受け口の治し方は大人と子どもで異なる!最適な治療方法を知ろう
2024年11月29日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

受け口の治療方法は、大人と子どもで異なり、症状に合わせた最適なアプローチが必要です。受け口を放置すると、発音や見た目だけでなく、咀嚼や胃腸の負担にも影響が及び、リスクが高まるため、できるだけ早い対策が大切です。

 

成長に応じた方法やマウスピース矯正など、受け口の改善に向けた治療の選択肢を詳しくご紹介します。ご自身やお子様の受け口治療をお考えの方は、この記事をぜひ参考にされてください。

 

受け口とは?

受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態で、反対咬合とも呼ばれます。この症状は見た目だけでなく、発音や噛み合わせにも影響を及ぼしやすく、食べ物を噛む力や日常生活にも支障をきたすことがあります。

 

受け口は大きく「骨格性」と「歯槽性」に分けられ、原因によって治療方法が異なります。骨格性の受け口は、下顎が過度に発達した骨格の問題が原因で、場合によっては外科手術が必要になることもあります。一方、歯槽性は歯並びの問題が主な原因で、矯正治療による改善が可能です。

 

それぞれに適した治療法を理解し、専門的な診断を受けることが、健康な噛み合わせと生活の質向上につながります。

 

受け口になる原因

受け口になる原因は、遺伝的な要素や生活習慣による影響が大きく、個々の成長や習慣によってさまざまです。以下に、受け口の主な原因を3つご紹介します。

 

歯並び・骨格の遺伝

受け口の多くは、骨格や歯並びの遺伝によって生じることが知られています。親や祖父母が受け口の特徴を持っている場合、同様の歯並びや骨格を受け継ぐ可能性が高まります。

 

特に、下顎が上顎よりも大きく成長する傾向がある場合や、噛み合わせのズレが生じやすい骨格の場合、遺伝的要因が影響して受け口が発現しやすくなります。

遺伝が原因である場合、症状が進行しやすいため、成長期の段階で早めの診断と治療を受けることで、将来的なリスクを軽減できます。

 

口呼吸

口呼吸も受け口の原因の一つです。口呼吸が習慣化すると、常に口が開いた状態になり、舌が下の前歯の裏に位置することが多くなります。このため、舌で下の歯を押し出すような力が日常的にかかり、受け口を引き起こしやすくなります。

 

また、口呼吸によってお口周りの筋肉が正常に機能せず、上顎の成長が抑えられ、下顎が相対的に発達することも受け口の要因となります。さらに、口内が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、幼少期から鼻呼吸を促すことは受け口予防や口腔の健康に重要です。

 

指しゃぶりなどの口腔習慣

指しゃぶりや唇を噛む、舌で前歯を押すといった口腔習慣も、受け口の一因となります。特に指しゃぶりは、上顎の前歯を後ろに押し、下顎の成長を促すため、噛み合わせが不自然になり、受け口の状態に陥る可能性が高くなります。

 

また、舌を前歯に押し当てる癖も、歯並びを悪化させ、噛み合わせに影響を与えます。これらの習慣は、幼少期に多く見られますが、早期に改善することが望ましいです。長期間続くと、歯並びや骨格にまで影響が及び、矯正治療が必要になるケースがあります。

 

 

受け口の治し方は子どもと大人で異なる

受け口の治療方法は、子どもと大人で異なります。子どもの場合、成長期であることを活かし、成長に合わせて顎の位置を調整する装置を用いることで、骨格のバランスを整えやすくなります。早期に適切な治療を行うことで、より自然な改善が期待できます。

 

一方、大人は骨格の成長が完了しているため、歯並びを整える矯正装置や、場合によっては外科手術が必要になることもあります。年齢に応じたアプローチが、治療の成功に繋がります。

 

 

【子ども】受け口の治し方

子どもの受け口は、成長段階に応じた治療方法を用いることで効果的に改善できるケースが多くあります。

以下に、代表的な治療法や適応年齢、費用についてご紹介します。

 

