小児マウスピース矯正の効果とは?注意点や症例も紹介
2025年3月31日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

近年では矯正治療を早くから意識される方も多くなって来ました。この記事をみている方の中にもお子さまの歯並びが気になり、小児のマウスピース矯正を検討している方がいらっしゃるのではないでしょうか?マウスピース矯正は、メリットも多く、小児の患者様にも有効な治療方法です。しかし、すべての症例に適しているわけではなく、適切なタイミングや治療の進め方を知ることが重要です。

 

本記事では、小児マウスピース矯正の効果やメリット・デメリット、開始時期の目安について詳しく解説します。お子さまの歯並びが気になる方は、ぜひご覧ください。

 

小児マウスピース矯正の効果

小児マウスピース矯正の効果やメリットについて、以下でご説明いたします。

 

顎の成長を促進できる

顎の成長をコントロールできることは小児矯正の大きなメリットです。成長期の子どもの顎はまだ柔軟で、適切な刺激を与えることで、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保しやすくなります。マウスピース矯正は、顎の成長をサポートしながら歯を適切な位置へ誘導するため、狭い顎や受け口・出っ歯などの改善にも効果的です。

 

特に、顎の発育不足による歯並びの乱れを予防できるため、永久歯がきれいに生えそろう可能性が高まります。成長が終わってから矯正を始める場合、顎の骨の形を変えることは難しくなりますが、小児期のマウスピース矯正で適切な顎の発育をサポートすることで、後の成人矯正治療が不要になる、または治療期間を大幅に短縮できる可能性があります。

 

悪い口腔習癖を改善できる

小児期の歯並びの乱れは、単に遺伝や顎の成長だけでなく、悪い口腔習癖によって引き起こされることもあります。特に、指しゃぶり・舌突出・口呼吸などのような習慣は歯並びを悪くする原因となります。

 

小児マウスピース矯正の中でも特に「筋機能矯正装置」と呼ばれるマウスピース型矯正装置では、歯並びを整えながら、これらの悪い習癖を改善することが可能です。例えば、マウスピースを装着することで舌の位置を正しく誘導し、舌で前歯を押す癖を防ぐ効果が期待できます。

 

抜歯のリスクを低減できる

大人の矯正治療では、スペース不足が原因で抜歯が必要になるケースが少なくありません。しかし、小児マウスピース矯正では、成長期の顎の発達を利用して歯が並ぶためのスペースを確保することができます。小児期に適切に顎のサイズを広げておくことで、成人期になって若干の歯列不正が起きても、歯を抜かずに成人矯正(この場合はII期矯正という)を行える可能性が非常に高まります。

 

II期矯正では多くの場合大きな歯の移動もなく、軽度の矯正を行うことで噛み合わせを整えられます。そして何より健康な歯を失わずに済むのは何より大きなメリットと考えられます。

 

また、副次的に、親知らずが生えてくるスペースを確保できるというメリットが得られる場合もあります。親知らずが生えるためのスペースが足りないと、歯並びを乱す原因になることがありますが、小児期に適切に顎の成長を促すことで、そのようなトラブルを予防できる可能性があります。

 

従来の小児矯正とマウスピース矯正の違い

従来の小児矯正と、現代のマウスピース矯正の違いをご説明いたします。

 

従来の小児矯正

従来の小児矯正では、ワイヤー矯正や床矯正(拡大装置)のような固定式の矯正装置が主に使用されてきました。ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーで力を加えて歯を移動させる方法です。床矯正は、顎の成長を促すために、取り外し可能な装置を使用してスペースを確保する方法です。

 

これらの固定式の装置を使用することで、歯を強制的に移動させやすく、計画通りの治療が進められるメリットがあります。また、顎の発育が不十分な場合に、顎の幅を広げるための装置(拡大床など)が用いられることもあります。これにより、将来的に永久歯がきれいに並ぶスペースを確保し、抜歯のリスクを減らすことができます。

 

しかし、固定式矯正は装置の違和感や痛みが大きいというデメリットがあります。また、食事や歯磨きがしにくく装置の周囲に汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まることも課題です。さらにワイヤー矯正の場合は装置が目立ちやすいため、見た目を気にするお子さまにとって心理的な負担が大きくなることもあります。

 

現在の小児マウスピース矯正

現在の小児矯正では、マウスピース型矯正装置(インビザライン・ファーストなど)が普及してきています。これらの最大の特徴は、取り外しができることです。食事や歯磨きの際には装置を外せるため、固定式の矯正装置と比べて口腔内を清潔に保ちやすく、ワイヤー矯正に比べて虫歯や歯周病のリスクが低いというメリットがあります。

