インビザライン とは少しずつ形の違う透明のマウスピースを交換していくことで理想の歯並びへと歯を動かして行く、新しい矯正治療方法です。
装置が透明で目立たないので、近年人気が高い治療ですが、一方で、本当にマウスピースで歯が動くのか?どれくらい成功するの?とご不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、インビザライン の成功率について詳しくご説明していきます。
2020年の研究によるとインビザラインの成功率は50%とされています。
この衝撃的な数字について詳しくご説明いたします。
この論文における「成功」とは治療計画通りに歯が動くこと、を指します。
たったの50%しか成功しないのか、と衝撃を受けた方もいらっしゃるかもしれませんがこのパーセンテージは歯科医師の計画立案や指導によって大きく変化させることができます。
インビザラインの1クール当たりのアライナーの枚数は最大99枚までですが、1回の型取りで出来上がってくる1クール分のアライナーで治療計画通りしっかり並べきることができるのは軽度の不正咬合のみです。
通常は何度か途中で型を取り直し、治療計画を変更しながら、新しいアライナーを作り変えながら進めていきます。
追加アライナーを使用することで成功率は格段に上がっていきます。
このように途中で追加のアライナーへ変更となってしまった場合はその計画は成功と見なされないため、50%という数字になってしまうのです。
ごく軽度の叢生でない限り、コンピュータ上の治療計画通り狂いなく進んでいくことは非常に難しいです。
だからと言ってインビザラインで歯並びをきれいにできないということではありません。
計画通りに動かなくなった場合は、ズレが出てきた原因を歯科医師が見極め、途中で計画を変更して再度アライナーを作り直します。
この調整を細かにしていくことで成功率をあげ、最終的にきれいな歯並びを獲得することができるようになります。
そのため、インビザラインはどんな歯科医師でも簡単に行えるのではなく、知識と経験による巧みな調整が成功の鍵となるのです。
インビザラインで失敗した!と感じるパターンには様々なものがあります。
失敗例としてよく聞かれるものを以下で具体的にご紹介いたします。
インビザラインでは治療開始前にコンピュータ上でシミュレーションを行うことができるため、大体どのくらいの枚数のアライナーを使用するかを確認することができます。
しかしこの治療計画はアライナーが理想通り使用できている前提で立てられています。
装着時間が短かったり、装着方法が正しくなかったりするとエラーが大きくなっていきます。
そしてそのエラーが大きくなると再度計画を立て直し、アライナーを再作製する必要が出てきます。
そしてその分治療期間が伸びてしまいます。
想像していたより治療期間が長くなるとモチベーションも下がりやすくなりますので、装着時間は必ず守りましょう。
歯並びの見た目をきれいにすれば噛み合わせもよくなるわけではありません。
見た目だけを重視した無理な治療計画に沿って歯を移動させていくと、噛み合わせが悪化してしまうこともあります。
また、アライナーで歯全体(噛む面を含め)を覆っているので一時的に噛み合わせが悪くなったと感じることもあります。
早く治療を終えたいという気持ちだけを優先することなく、長期的な目でみて矯正治療を進めることが大切です。
インビザラインでアライナーをつけた状態で過ごしていると、食べかすや汚れを洗い流してくれる自浄作用や細菌の繁殖を抑えてくれる抗菌作用をもった唾液が十分に行き渡りません。
そのため、虫歯や歯周病にかかるリスクが高まります。
きちんとした口腔ケアやアライナーのメインテナンスが行われていないと虫歯や歯周病に罹患して治療が必要になり、矯正治療に遅れや治療計画の変更が出てしまいます。
歯茎や歯を支える骨が薄い方は歯を並べていく過程で、歯茎が下がり歯の根っこが露出してしまうことがあります。
そうすると矯正治療前より歯が長く見えてしまい、見た目もよくありません。
また、歯茎と骨がさがってしまうことで歯と歯が隣接している部分と歯茎で囲まれた部分に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができてしまうこともあります。
一般的に日本人の歯茎と骨は欧米人に比べて薄い傾向にあるため、このトラブルは起きやすく珍しいことではありません。事前によくリスクを確認しておくことが大切です。
矯正治療をすると噛み合わせが変化して、使う筋肉が変わるので顔全体の印象が変わる事がありますが、必ずしもいい変化が起きるとは限りません。
