外している時間が積み重なると、歯が計画通りに動かなくなる可能性があり、次のマウスピースが合わなくなったり、追加の調整が必要になったりすることもあります。

 

その結果、治療期間が延びる・追加の費用が必要になる原因になることもあるため注意が必要です。昼間は特に外出や会食などで装着管理が難しくなることがあるため、日頃からアプリなどを活用して装着時間を意識する習慣をつけましょう。 

 

マウスピースのケースや口腔ケアグッズを持ち歩く

昼食や外食の機会がある場合は、マウスピースのケースや口腔ケアグッズを持ち歩くことが重要です。マウスピースを外した際にティッシュへ包んで保管すると、そのまま誤って捨ててしまうケースが少なくありません。

 

また、ポケットやバッグへ直接入れると、破損や変形の原因になる可能性があります。そのため、専用ケースを常に携帯しておくことがおすすめです。さらに、食後は歯磨きをしてから再装着することが理想です。携帯用歯ブラシや歯磨き粉、デンタルフロス、マウスウォッシュなどを準備しておくと、外出先でも口腔内を清潔に保ちやすくなります。

 

口腔ケアが不十分な状態でマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、マウスピースの着色やニオイの原因にもなります。 

 

マウスピースに慣れるまでは滑舌が気になる場合がある

マウスピース矯正を始めたばかりの頃は、滑舌が気になる場合があります。マウスピースは薄くてなめらかな素材でできているため、違和感は最小限に抑えられてはいますが、初めは「サ行」や「タ行」などが発音しづらく感じる方もいます。

 

特に、人前で話す機会が多い方や接客業・営業職の方は、不安を感じることがあるかもしれません。しかし、多くの場合は数日から数週間程度で口の動きが慣れ、違和感は解消されていきます。

 

慣れるためには、会話や音読を意識的にたくさん行うことも効果的です。慣れるまでは、意識的に会話や音読を行ったり、早口言葉を取り入れたりするのがおすすめです。最初は違和感があっても、多くの方が日常生活の一部として自然に適応していきます。 

 

【夜】マウスピース矯正の注意点

口腔ケアを徹底する

夜は、マウスピース矯正中の口腔ケアにおいて最も重要な時間帯といっても過言ではありません。就寝中は唾液の分泌量が大きく減少するため、口腔内の自浄作用が弱まり、細菌が繁殖しやすくなります。その状態で汚れの残った歯やマウスピースを長時間装着すると、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。

 

夕食後は歯ブラシによる清掃だけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも使用し、歯と歯の間や歯ぐきの境目まで丁寧に汚れを取り除くことが大切です。また、マウスピースにも唾液や汚れが付着しているため、丁寧に洗浄した上で装着しましょう。日中のケアが十分にできなかった場合でも、夜にしっかり口腔ケアを行うことで、治療中のトラブル予防につながります。 

 

睡眠時にもマウスピースを装着する

マウスピース矯正では、睡眠中もマウスピースを装着することが重要です。むしろ、1日の装着時間の大部分は睡眠中に確保されるため、就寝時の装着は治療計画を守るうえで欠かせません。「寝る前に外したまま忘れてしまった」という状態が続くと、装着時間が大きく不足し、歯が計画通りに動かなくなる可能性が高まります。

 

また、次のマウスピースが入りにくくなったり、治療期間が延びたりする原因にもなります。睡眠中は無意識のため、装着時間を確実に確保しやすい時間帯です。歯磨きやマウスピースの洗浄を済ませた後は、忘れずに装着してから就寝する習慣をつけましょう。毎日継続することで、治療をスムーズに進めやすくなります。

 

【食事】マウスピース矯正の注意点 

マウスピースを付けたまま摂取できる食べ物・飲み物

マウスピース矯正中は、食事の際にはマウスピースを外す必要があります。食べ物を装着したまま食べると、不衛生なことに加えて、マウスピースの破損や変形につながる可能性があるためです。

 

また、飲み物については常温の水であればマウスピースを装着したままでも問題ありません。水は糖分や色素を含まないため、虫歯や着色のリスクがなく安心して摂っていただけます。マウスピース装着中は口腔内が乾燥しやすいため、適度に水分摂取して口腔内を潤すことは大切です。仕事中や外出先でもこまめな水分補給を水で行いましょう。

 

マウスピース矯正中に避けた方が良い食べ物・飲み物

マウスピース矯正は矯正装置を取り外して飲食や歯磨きができるため、ワイヤー矯正と比べて食事制限がほとんどない点が大きなメリットです。くっつきやすいキャラメルやおもち、硬いナッツやお煎餅なども基本的に自由に食べることができます。

 

しかし、矯正中は動かしている歯が敏感になっていることがあり、無理して使うと痛みが増したり、歯や歯茎に負担がかかったりするリスクがあります。そのような場合にはかたいものは避け、柔らかく調理したり小さく切ったりするなどの工夫をして食事をするよう心がけましょう。

 

また、飲み物に関しては、マウスピースを外して飲む分には特に避けなければいけないものはありません。糖分や色素を含んだ飲み物を飲んだ後はよく歯磨きをしてマウスピースを再装着すればなんの問題もありません。マウスピース矯正のメリットを充分活かして飲食を楽しみながら、矯正治療を進めていきましょう。

 

マウスピース矯正中に虫歯にならないための注意点についてはこちらもご参考ください

 

【管理方法】マウスピース矯正の注意点

マウスピースの交換頻度

マウスピース矯正では、歯科医師の指示に従って定期的に新しいマウスピースへ交換する必要があります。交換頻度は治療計画によって異なりますが、一般的には1〜2週間ごとに交換するケースが多くみられます。交換時期を早めたり遅らせたりすると、歯が計画通りに動かなくなります。

 

また、十分に歯が移動していない状態で次のマウスピースへ進むと、装着時に強い痛みや浮きが生じることもあります。自己判断で交換スケジュールを変更せず、歯科医師の指示を守ることが大切です。

 

歯科医院への通院頻度

マウスピース矯正はワイヤー矯正より通院回数が少ない傾向がありますが、定期的な通院は欠かせません。一般的には1〜3ヶ月に1回程度のペースで通院し、歯の動きやマウスピースの適合状態を確認します。通院を怠ると、計画通りに歯が動いていないことへ気づくのが遅れたり、虫歯や歯周病などの口腔トラブルを見逃したりする可能性があります。

 

マウスピース矯正は自己管理が重要な治療ですが、治療を成功させるためには歯科医師による定期的なチェックも欠かせません。指示された通院スケジュールを守りながら治療を進めましょう。 

 

マウスピース矯正で失敗しないための注意点について、こちらも併せてご覧ください

 

マウスピース矯正に関して不安がある方は、MeLoSにご相談ください 

マウスピース矯正は、目立ちにくく日常生活へ取り入れやすい矯正方法ですが、装着時間の管理や食事の際の対応、口腔ケアなど、いくつか注意すべきポイントがあります。「自分にマウスピース矯正は向いているの?」「治療中に気を付けることを詳しく知りたい」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

 

MeLoSでは、知識・経験豊富なスタッフが患者様のお口の状態やお悩みを丁寧にお伺いした上で、ご相談に対応しております。また、お近くでインビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりご相談ください。 

 

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