ムーシールド

ムーシールドは、3歳頃から使用できる受け口改善用のマウスピース型装置です。就寝時に装着することで、舌の位置や口周りの筋肉を整え、受け口の改善を目指します。

 

ムーシールドは主に上顎の成長を促進する装置で、使用時間は就寝時のみのため、子どもにとって無理なく続けやすいのが特徴です。

 

適応年齢: 3歳~5歳

費用: 5~15万円程度

 

上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置は、顎の成長が進む6~10歳頃に使用される装置で、ゴムの力で上顎骨を前に牽引して上顎の成長を促進します。

 

上顎骨を牽引するときにパッドで下顎骨も押さえるため、上顎の成長促進と同時に下顎の成長抑制が可能です。頭部に装着するため、違和感を感じる子もいますが、成長期に効果が出やすい装置です。

 

適応年齢: 6歳~10歳

費用: 10~30万円程度

 

急速拡大装置・拡大床

顎が狭く、歯が並ぶスペースが不足している場合、急速拡大装置や拡大床が用いられます。

これらの装置は顎を広げて歯並びのスペースを確保するため、抜歯を避けてきれいな歯並びを目指すことができます。

 

拡大床は取り外しができるタイプもあります。このタイプでは装置を毎日15時間以上装着する必要があり、装着時間を親御さんが管理する必要がありますが、食事や歯磨きの際に取り外せるので、衛生管理もしやすい点がメリットです。

 

適応年齢: 6歳~12歳

費用: 5~10万円程度

 

リンガルアーチ

上下の骨格には問題はないのに、上の前歯の位置が後ろに引っ込んでしまっていることが原因で一部反対咬合になっている場合は、リンガルアーチという装置を使用して歯の位置を治します。

 

太い針金に細い針金がついていて、針金が歯に内側から力をかけて歯を前に押し出します。取り外しができない装置ですが、口の中に収まるため、食事や会話への影響は少ないとされています。

 

適応年齢: 6歳~12歳

費用: 3~10万円程度

 

チンキャップ

チンキャップは、下顎が過度に成長している場合に使用される装置で、装置を頭に固定し、顎に力をかけて下顎の成長を抑制します。特に骨格の成長が著しい幼少期に使うと効果が期待され、外科的治療を避けるための選択肢です。

 

主に夜間と家で過ごす時間に装着します。頭部への固定が必要なため、慣れるまでは違和感があるものの、骨格の発育に影響を与えるために効果的です。

 

適応年齢: 11歳~15歳

費用: 10~20万円程度

 

 

【大人】受け口の治し方

大人の受け口治療には、症状や顎の成長が完了していることを踏まえて適した方法が選ばれます。ここでは、代表的な3つの治療方法について、それぞれの特徴、メリット・デメリット、費用についてご紹介します。

 

マウスピース矯正

特徴: 少しずつ形の違う透明なアライナーを交換していきながら歯並びを徐々に整える方法です。目立たず、取り外し可能なため、軽度~中度の受け口に適しています。

 

メリット: 目立ちにくく、取り外しができるため食事や歯磨きに影響が少ないことが魅力です。また、治療開始前に治療後のシミュレーションができ、ゴールが想像しやすくモチベーションも保ちやすいです。

 

デメリット: 重度の骨格性受け口には対応が難しいことがあり、1日22時間以上の装着が必要です。

 

費用: 30~100万円程度。

 

ワイヤー矯正

特徴: ブラケットとワイヤーで歯に持続的な力をかけて歯並びを矯正します。矯正力が強く、幅広い歯並びに対応しやすいのが特徴です。

 

メリット: 複雑な歯並びにも対応でき、自己管理が不要です。治療の安定性も高く、受け口の解消に効果が期待できます。

 

デメリット: 装置が目立ち、口内の違和感や痛み、清掃の手間がデメリットです。

 

費用: 30~120万円程度。

 

外科手術

特徴: 顎の骨の位置や大きさを調整する外科手術で、重度の骨格性受け口を根本から改善する方法です。歯列矯正と併用することが多く、噛み合わせを大幅に整えられます。

 

