インビザラインの成功率は50%?失敗の原因と成功率を上げる9つの方法
2025年9月30日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザライン とは少しずつ形の違う透明のマウスピースを交換していくことで理想の歯並びへと歯を動かして行く、新しい矯正治療方法です。

 

装置が透明で目立たないので、近年人気が高い治療ですが、一方で、本当にマウスピースで歯が動くのか?どれくらい成功するの?とご不安に思う方もいらっしゃるかと思います。

 

この記事では、インビザライン の成功率について詳しくご説明していきます。

 

インビザラインの成功率は50%って本当?

2020年の研究によるとインビザラインの成功率は50%とされています。この衝撃的な数字について詳しくご説明いたします。

 

インビザラインの成功の定義とは

この論文における「成功」とは治療計画通りに歯が動くこと、を指します。

 

たったの50%しか成功しないのか、と衝撃を受けた方もいらっしゃるかもしれませんがこのパーセンテージは歯科医師の計画立案や指導によって大きく変化させることができます。

 

インビザラインの1クール当たりのアライナーの枚数は最大99枚までですが、1回の型取りで出来上がってくる1クール分のアライナーで治療計画通りしっかり並べきることができるのは軽度の不正咬合のみです。

 

通常は何度か途中で型を取り直し、治療計画を変更しながら、新しいアライナーを作り変えながら進めていきます。追加アライナーを使用することで成功率は格段に上がっていきます。

 

このように途中で追加のアライナーへ変更となってしまった場合はその計画は成功と見なされないため、50%という数字になってしまうのです。

 

治療計画通りでなくても、調整によって歯並びは改善される

ごく軽度の叢生でない限り、コンピュータ上の治療計画通り狂いなく進んでいくことは非常に難しいです。だからと言ってインビザラインで歯並びをきれいにできないということではありません。

 

計画通りに動かなくなった場合は、ズレが出てきた原因を歯科医師が見極め、途中で計画を変更して再度アライナーを作り直します。この調整を細かにしていくことで成功率をあげ、最終的にきれいな歯並びを獲得することができるようになります。

 

そのため、インビザラインはどんな歯科医師でも簡単に行えるのではなく、知識と経験による巧みな調整が成功の鍵となるのです。

 

インビザラインで失敗してしまう7つのパターン

インビザラインで失敗した!と感じるパターンには様々なものがあります。失敗例としてよく聞かれるものを以下で具体的にご紹介いたします。

 

当初の治療計画よりも時間がかかった

インビザラインでは治療開始前にコンピュータ上でシミュレーションを行うことができるため、大体どのくらいの枚数のアライナーを使用するかを確認することができます。

 

しかしこの治療計画はアライナーが理想通り使用できている前提で立てられています。装着時間が短かったり、装着方法が正しくなかったりするとエラーが大きくなっていきます。そしてそのエラーが大きくなると再度計画を立て直し、アライナーを再作製する必要が出てきます。そしてその分治療期間が伸びてしまいます。

 

想像していたより治療期間が長くなるとモチベーションも下がりやすくなりますので、装着時間は必ず守りましょう。

 

噛み合わせが悪化した

歯並びの見た目をきれいにすれば噛み合わせもよくなるわけではありません。見た目だけを重視した無理な治療計画に沿って歯を移動させていくと、噛み合わせが悪化してしまうこともあります。

 

また、アライナーで歯全体(噛む面を含め)を覆っているので一時的に噛み合わせが悪くなったと感じることもあります。早く治療を終えたいという気持ちだけを優先することなく、長期的な目でみて矯正治療を進めることが大切です。

 

虫歯・歯周病になった

インビザラインでアライナーをつけた状態で過ごしていると、食べかすや汚れを洗い流してくれる自浄作用や細菌の繁殖を抑えてくれる抗菌作用をもった唾液が十分に行き渡りません。

 

そのため、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。

 

きちんとした口腔ケアやアライナーのメインテナンスが行われていないと虫歯や歯周病に罹患して治療が必要になり、矯正治療に遅れや治療計画の変更が出てしまいます。

 

歯茎が下がり歯根が露出した

歯茎や歯を支える骨が薄い方は歯を並べていく過程で、歯茎が下がり歯の根っこが露出してしまうことがあります。

 

そうすると矯正治療前より歯が長く見えてしまい、見た目もよくありません。

 

また、歯茎と骨がさがってしまうことで歯と歯が隣接している部分と歯茎で囲まれた部分に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができてしまうこともあります

 

一般的に日本人の歯茎と骨は欧米人に比べて薄い傾向にあるため、このトラブルは起きやすく珍しいことではありません。事前によくリスクを確認しておくことが大切です。

 

口内環境が悪化した

インビザライン矯正中は長時間の装置着用により、お口の中が汚れやすく細菌が繁殖しやすい状態になります。そのためインビザライン治療中に歯磨きやクリーニングを十分に行わないと、歯や歯周組織に問題が生じやすくなります。虫歯や歯周病が進行すると、歯の動きに影響を及ぼしたり、痛みや炎症が発生したりすることがあります。

