歯並びが遺伝するのか、またその影響がどのような形で現れるのかについて疑問を持つ方も多いでしょう。実際には、歯並びそのものが遺伝するのではなく、歯並びに大きな影響を与える骨格や顎の形が遺伝することが分かっています。しかし、遺伝以外にも口腔習慣や生活習慣が歯並びに影響を与えるため、矯正治療で改善することは十分可能です。本記事では、遺伝による歯並びの特徴や、矯正による改善方法について詳しく解説します。
歯並びが遺伝するかどうかについては、正確には「歯並びそのものが遺伝するわけではなく、骨格や顎の形が遺伝する」という観点で考える必要があります。歯並びに最も影響を与えるのは顎の大きさや形、歯の大きさ、そして歯の配置を決定する遺伝的要因です。これらは親から子に受け継がれ、結果として歯並びが良いか悪いかに大きな影響を及ぼします。
具体的には、親が小さな顎を持っている場合、子どもも小さな顎を持つ可能性が高いです。小さな顎に大きな歯が生えると、歯並びが乱れる原因になります。逆に、大きな顎を持っていれば、歯が綺麗に並ぶことが期待できます。上顎前突や下顎前突も遺伝することが多いでです。
また、歯の大きさや形も遺伝によって大きく左右されます。例えば、親が大きな歯を持っている場合、その子どもも同様に大きな歯を持ち、歯並びが乱れやすくなることがあります。
さらに、歯が生えるタイミングや順番も遺伝によって影響を受けます。乳歯や永久歯が生える時期や順序が遅れることがあり、その結果、歯並びが不正になることもあります。
このように親の歯並びが悪い場合、その子どもも遺伝的に同じような歯並びになる可能性が高いと言われていますが、遺伝だけが原因ではありません。歯並びに関する遺伝は約3割程度とされていて、その他の習慣や生活環境も大きな要因となり歯並びに影響します。
出っ歯は、上の前歯が前に出ている歯並びのことを指します。このタイプの歯並びは、遺伝的要因が強いとされています。特に親が出っ歯である場合、その子供も同様の歯並びになる確率が高くなります。出っ歯は、顎の骨の成長によって引き起こされることが多く、上顎が前に突出している場合や、下顎が後ろに引っ込んでいる場合に発生します。このような骨格の問題が遺伝するため、出っ歯が遺伝しやすい歯並びの一つといえます。また、前歯のサイズが大きくて出っ歯になっている場合も遺伝による可能性があります。
受け口は、下顎が前に出ている歯並びのことです。受け口も遺伝的な要因が大きいとされています。下顎が過剰に発達したり、上顎が十分に発達しなかったりすることで受け口が生じます。このような骨格の問題も遺伝によって引き継がれることが多く、特に父親や母親が受け口の場合、その子供にも受け口の特徴が現れることがあります。
受け口は、外見や発音、噛み合わせに影響を与えることがあり、成長の過程で適切な治療を行わないと、さらに顎の発達に悪影響を与える可能性があります。遺伝的な影響が強い受け口は、幼少期に矯正治療を行うことで改善が可能です。
叢生は、歯が重なり合ったり、歯並びが不規則になったりする状態を指します。叢生も遺伝的要因が大きく影響する歯並びの一つです。親が叢生の歯並びを持っている場合、子供にも同様の歯並びが現れる可能性が高いです。
叢生は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪いことが原因で起こります。顎が小さかったり、歯が大きすぎたりする場合、歯が並ぶスペースが足りず、歯が重なり合ってしまいます。
遺伝によって顎の大きさや歯の大きさが決まるため、叢生の歯並びも遺伝的に引き継がれることが多いです。叢生は、見た目だけでなく、歯磨きの際に歯ブラシが届きにくくなるなど、口腔衛生にも悪影響を与えることがあります。
口呼吸は、鼻呼吸ではなく、口を開けたままで呼吸をすることを指します。普段から口呼吸をしていると、顔の骨や歯並びに悪影響を与えることがあります。口呼吸をすることにより、舌の位置が正しい場所に留まらず、上顎の発達が妨げられることがあります。
その結果、上顎が狭くなり、歯並びが乱れる原因となります。また、口を開けて呼吸をすることで、舌の位置が下がり、舌の前歯を押すことで反対咬合を引き起こすことがあります。このような状態が続くと、受け口(反対咬合)や出っ歯、顎のずれといった歯並びの問題を引き起こします。
