 
                        歯列矯正でEラインを整えられるかどうかは、多くの方が気になっているテーマです。実は、出っ歯や受け口、前歯の突出など、Eラインに影響する歯並びの多くは歯列矯正で改善可能です。しかし、骨格が原因の場合は外科手術が必要になるケースもあります。本記事では、Eラインに影響する歯並びの特徴や矯正で整える方法を詳しく解説します。
Eラインとは、エステティックラインとも呼ばれ、鼻先とあご先を結んだ理想的な横顔のラインを指します。横顔を真横から見たとき、上下の唇がこの線上またはやや内側に位置している状態が、美しい横顔の目安とされています。
出っ歯や受け口、前歯の突出がある場合、このラインが崩れやすくなります。Eラインは単に見た目の美しさだけでなく、噛み合わせや口元の健康にも関係する重要な指標です。矯正治療では、口元だけ、歯並びだけ、に注目するのではなく、Eラインのような顔貌に関する指標も用いてゴールを決めていくことが重要です。
矯正治療のゴールについて歯科医師と患者様で話し合いをする際には、横顔写真やEラインを示す線を入れた画像を用いると理解が深まります。
自分でEラインを確認するには、横顔の写真を撮るのが簡単です。まず、真横から顔を撮影し、鼻先とあご先を結ぶ線を写真上で引きます。そして、その線のどこに唇が位置しているか見てみましょう。この線上または線よりもやや内側に上下の唇が位置していると理想的なエステティックラインということになります。
また、鏡を使って真横から自分の横顔を観察する方法もあります。鏡を使用する場合は横顔を鏡にうつしながら鼻と顎に定規のようにまっすぐなものを当てて確認しましょう。また、家族や友人に頼んで横顔を評価してもらうのも一つの手です。
横顔の美しさを決めるEラインは、口元の突出や凹み、前歯の角度など、歯並びの状態が大きく影響します。ここでは、Eラインに影響を与える代表的な歯並びと、それぞれの矯正での改善ポイントについて詳しく解説します。
出っ歯は上の前歯が前方に突出しているもしくは下顎が後退している状態で、横顔で見ると上唇がEラインより前に出やすくなります。歯の角度が過度に傾斜しているもの、骨格的に前に突出しているもの、など原因はさまざまです。
また、原因は先天的なものだけでなく、舌の位置の癖、口呼吸、指しゃぶりなどの習慣も関係します。矯正治療では、前歯を後方に移動させたり、必要に応じて抜歯やIPRでスペースを確保したりする方法がとられます。前歯の角度や歯列全体の位置を調整することで、唇の突出感を抑え自然な横顔に近づけることが可能で、比較的Eラインを整えやすい歯並びです。
さらに、悪習癖がある方は治療中に口呼吸や舌の位置に注意することで後戻りのリスクを減らすことができます。出っ歯を改善すると、横顔だけでなく正面観の印象も調和します。
受け口は下顎が前方に出ている、あるいは上顎が後退している状態で、横顔では下の唇がEラインより前に出やすくなります。特徴的な願望は三日月様願望とも呼ばれ、横顔が気になる方も多いです。
軽度の場合は歯列矯正で改善でき、上顎前歯を前方に出す、下顎前歯を後方に移動させるなどの治療を組み合わせて整えていきます。しかし、受け口は骨格が原因のことも多く、骨格的要因が大きいと歯列矯正に加えて外科矯正が必要になることもあります。
外科矯正は大掛かりな治療で受けられる医療機関に限りがあり、歯科医師の明確な診断も必要となります。しかし、外科矯正を併用すると劇的な横顔の改善が見込まれます。
また、受け口では歯や顎関節に過度な負担が掛かり、不具合が出ることも多いため、噛み合わせの改善により機能面でもメリットがあります。治療中は食事や発音への影響も確認しながら調整が行われます。
口ゴボは上下の唇が前方に突出している状態で、前歯の角度や突出、下顎の位置が影響します。Eラインより唇が前に出るため、横顔がのっぺりして見え、顔全体の印象が乱れます。
矯正では前歯の位置や角度を調整し、抜歯やスペース確保を行うことで唇の突出を抑えます。口ゴボの改善により、口元が引っ込み、横顔全体のバランスが整います。正面から見た印象も自然になり、笑顔の見え方や口元の立体感も向上します。さらに、唇や歯の位置を細かく調整することで、咬合や発音にも良い影響を与えます。
過蓋咬合は上の前歯が下の前歯に深く覆いかぶさる状態で、口元や唇の位置に影響します。下唇が内側に引っ込みすぎたり、上唇が前に出やすくなることがあります。矯正では前歯の咬み合わせを整え、奥歯の咬みあわせも調整することで口元のバランスを改善します。
治療により唇がEライン上に自然に収まり、横顔全体の印象が向上します。過蓋咬合を改善することは、見た目だけでなく噛み合わせや顎関節への負担軽減にもつながり、日常生活での機能面の改善も期待できます。
