マウスピース矯正とは、少しずつ形の異なる透明なマウスピース型の装置を装着、交換していくことで歯並びを整えていく矯正方法です。
従来のワイヤー矯正と異なり、装置が透明で目立ちにくいため人気が高まっています。
しかし、マウスピース矯正って虫歯になりやすいのでは、とご不安に思う方もいらっしゃると思います。
この記事ではマウスピース矯正と虫歯について詳しくご説明していきます。
マウスピース矯正中は、治療していないときと比べると虫歯になるリスクは高まります。
お口の中の唾液にはお口の中に残った食べかすを洗い流してくれる自浄作用や、細菌の増殖を防いでくれる抗菌作用などがありますが、矯正中はマウスピースをつけているため、唾液が歯の周りに十分に行き渡らずこの作用が働きづらくなってしまいます。
また、マウスピース矯正では歯を動かしやすくするために歯の表面にアタッチメントと呼ばれる突起をつけるため、その周りに汚れがたまりやすいこともあります。
これらの理由によって虫歯になるリスクは上がりますが、矯正を始めるとかならずしも虫歯になってしまうというわけではありません。
特にマウスピース矯正は装置を外して歯磨きを行うことができるため、正しいお手入れを行えば虫歯をきちんと予防しながら矯正治療を進めることができます。
マウスピース矯正中に虫歯になりやすい理由はいくつかありますがその中でも理由として多いものをご紹介いたします。
マウスピースの装着時間は1日あたり22時間以上が推奨されています。
歯磨きをした状態で装着し、水以外のものを口にしていなくても、長時間マウスピースを装着しているとどうしても雑菌が繁殖し虫歯になるリスクが高まります。
できればマウスピースを外すたびに流水ですすぐようにし、そんなに汚れているように見えなくても1日の終わりにはしっかりと洗浄を行うようにしましょう。
洗浄時には流水で洗い流しながら指で優しくこすり洗いをします。
汚れや匂いが気になるようであれば、マウスピース専用の洗浄剤を使用するのも効果的です。
硬いブラシでゴシゴシこすると表面に細かい傷ができて雑菌を増やす原因となってしまうので避けましょう。
食事が終わってマウスピースを装着する前には必ず歯磨きが必要です。
歯の周りに食べかすが残ったままマウスピースを装着すると、汚れがマウスピースの中に閉じ込められ、細菌がどんどん繁殖してしまいます。
マウスピースを装着している間は唾液も行き届かないため、自浄作用や抗菌作用も働きにくく、虫歯のリスクがどんどん高まっていきます。
外出先などでやむをえず歯磨きをせずにマウスピースを装着しなければならない場合も、食後に水で口を濯ぐ、マウスウォッシュを使用する、歯磨きシートを使用する、などの工夫をしましょう。
マウスピースを装着していると普段よりお口の中が乾燥しやすくなります。
そのため、唾液の分泌量も減少し、細菌の繁殖が促され虫歯のリスクが高まります。
また、歯の表面が乾燥すると汚れが付着しやすく取れにくくなります。これも虫歯リスクを高めてしまう理由の一つです。
マウスピース矯正中は虫歯リスクは高まりますが、予防をきちんと行えば必ずしも虫歯になってしまうというわけではありません。
患者様にぜひ実践していただきたい予防策をご紹介いたします。
マウスピース矯正中は1日22時間以上の装置装着が推奨されていますが、飲食をするとき外しましょう。
朝昼晩のお食事はもちろん、間食や水以外の飲み物を飲む時もマウスピースは外す必要があります。
マウスピースをつけたまま飲食をすると食べかすや飲み物の糖分が歯とマウスピースの間に入り込んでしまいます。
長時間、虫歯の原因となる汚れが閉じ込められることで非常に虫歯になりやすい環境となってしまいます。
矯正中はメリハリのある食事を心がけ、歯とマウスピースは常に清潔を保つよう心がけましょう。
また、糖分を含んでいない飲み物なら良いのではと思う方もいらっしゃいますが、虫歯の原因にはなりませんが歯とマウスピースの着色の原因になり見た目が悪くなってしまいますので、そちらも避けた方がいいでしょう。
マウスピースをつける前は必ず歯磨きをしましょう。
歯に汚れが残っている状態でマウスピースを装着してしまうと歯とマウスピースの両方に汚れが密着した状態となり細菌がどんどんと増えていきます。