 

その結果、計画通りに歯が移動せず、治療が中断されたり再調整が必要になったりするケースがあります。口内環境を清潔に保つことは、インビザライン治療を成功させるために非常に重要です。

 

想定した顔つきにならなかった

矯正治療をすると噛み合わせが変化して、使う筋肉が変わるので顔全体の印象が変わる事がありますが、必ずしもいい変化が起きるとは限りません。

 

前歯をひっこめて出っ歯をなおしたことによって口元全体が下がり、法令線が気になるようになったり、抜歯を行って歯のアーチを小さくしたことで、頬がこけたように見えてしまうケースもあります。

 

歯列矯正後に後戻りした

矯正治療によって動かした歯はアライナーをつけるのをやめてしまうと歯は元の位置に戻ろうとするため、治療終了後もリテーナーを使用して、新しい歯並びを定着させることが大切です。正しくリテーナーを使用していないと数ヶ月で歯が動き後戻りして、再度治療が必要になってしまうこともあります。

 

インビザラインで失敗してしまう主な原因

インビザライン治療は多くの患者様にとって安全で効果的な方法ですが、治療計画通りに進まないケースもあります。失敗の原因は、患者側の管理不足や口腔環境の問題、さらに歯科医師側の技術的要因など、さまざまです。ここでは、インビザライン治療で失敗してしまう主な原因を詳しく解説します。

 

インビザラインに不向きな症例

インビザラインは、特に軽度から中等度の歯列不正に効果を発揮する治療法です。歯の傾きやねじれ、前歯の軽いガタつきなどには適しており、マウスピースによる計画的な移動で改善が期待できます。

 

一方で、骨格的なズレが大きい場合や重度の開咬(前歯が咬み合わない状態)、上下顎の位置関係に大きな不調和がある場合には、マウスピース単独での対応が難しくなります。また、歯の形態が極端に小さい、突出度が大きいといった場合も、アライナーがうまくフィットせず効果が十分に発揮されないことがあります。このようなケースでは、ワイヤー矯正や補助的な装置の併用、場合によっては外科矯正を検討する必要があります。

 

インビザラインの管理不足

インビザラインは「取り外せる」という利便性が大きなメリットである一方、その自由度がデメリットになることもあります。推奨される装着時間は1日22時間ですが、自己管理が不十分で装着時間が短くなると、計画通りに歯が動かず治療が遅延する原因となります。

 

また、食事の際に外したアライナーを紛失したり、誤って変形させたりすることも少なくありません。中には、複数枚のアライナーを同時に使用してしまう、装着を忘れて数日間放置してしまう、アライナーを装着したまま飲食してしまう……などといった誤った使い方をしてしまう方もいます。

 

インビザラインは「使い方次第で効果が変わる装置」であるため、毎日の装着時間を守り、アライナーを丁寧に取り扱うことが治療成功の鍵となります。

 

口腔ケア不足

矯正治療中は口腔内の環境が変化し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特にインビザラインはアライナーを装着している時間が長いため、食べかすや糖分が残った状態で装着すると、細菌が閉じ込められ、急速に虫歯や歯肉炎が進行する恐れがあります。

 

歯磨きやフロスを怠ると、歯が健康な状態を保てず、治療計画が中断される可能性もあります。また、歯肉の炎症が強いと、歯の移動そのものがスムーズに進まなくなることもあります。

 

そのため、インビザライン治療中は「食事や間食のたびに歯磨きをする」「最低限起床時と就寝前は必ず磨く」「アライナーも洗浄する」といったケアを徹底することが求められます。口腔ケア不足は失敗の最も一般的な原因のひとつであり、日常の小さな習慣が成功と失敗を分けるポイントとなります。

 

歯科医師の技術不足

インビザラインは、単にマウスピースを装着するだけで歯が自然に整うわけではありません。治療開始前に行う診断やシミュレーション(クリンチェック)の設計が非常に重要で、どの歯をどの順番で、どのくらい動かすかを綿密に計画する必要があります。

 

歯科医師が適切にアタッチメントを配置し、治療中に必要な微調整を行わなければ、計画通りに歯は動きません。また、経過観察を怠ると患者さんの装着状況や口腔環境の変化に気づけず、結果として治療が滞ってしまいます。

 

インビザラインは装置だけでなく「歯科医師の診断力と経験」に大きく依存する治療法です。経験豊富で信頼できる歯科医師のもとで治療を受けることが、成功率を高める上で欠かせません。

 

インビザラインの成功率を上げる方法9選

インビザラインを失敗した!となってしまわないように成功率を上げる方法をご紹介いたします。どれも特別なことではありませんので治療開始前によく読みこれらを心がけて治療に臨むようにしましょう。

 

治療後のイメージを事前にきちんと摺り合わせる

治療後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、ゴールのイメージを担当ドクターとしっかり擦り合わせてから矯正治療を始めることが大切です。理想の歯並びはどのようなものなのか、それを達成するためにはどのような処置が必要なのか、考えられるリスクはどのようなものか、などよく話し合いましょう。

 