叢生は歯がデコボコに重なり合って生えている状態で、特に前歯の乱れが大きい場合、唇が歯の重なりによって押されて、Eラインも乱れやすくなります。叢生の原因は歯列のスペース不足や歯と顎のサイズのアンバランスさによるもので、矯正では歯を並べるスペースを確保するために必要に応じて抜歯やIPRなどを行ったりします。
叢生を改善すると口元の突出感が抑えられ、唇がEラインに沿った自然な位置に収まり安くなります。さらに、叢生が解消されるとEラインの改善だけでなく、歯列の乱れが改善されることでブラッシングの工場も期待できます。これによって虫歯や歯周病のリスクを格段に下げることができます。
治療中は歯の移動速度や装置の適切な管理も重要で、これにより後戻りのリスクを減らせます。
横顔の美しさを整えるEラインは、歯列矯正によって改善できるケースが多くあります。歯並びの状態や骨格によって治療方法は異なり、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、また両者を組み合わせたコラボ矯正が選択肢となります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、自分に合った方法を選ぶことが可能です。
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を少しずつ移動させる方法です。最も一般的な矯正方法で、歴史も長く、症例数も多いです。
ワイヤー矯正は術者である歯科医師がチェアサイドで調整するため、毎回の調整時に患者様の歯並びに対する細かい要望を聞いてその都度すぐに反映できることもメリットの一つです。複雑な歯並びでも対応可能で、全顎矯正の治療期間は症例にもよりますが1年半~3年程度です。
部分矯正であれば半年ほどで終わることもあります。デメリットとしては、一番は、装置が固定式で目立つ、という点です。歯の表面に直接凹凸のある装置を貼り付け、患者様自身の手で外すことはできません。そのため違和感や痛みを感じやすく、食事や清掃時にも手間に感じることがあるでしょう。
また、通院頻度はおよそ4週間ごとに必要となり、通院して歯科医師の調整を受けなければ歯は動いていきません。費用は使用する材料や治療の難易度にもよりますが、おおよそ80万~120万円程度が目安です。
マウスピース矯正は透明なマウスピース型の装置を用いて歯を整えていく治療方法で、患者様ご自身で取り外し可能な点が特徴です。薄くて透明なので見た目が自然で目立たず、取り外して食事や歯磨きができるので口腔内の清掃も容易で、社会生活に支障をきたしにくいのがメリットです。
元々は軽度〜中程度の歯並びに対応していましたが、現在ではシステムもかなり進化を遂げ、複雑な症例にも対応できるようになってきています。Eライン改善のために歯を少しずつ動かすことができ、前歯の角度調整や突出の改善も可能です。
また、治療計画段階でシミュレーションをコンピュータ上で確認することができるため、歯科医師と患者様で歯並びのゴールを相談しながら決めていくことが可能です。もちろんEラインについても事前にある程度の予測シミュレーションを確認することが可能です。
デメリットとしては、装着時間を1日20時間以上確保する必要があり、自己管理が重要です。治療期間は症例や歯並びの状態により6ヶ月~2年程度で、通院は1~3ヶ月ごとに調整を行います。費用は種類や症例によって異なりますが、80万~120万円程度が一般的です。複雑な骨格の問題がある場合は単独では対応が難しいこともあります。
コラボ矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせた方法です。例えば、前歯の細かい角度調整やEライン改善はマウスピースで行い、奥歯や噛み合わせの調整はワイヤーで行うといった柔軟な治療が可能です。
メリットは両方の矯正の利点を活かせることですが、治療計画が複雑になり、通院回数が増える場合があります。また、費用は単独治療よりやや高めになることが多く、100万~150万円程度が目安です。
期間は1年半~3年程度が一般的ですが、症例により前後します。非常に複雑な症例で単独矯正では対応が難しい場合に有効で、Eライン改善と噛み合わせの両立が可能です。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較についてはこちらもご覧ください
歯列矯正ではEラインを整えられない場合、主に骨格的な問題が原因です。上下顎の骨の位置や大きさが理想のバランスから大きくずれている場合、歯だけを動かしても横顔のラインは十分に改善されません。そのようなケースでは、顎の位置を外科手術で調整する外科矯正治療が選択肢となります。
手術と矯正を組み合わせることで、Eラインの改善と噛み合わせの安定を同時に実現できます。外科手術を伴うため、治療期間は長く体への負担も大きくかかりますが、骨格レベルでの美しい横顔を作ることが可能です。
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