マウスピース矯正中は唾液が充分に歯に行き渡らないので、汚れが洗い流されず虫歯ができる原因となります。
矯正中は隙間や補助装置の周りなど歯ブラシだけではきれいに磨きづらい部分も増えます。
歯磨きをする際は、フロスや歯間ブラシのような清掃補助器具を使用して念入りなケアを心がけましょう。
マウスピースは7〜10日ごとに次の新しいものに交換していくため基本的にはひどく汚れることはありません。
しかし、歯磨きをしていない状態で装着してしまったり、日々のお手入れを怠ったりしているとマウスピースの周りに汚れがついて細菌が繁殖することになります。
マウスピースの装着は長時間に及ぶので、汚れたマウスピースを使用しているとお口の中の環境はどんどん悪くなってしまいます。そうならないために
・歯磨きをしてからマウスピースをつける
・マウスピースを外したら流水で洗う
・1日の終わりにはしっかりとこすり洗いをする
・汚れが気になる場合は専用の洗浄剤を使用する
などに気をつけてお手入れを続けましょう。
お体の水分が不足していると唾液の量も減ってしまいます。
唾液には食べかすを洗い流す自浄作用や細菌の繁殖を抑える抗菌作用など虫歯を予防するために大切な作用がたくさんあります。
マウスピースをしていると唾液がそもそも歯の周りに行き渡りにくく、お口も開きやすいため、お口の中が乾燥しやすくなります。
乾燥を加速させないよう水分補給を十分に行いましょう。
もちろん摂る水分は糖分の含まれていないものにすべきで、水がベストです。
矯正中は歯が動いていくため一時的に歯と歯の間に隙間ができたり、歯を効率的に動かすために歯の表面に補助装置をつけたりします。
そのような場所の周りは汚れが溜まりやすく、セルフケアで清潔を保ち続けるのが困難な時があります。
また、汚れが固くなって歯石になってしまうと、患者様ご自身で取り除くことはできません。
定期的に歯科医院での口腔ケアをうけるようにしましょう。
定期的な受診は矯正をしていなくても受けるようにしていただきたいですが、矯正中は特に、少し頻度をあげて口腔ケアを受ける様にするのが良いでしょう。
口腔ケアを受けるだけでなく、セルフケアの方法やおすすめの道具などの指導を受けることもできます。
マウスピース矯正前に虫歯が見つかった場合は虫歯の治療が優先となります。
虫歯の治療は状態によっては歯の形が大きく変わることもあり、矯正治療を始めてから虫歯治療を行うとマウスピースがフィットしなくなったり、治療計画を変更しなければならない可能性があるからです。
また、矯正治療中は虫歯が進行しやすい環境になっています。
虫歯を放置したまま矯正を進めていくとどんどん進行してしまい、大掛かりな治療が必要になってしまうかもしれません。
早く矯正治療に進みたい!と思ってしまいがちですが、治療前の検査で虫歯が見つかった場合はまずしっかりと治してから矯正を始める様にしましょう。
そのほうが結果的に矯正治療もスムーズに終わらせることができます。
マウスピース矯正中に虫歯ができてしまった、見つかったという場合はその虫歯の進行具合によって優先度が変わります。
ごく初期のものであれば治療を行わず経過観察しながら矯正を進めることもありますし、軽度のもので治療しても歯の形をほとんど変えずに済む場合は、虫歯治療の時間のみマウスピースを外して行い、マウスピースもそのまま継続して使用していきます。
しかし、進行度が大きく、虫歯治療によって歯の形が大きく変わってしまう場合は1度マウスピースを使用するのをやめ、虫歯治療を行ってから新しいマウスピースを作り直します。
大きな虫歯が途中でできると矯正治療にもかなりの遅れをもたらしてしまいます。
そうならないために、予防をしっかりと行い、万が一虫歯になっても早期発見できるように定期受診を欠かさないようにしましょう。
この記事ではマウスピース矯正と虫歯の関係性について詳しくご説明してきました。
マウスピース矯正は装置を外した状態で食事や歯磨きができるので、しっかりお手入れを行なっていれば従来のワイヤー矯正より虫歯になりにくいと考えられます。
マウスピース矯正で歯並びを治したいとお考えの方はぜひMeLoSにご相談ください。
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