インビザラインでは事前シミュレーションも確認できることが多いのでそちらを活用してイメージ共有するのも良いでしょう。

 

インビザラインの装着時間を守る

インビザラインの治療計画はアライナーを正しく装着していることが前提になります。アライナーは一日22時間の装着が推奨されています。アライナーを装着していない時間は歯に力がかからないので、歯は動かないどころか長時間外していると後戻りを起こすこともあります。

 

また、適切につけることができておらず、アライナーが歯から浮いていたまま過ごしていると、計画通り歯が動かなくなってしまいます。浮きのないよう、チューイーなどを使用して歯にしっかり密着させるように装着しましょう。

 

口内を清潔に保つ

矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるので普段より念入りなケアが必要になります。食事の後は歯磨きをすぐにする習慣をつけ、1日の終わりにはフロスや歯間ブラシのような清掃補助道具を使用して磨き残しのないようにしましょう。

 

またアライナーに汚れが残ったままだと口臭の原因になったり、アライナーの内側に歯石が形成されて虫歯や歯周病のリスクとなります。アライナーを外したら水できれいにゆすぎ、乾燥させて保管しましょう。

 

インビザラインを正しいタイミングで交換する

インビザラインでは次のアライナーに交換するタイミングを患者様ご自身で管理していただくことになります。使用期間が長すぎても短すぎてもいい結果には結びつきませんので注意が必要です。

 

また、通常7〜10日で次のアライナーへと交換しますが、歯の動き方によって変更が必要な場合もあります。フィットが悪かったり、装着時間が短くなってしまった日がある場合には、いつもより長めの期間使用していただくこともあります。その場合も歯科医師の指示がありますので、自己判断せず、かかりつけ医に相談して進めましょう。

 

定期的に通院する

インビザラインは治療が始まると数週間〜数ヶ月分のアライナーを一気にお渡しすることが多いです。しかし、定期的な歯科医院受診は必須です。ご自身では気づかないうちに虫歯や歯周病が進行していたり、治療計画とのズレが起きていたりすることがあるのをチェックするためです。

 

歯科医師から次回の来院時期について必ず案内がありますので、それにしたがって、きちんと通院しながら矯正治療を進めるようにしましょう。

 

矯正中の違和感を放置しない

お口の中の違和感に最初に気づくことができるのは患者さん自身です。インビザラインの通院頻度は数週間〜数ヶ月に1度ですが、いつもと違う痛みなど、違和感が出てきたら早めに担当医に相談しましょう。

 

もしかしたら深刻なトラブルが発生しているかもしれません。早い時点でチェックしておくと、トラブルによる治療の修正も最小限で済ませることができます。

 

歯並びによってはワイヤー矯正との併用を検討する

インビザラインは軽度から中度の不正咬合に適していますが、骨格性の問題や重度の歯列不正では単独での矯正が難しい場合があります。こうした場合は、ワイヤー矯正との併用を検討することもあります。

 

ワイヤー矯正には、ねじれた歯を回転させる、倒れた歯を起こす、歯列から逸脱した歯を引っ張る、などのようにアライナーより得意な動きがあります。アライナーとワイヤーのそれぞれが得意な動きをいいとこ取りして治療を進めることで、より確実に歯を動かし、治療計画通りに歯並びを整えられる可能性が高まります。

 

歯科医師と相談し、症例に応じた最適な治療法を選ぶことが成功率向上の鍵です。

 

実績や経験が豊富な歯科医院を選ぶ

インビザラインでの矯正治療で満足のいく治療結果を得るには、適切な治療計画を立てることが大切です。実績や経験の少ない歯科医師と多い歯科医師とでは、治療計画の精度に差が出てきます。

 

また、治療途中で予期せぬトラブルが起きた場合にも経験豊富な歯科医師であれば柔軟に対応してリカバリーしてもらえます。治療開始前に下調べをして、不安な場合はカウンセリングを複数の歯科医院で受けるのも良いでしょう。

 

矯正後のアフターフォローを確認する

インビザライン治療後の歯の後戻りを防ぐためには、リテーナー装着や定期的なチェックが重要です。歯を並べ終わったらそこで管理が終了してしまうような歯科医院では、せっかく歯並びを整えても後戻りを起こしてしまう可能性が高くなります。動的装置の使用が終了したあとも必ず歯科医院の定期通院は継続しましょう。

 

治療前に歯科医院でアフターフォローの内容や期間を確認しておくことで、治療終了後も安定した歯並びを維持できます。フォロー体制が整っているクリニックを選ぶことが、長期的な成功につながります。

 

インビザラインの成功率不安がある方は、MeLoSにご相談ください

この記事ではインビザラインの成功率について詳しくご説明してきました。しかし、成功率は歯並びやライフスタイルなどさまざまな要因によって大きく変化します。

 

インビザラインで矯正治療して本当に成功するの?と不安がある方はぜひ1度MeLoSにご相談ください。専門のスタッフがお口の中の状況と不安や心配事をお伺いしてご相談に乗ります。

 

また、お近くのインビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりご連絡ください。

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