前歯だけのマウスピース矯正は可能?メリット・デメリットや費用など
2024年9月30日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

マウスピース矯正は、少しずつ形の異なる透明なマウスピースを交換していくことで歯並びを整える治療法です。

 

歯並びでお悩みの方の中には前歯だけを矯正したいとお考えの方も多いかと思いますが、実際に前歯だけをマウスピース矯正することは可能なのでしょうか?

 

そして、そのメリットやデメリットはどのようなものでしょうか。

 

この記事では、前歯だけを矯正する場合の治療の流れや費用、期間について詳しく解説します。

 

また、適用できる症例とそうでない症例の違いについても触れ、治療方法の選択に役立つ情報をお届けします。

 

ぜひ参考にしてください。

 

 

前歯だけのマウスピース矯正は可能?

前歯だけのマウスピース矯正は、特定の症例において可能です。

 

主に軽度の歯並びの乱れや出っ歯など、前歯に限定された問題に対して適用されることが多いですが、それらすべてのケースで効果的とは限りません。

 

例えば、奥歯の噛み合わせや全体的な歯並びのバランスに影響を及ぼす場合、前歯だけの矯正では十分な改善が見込めないことがあります。

 

そのため歯科医師による診断が不可欠です。

 

一般的に部分矯正は全体矯正よりも短期間で費用も抑えられますが、長期的な安定性を重視する場合は全体矯正が推奨される場合もあります。

 

また、治療期間や費用は症例によって異なります。

 

まずは、カウンセリングを受け、自分に合った矯正方法を見つけることが大切です。

 

 

前歯だけマウスピース矯正するメリット

前歯だけのマウスピース矯正を行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

 

代表的なものを以下でご紹介いたします。

 

 

全体矯正よりも治療期間が短い

前歯だけのマウスピース矯正は、治療範囲が限定されているため、全体矯正と比べて治療期間が短くなる傾向があります。

 

全体矯正では歯全体の位置や噛み合わせを調整するため、数年かかることが一般的です。

 

一方、前歯のみを対象とする部分矯正では、軽度の歯並びの乱れに焦点を当てるため、通常は半年から1年程度で治療が完了します。

 

特に、前歯の見た目を改善したいけれど、長期間の治療に抵抗がある方にとって、この短い治療期間は大きな魅力です。

 

早い段階で効果を実感できるため、特定のイベントや生活の変化に合わせた治療が可能となる点もメリットです。

 

費用を抑えられる

部分的な矯正である前歯だけのマウスピース矯正は、全体矯正に比べて費用を抑えられる点が大きなメリットです。

 

全体矯正は歯全体にかかる矯正装置や診療回数が多くなるため、費用も高額になりがちです。

 

一方、前歯のみの矯正は治療範囲が限定され、使用する装置の数や調整の回数が少ないため、結果としてコストを抑えられます。

 

また、費用の面で部分的な矯正を選ぶことで、矯正治療へのハードルが下がりやすくなります。

 

特に、奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、前歯の見た目を改善したいという場合、コストパフォーマンスの良い選択肢となるでしょう。

 

 

ワイヤー矯正よりも見た目が目立たない

マウスピース矯正で使用する装置は透明で薄い素材を使用しているため従来のワイヤー矯正に比べて、装置を装着しても見た目が目立たないことが大きな特徴です。

 

特に前歯は話したり笑ったりする際に最も目立つ部分であるため、矯正装置が目立たないことは大きなメリットです。

 

ワイヤー矯正は金属製の装置が表側に装着されるため、装着していることが一目でわかりますが、マウスピース矯正では透明で薄い装置が使われるため、遠目からは矯正治療中であることがほとんど気づかれません。

 

日常生活においても、他人に気づかれることなく自然な見た目を保てるため、見た目を気にする方にとって大きなメリットとなります。

 

 

前歯だけマウスピース矯正するデメリット

もちろんメリットだけでなくデメリットもあります。

 