さらに、口呼吸によって口内が乾燥しやすくなり、唾液が少なくなることも問題です。唾液は歯の再石灰化を助ける重要な役割を担っており、唾液不足によって虫歯のリスクも高まります。これらの影響を避けるためには、できるだけ鼻呼吸を意識することが重要です。
頬杖は、普段の生活で無意識に行うことが多い癖ですが、これが歯並びに悪影響を与えることがあります。頬杖をつくことで、顔の左右に不均衡な圧力がかかり、顔の骨格や歯並びが歪む原因になることがあります。特に、片側の頬杖を習慣的に行うと、その側の顎や歯並びが歪むことがあります。
また、頬杖をついていると、上顎や下顎に不均等な圧力がかかり、歯が正しく並ぶスペースが確保できなくなることもあります。その結果、歯が生え変わる際に、歯列に乱れが生じる可能性が高まります。頬杖の癖を改善するためには、意識的に姿勢を正し、無意識で頬杖をつかないようにすることが必要です。
指しゃぶりは、赤ちゃんや幼児に見られる習慣的な行動であり、安心感を得るために行われることが多いです。しかし、長期間続けると、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。指しゃぶりは、舌の位置や口内の筋肉の使い方に影響を与え、前歯に力がかかって傾斜を引き起こすため、歯並びが乱れる原因になります。
特に、上顎の前歯が前に突き出る「出っ歯」や、下顎の歯が上顎の歯に対して引っ込んでしまう「受け口」、上下の歯が噛み合わない「開咬」という状態の原因になることがあります。このような歯並びの問題は、矯正を行うとともに習癖の除去を行うことが推奨されます。
食生活も歯並びに大きな影響を与える要因の一つです。特に、柔らかい食べ物ばかりを食べていると、顎の発達が不十分になり、歯列が狭くなることがあります。これにより、歯が並ぶスペースが不足し、歯並びが悪化する可能性があります。
また、甘いものや酸性の食品を過剰に摂取することで、虫歯のリスクが高まり、歯並びにも影響を与えることがあります。虫歯が進行すると、歯を抜く必要が出てくることがあり、その結果、歯並びが乱れることがあります。食生活を見直し、バランスの取れた食事を心掛けることが、歯並びを良好に保つためには重要です。
姿勢が悪いことも、歯並びに悪影響を与えることがあります。特に、猫背や前かがみの姿勢が続くと、口呼吸が習慣になりやすく、口呼吸では舌の位置が下がってしまい上顎前突、開咬、叢生の原因となります。また、食事をする時の姿勢も大事です。足の裏がしっかりとついていない状態だと、食べ物もしっかりと噛めず顎の正常な発達を促すことができないので注意が必要です。
遺伝によって引き起こされた歯並びの乱れは自然には改善されにくいでしょう。そのような場合は矯正治療によって改善することができます。矯正治療は、歯に持続的な力をかけて歯を理想的な位置に移動させ、見た目や噛み合わせを改善していきます。矯正治療にはブラケット矯正やインビザライン矯正といった方法があります。
インビザラインは、透明なマウスピース型の矯正装置を使用するため、目立ちにくく、日常生活に支障をきたすことが少ないのが大きなメリットです。特に成人の患者様には、見た目を気にせず治療を続けられる点で非常に人気があります。
インビザラインは、計画的に歯を少しずつ動かすことで、痛みを抑えつつ、スムーズに歯並びを整えることができます。遺伝による歯並びの問題でも、早期に治療を始めることで、より短期間で良好な結果を得ることができますので、歯科医と相談し、適切な治療法を選んでいきましょう。
遺伝による歯並びの改善をご検討中の方は、ぜひMeLoSにご相談ください。専門スタッフが、患者様のお口の中の状況を丁寧に確認し、最適な治療方法をご提案いたします。遺伝による歯並びの問題でも、適切な矯正治療を受けることで大きな改善が期待できます。
また、当院ではインビザライン矯正を得意としており、治療方法に関してもしっかりとサポートいたします。さらに、提携クリニックにてインビザライン矯正を受けられるクリニックのご紹介も行っております。初回相談は無料でご対応しておりますので、まずはお気軽にLINEでご連絡ください。