 

また、マウスピース矯正の装置は透明なため、日中装着する必要があっても目立ちにくく、見た目を気にするお子さまにとって負担が少ないことも大きな利点です。ただし、マウスピース矯正は取り外しが自由である反面、決められた時間以上の装着が必要であり、お子さまがしっかり装着しなければ治療が進まないリスクがあるため、親御様の協力が不可欠な治療方法です。

 

また、治療の適応範囲が限られているため、すべての症例に対応できるわけではありません。

 

小児マウスピース矯正を行う際の注意点

小児マウスピース矯正を行う際の注意点をご説明いたします。

 

子どもにマウスピースを装着し続けてもらう必要がある

小児マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着が求められるため、お子さまがしっかりと使用し続けることが重要です。マウスピースは装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療が長引いたり、治療の効果が得られなくなります。

 

特に、食事や歯磨きの際に外すことができるため、つい装着を忘れてしまうことがあります。また、違和感を感じて外してしまったり、学校や友達の前では付けたくないと感じたりすることもあります。親御さんが定期的に装着時間をチェックし、マウスピースを正しく使う習慣を身につけさせることが大切です。

 

さらに、マウスピースの紛失や破損にも注意が必要です。紛失や破損を起こすと再製作が必要となり治療がストップしてしまいます。マウスピースは比較的柔軟な素材で作られていますが、ポケットに無造作にしまっていたり、無意識のうちに噛んでしまったりすると、変形や破損のリスクがあります。そのため、専用のケースに入れて保管し、管理することも重要です。

 

成長に伴い再度矯正が必要になるケースもある

小児マウスピース矯正は、成長期の歯並びを整え、顎の発育をサポートすることを目的としていますが、すべての歯列の問題を完全に解決できるわけではありません。お子さまの顎や歯の成長には個人差があるため、永久歯が生えそろった後に、追加の矯正が必要になる場合があります(II期矯正)。

 

小児矯正はI期矯正と呼ばれ、I期矯正では「顎の成長を促して歯並びを整える」ことに重点を置いていることが多いです。成長の進み具合は正確に予測することは難しく、永久歯が生えた後に微調整が必要になることもあります。歯のサイズや顎の発育バランスにより、部分的な歯列矯正や仕上げの調整を行うことがあります。

 

また、成長とともに生活習慣や口腔習癖が変わることで、歯並びに影響が出る可能性もあります。たとえば、I期矯正の後に指しゃぶりや舌癖、口呼吸などが続くと、せっかく整えた歯並びが再び乱れることもあるため、矯正後も定期的なチェックが必要です。

 

小児マウスピース矯正を始める際には、「成長の途中段階であり、将来的に追加の矯正が必要になる可能性がある」ことを理解しておく必要があります。矯正を完了した後も、歯科医院での経過観察を続けることで、長期的に理想的な歯並びを維持することができます。

小児マウスピース矯正を始める最適なタイミング

小児マウスピース矯正は、顎の成長を利用して歯並びを整える治療のため、適切な時期に開始することが重要です。一般的には、6〜10歳頃の乳歯と永久歯が混在する時期(混合歯列期)が最適とされています。この時期に始めることで、顎の発育をコントロールしながら歯並びを整えやすく、将来的な抜歯のリスクを減らすことが可能です。

 

ただし、お子さまの歯の生え変わりや顎の成長には個人差があるため、適切な開始時期は歯科医師による診断が必要です。適切なタイミングを逃さぬよう早めに相談し、お子さまに合ったタイミングを見極めましょう。

 

小児マウスピース矯正にかかる期間

小児マウスピース矯正の治療期間は、歯並びの状態や顎の成長の進み具合によって異なりますが、一般的には1年半程度かかることが多いです。インビザラインファーストのパッケージも1年半の治療期間を想定して作られています。

 

混合歯列期は顎の成長だけでなく、乳歯の生え変わりも伴います。その度にマウスピース装置も作りかえながら進めるため、その一年半の間、大人より高い頻度での調整が必要になります。

 

また、動的治療後には後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着する期間が必要です。せっかく整えた矯正治療を無駄にしないための大切な期間で、乳歯が全て抜けて6番目までの歯が揃う頃まで観察を続けます。

 