メリット: 骨格からの変化が可能で、矯正のみで効果が出にくい場合でも効果的です。

 

デメリット: 手術は全身麻酔下で行われ、身体的負担が大きいです。また回復期間も必要で、術前矯正・外科手術・術後矯正すべて終了するまでに3〜5年ほどかかる場合があります。

 

費用: 先天的な骨格異常による不正咬合と診断された場合は保険適用可能な場合があります。

 

 

受け口を治療せず放置するリスク

受け口を治療せずに放置すると、見た目や健康面でさまざまなリスクが生じる可能性があります。

ここでは、受け口を放置した場合に考えられる主なリスクについて詳しく説明します。

 

外見に影響する

受け口は、上の前歯よりも下の前歯が前に出た噛み合わせの状態であり、横顔や口元のバランスが崩れて見えることがあります。特に横顔で顎が突出して見え、顎が発達しすぎている印象を与えることが多いため、コンプレックスを感じる方も少なくありません。

 

さらに、成長期を経て骨格が固定されると、受け口がより目立ちやすくなるため、大人になってからは外科手術を含む大掛かりな治療が必要になることもあります。受け口が原因で表情に自信を持てないことは、心理的な影響も大きいため、早めの対応が望ましいです。

 

滑舌が悪くなる

受け口の噛み合わせは発音にも影響を与えることがあり、特に「さ行」や「た行」を発音する際に音が不明瞭になりやすい傾向があります。この滑舌の悪さは日常会話や仕事でのコミュニケーションに影響を及ぼし、自信を損なう原因にもなります。

 

とくに小さな子どもの場合、滑舌が悪いことで言葉の発達や学校生活に支障が出ることもあり、友達との会話や発表の際に困難を感じるケースもあります。子どもの場合、早期に矯正治療を行うことで滑舌の改善が期待でき、将来的な影響を防ぐことができます。

 

咀嚼しづらく、胃腸への負担が大きくなる

受け口を放置すると、噛み合わせが悪いために食べ物を十分に噛むことができなくなります。しっかり咀嚼できないまま食べ物が胃に送られると、消化不良や胃もたれを引き起こす原因となり、胃腸に大きな負担がかかります。

 

また、しっかり噛んで食べることで得られる満腹感が得にくいため、結果として過食の原因にもなりやすいです。消化器系のトラブルが続くと、栄養が十分に吸収されない場合もあり、身体全体の健康に悪影響が及びます。

 

受け口の矯正治療によって噛み合わせが改善されると、健康的な食事習慣が身につき、消化器の負担も軽減されるため、長期的な健康維持にもつながります。

 

虫歯や歯周病になりやすくなる

受け口は、噛み合わせが悪く歯磨きが行き届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯が重なり合っている部分や、歯ブラシが届きにくい箇所には、歯垢や食べかすが残りやすく、口腔内が不衛生な状態になりがちです。

 

さらに、歯並びが悪いために歯が早く擦り減ったり、顎関節に負担がかかったりして、顎関節症を引き起こすこともあります。歯周病が進行すると、歯茎の腫れや出血、口臭の原因にもなり、口腔内の健康維持が難しくなるため、生活の質が低下する可能性もあります。

 

受け口を改善することで、歯並びが整い、口腔ケアがしやすくなるため、口内環境が改善され、長期的な健康維持にも効果があります。

 

受け口をマウスピース矯正で治療したい方は、MeLoSにご相談ください

受け口をマウスピース矯正で治療したいとお考えの方は、ぜひMeLoSにご相談ください。専門のスタッフが患者様のお口の状況を丁寧にお伺いし、最適な治療方法をご提案いたします。

 

また、お近くでインビザライン矯正を受けられる提携クリニックもご紹介可能ですので、安心して治療を進められるようサポートいたします。初回相談は無料で承っておりますので、どうぞお気軽にLINEよりご連絡ください。皆様のご相談を心よりお待ちしております。

LINEで矯正相談する(無料)

CATEGORY

line 今すぐLINEで
相談・予約する