前歯をひっこめて出っ歯をなおしたことによって口元全体が下がり、法令線が気になるようになったり、抜歯を行って歯のアーチを小さくしたことで、頬がこけたように見えてしまうケースもあります。
矯正治療によって動かした歯はアライナーをつけるのをやめてしまうと歯は元の位置に戻ろうとするため、治療終了後もリテーナーを使用して、新しい歯並びを定着させることが大切です。
正しくリテーナーを使用していないと数ヶ月で歯が動き後戻りして、再度治療が必要になってしまうこともあります。
インビザラインを失敗した!となってしまわないように成功率を上げる方法をご紹介いたします。
どれも特別なことではありませんので治療開始前によく読みこれらを心がけて治療に臨むようにしましょう。
治療後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、ゴールのイメージを担当ドクターとしっかり擦り合わせてから矯正治療を始めることが大切です。
理想の歯並びはどのようなものなのか、それを達成するためにはどのような処置が必要なのか、考えられるリスクはどのようなものか、などよく話し合いましょう。
インビザラインでは事前シミュレーションも確認できることが多いのでそちらを活用してイメージ共有するのも良いでしょう。
インビザラインの治療計画はアライナーを正しく装着していることが前提になります。
アライナーは一日22時間の装着が推奨されています。
アライナーを装着していない時間は歯に力がかからないので、歯は動かないどころか長時間外していると後戻りを起こすこともあります。
また、適切につけることができておらず、アライナーが歯から浮いていたまま過ごしていると、計画通り歯が動かなくなってしまいます。
浮きのないよう、チューイーなどを使用して歯にしっかり密着させるように装着しましょう。
矯正治療中は虫歯や歯周病のリスクが高くなるので普段より念入りなケアが必要になります。
食事の後は歯磨きをすぐにする習慣をつけ、1日の終わりにはフロスや歯間ブラシのような清掃補助道具を使用して磨き残しのないようにしましょう。
またアライナーに汚れが残ったままだと口臭の原因になったり、アライナーの内側に歯石が形成されて虫歯や歯周病のリスクとなります。
アライナーを外したら水できれいにゆすぎ、乾燥させて保管しましょう。
インビザラインでは次のアライナーに交換するタイミングを患者様ご自身で管理していただくことになります。
使用期間が長すぎても短すぎてもいい結果には結びつきませんので注意が必要です。
また、通常7〜10日で次のアライナーへと交換しますが、歯の動き方によって変更が必要な場合もあります。
フィットが悪かったり、装着時間が短くなってしまった日がある場合には、いつもより長めの期間使用していただくこともあります。
その場合も歯科医師の指示がありますので、自己判断せず、かかりつけ医に相談して進めましょう。
インビザラインは治療が始まると数週間〜数ヶ月分のアライナーを一気にお渡しすることが多いです。
しかし、定期的な歯科医院受診は必須です。
ご自身では気づかないうちに虫歯や歯周病が進行していたり、治療計画とのズレが起きていたりすることがあるのをチェックするためです。
歯科医師から次回の来院時期について必ず案内がありますので、それにしたがって、きちんと通院しながら矯正治療を進めるようにしましょう。
お口の中の違和感に最初に気づくことができるのは患者さん自身です。
インビザラインの通院頻度は数週間〜数ヶ月に1度ですが、いつもと違う痛みなど、違和感が出てきたら早めに担当医に相談しましょう。
もしかしたら深刻なトラブルが発生しているかもしれません。
早い時点でチェックしておくと、トラブルによる治療の修正も最小限で済ませることができます。
インビザラインでの矯正治療で満足のいく治療結果を得るには、適切な治療計画を立てることが大切です。
実績や経験の少ない歯科医師と多い歯科医師とでは、治療計画の精度に差が出てきます。
また、治療途中で予期せぬトラブルが起きた場合にも経験豊富な歯科医師であれば柔軟に対応してリカバリーしてもらえます。
治療開始前に下調べをして、不安な場合はカウンセリングを複数の歯科医院で受けるのも良いでしょう。
この記事ではインビザラインの成功率について詳しくご説明してきました。
しかし、成功率は歯並びやライフスタイルなどさまざまな要因によって大きく変化します。
インビザラインで矯正治療して本当に成功するの?と不安がある方はぜひ1度MeLoSにご相談ください。
専門のスタッフがお口の中の状況と不安や心配事をお伺いしてご相談に乗ります。
また、お近くのインビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりご連絡ください。