小児マウスピース矯正にかかる費用

小児マウスピース矯正の費用は、使用する装置や治療期間によって異なりますが、一般的には30〜70万円程度が目安とされています。特に、インビザライン・ファーストなどのマウスピース矯正は、カスタムメイドの装置を使用するため、比較的費用が高めになります。

 

また、定期的な診察費や追加の装置費用がかかる場合もあるため、事前に詳しい料金プランを確認することが重要です。分割払いが可能なケースもあり、支払い方法についても相談しておくと安心です。

 

小児マウスピース矯正の症例

症例1

治療プラン:インビザライン・ファースト

費用:660000円

期間:15ヶ月

上顎の前突感が気になるとのことで親御様からご相談をいただき、インビザラインファーストにて乳歯が残存している混合歯列期から歯を移動させながら顎の成長の促進と噛み合わせの誘導を行いました。便宜抜歯やIPRは行わず、乳歯の生え替わりに合わせて追加アライナーを2周(計3周)で治療を終了しました。その後、成人矯正(II期治療)は行うことなく、小児期で治療を完了することができました。

 

リスク・副作用

・矯正装置の装着、歯が動くことによる違和感・痛みがあります。一般的には数日で治ることが多いです。

・歯の動き方には個人差があります。また、インビザラインは患者様の装置の使用状況が大きく結果に影響します。そのため予想された治療期間より長引く可能性があります。

・歯を動かすことにより歯根が短くなったり、歯茎が痩せて見えることがあります。

・ごく稀に歯を動かすことにより歯の神経に悪影響が出ることがあります。

・顎の成長によって、治療後も噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。

・治療中は虫歯や歯周病のリスクが高まるので定期的な通院が必要です。

症例2

治療プラン:インビザライン・ファースト

費用:550000円

期間:18ヶ月

上下顎の歯のがたつき(叢生)が気になるということでインビザラインファーストをご希望されました。側方拡大を行いながら歯の萌出スペースを確保し、歯列を整えました。便宜抜歯やIPRは行わず、乳歯の生え替わりに合わせて追加アライナーを3周(計4周)で治療を終了しました。第一大臼歯が生え揃うまでリテーナーを使用しながら観察を行い、現在のところ歯列の新たな乱れは確認していないため成人矯正(II期矯正)は予定していません。

 

リスク・副作用

・矯正装置の装着、歯が動くことによる違和感・痛みがあります。一般的には数日で治ることが多いです。

・歯の動き方には個人差があります。また、インビザラインは患者様の装置の使用状況が大きく結果に影響します。そのため予想された治療期間より長引く可能性があります。

・歯を動かすことにより歯根が短くなったり、歯茎が痩せて見えることがあります。

・ごく稀に歯を動かすことにより歯の神経に悪影響が出ることがあります。

・顎の成長によって、治療後も噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。

・治療中は虫歯や歯周病のリスクが高まるので定期的な通院が必要です。

症例3

治療プラン:インビザライン・ファースト

費用:440000円

期間:19ヶ月

上の前歯の突出感と捻転(ねじれ)を気にされて来院されました。インビザライン・ファーストを希望されました。便宜抜歯やIPRは行わず、顎の拡大を行いながら歯を適切な位置に誘導しました。矯正治療中に動揺している乳歯とマウスピースが当たる、などて調整が必要な時期がありましたが、患者様のマウスピース使用状況が非常に良かったため満足いく結果となりました。成人矯正(II期矯正)を行うかどうかタイミングも含めて保定観察を行っています。

 

リスク・副作用

・矯正装置の装着、歯が動くことによる違和感・痛みがあります。一般的には数日で治ることが多いです。

・歯の動き方には個人差があります。また、インビザラインは患者様の装置の使用状況が大きく結果に影響します。そのため予想された治療期間より長引く可能性があります。

・歯を動かすことにより歯根が短くなったり、歯茎が痩せて見えることがあります。

・ごく稀に歯を動かすことにより歯の神経に悪影響が出ることがあります。

・顎の成長によって、治療後も噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。

・治療中は虫歯や歯周病のリスクが高まるので定期的な通院が必要です。

 

小児マウスピース矯正を検討中の方は、MeLoSにご相談ください

小児マウスピース矯正は、顎の成長を利用して歯列を整え、将来的な歯並びの乱れを防ぐ効果が期待できる魅力的な治療方法です。しかし、治療の適応や最適な開始時期は、お子さまの成長や口腔内の状態によって異なります。MeLoSでは、専門のスタッフが患者様のお口の中の状況をお伺いし、適切な治療プランをご提案いたします。

 

また、インビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりお問い合わせください。

 

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