それぞれをよく理解してご自身にあった矯正方法を見つけることが大切です。

 

前歯だけでは理想の仕上がりにならない可能性がある

前歯だけのマウスピース矯正は、歯列の一部に焦点を当てた部分矯正であり、全体的な歯並びや噛み合わせを改善する目的には向いていません。

 

特に、全体矯正と比較すると動かせる範囲が限られており、細かい調整が難しいことから、理想の歯並びが得られない場合があります。

 

噛み合わせを無視した矯正は見た目の改善に留まることが多く、後々の歯の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、治療前に慎重な診断が必要です。

 

費用や治療期間を抑えるためだけに前歯だけの矯正を選択すると、期待していた結果が得られない場合があるため、全体的な仕上がりを重要視する方には全体矯正が推奨されます。

 

 

噛み合わせの治療には向かない

前歯だけのマウスピース矯正は、見た目を整えることが主な目的であり、噛み合わせの問題には対応できないことがほとんどです。

 

噛み合わせの調整は、奥歯を含めた全体的な矯正が必要な場合が多く、前歯だけを動かすことで逆に噛み合わせが悪化するリスクもあります。

 

全体矯正では、歯全体の位置や奥歯の噛み合わせまで考慮しながら治療が進められるため、より長期的な安定を期待できます。

 

噛み合わせに問題がある場合、部分矯正では十分な効果が得られない可能性が高いため、全体的な診断と治療計画を立てることが重要です。

 

 

マウスピースの管理が必要になる

マウスピース矯正は取り外しが可能なため、装着する期間や管理は患者様自身に委ねられます。

 

前歯だけの部分矯正であっても、マウスピースを1日22時間以上装着することが推奨され、適切な管理がされない場合、治療が長引いたり、効果が十分に発揮されないことがあります。

 

また、食事や歯磨きの際にはマウスピースを外す必要があり、日常的に管理が面倒になることもデメリットです。

 

従来のワイヤー矯正は固定式で管理の手間がかからないため、管理に手間をかけたくない方にとっては、マウスピース矯正はやや不便に感じられるかもしれません。

 

 

マウスピース矯正で前歯だけを治療できる症例

前歯だけのマウスピース矯正では治療できる症例が限定されます。

 

治療可能である可能性の高い症例を以下でご紹介いたします。

 

 

軽度の空隙歯列(すきっ歯)

前歯に隙間ができてしまう「すきっ歯」など、軽度の空隙歯列は、マウスピース矯正で部分的に治療することが可能です。

 

隙間を埋めることで見た目が改善されるだけでなく、歯と歯の間に食べ物が詰まりにくくなり、口腔内の衛生状態も向上します。

 

軽度の場合は短期間で治療が完了することが多いです。

 

 

軽度の上顎前突(出っ歯)

前歯が軽度に前に突き出ている上顎前突(出っ歯)は、骨格的に問題がなければ、マウスピースによる部分矯正が有効です。

 

IPR(歯と歯の間を薄く削る処置)を用いてスペースを確保しながら前歯を引っ込めることで、見た目の改善だけでなく、噛み合わせや前歯の被蓋も調整できます。

 

 

軽度の叢生(がたつき)

前歯が重なり合ってガタガタになっている軽度の叢生も、マウスピース矯正の適用範囲です。

 

歯の位置を整えることで、見た目の改善はもちろん、歯磨きなどの清掃性が向上し、虫歯や歯周病の予防にもつながります。

 

こちらも歯を並べるスペースを確保するためIPRを行うことが多く、軽度のケースでは、比較的短期間で治療が完了します。

 

 

矯正治療後の後戻り

過去に矯正治療を受けたが、保定装置を正しく使用しなかったことで前歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」も、マウスピースによる部分矯正が適用されることが多いです。

 

後戻りは、前歯部分に起こりやすいため、その場合は再び短期間の部分矯正で元の綺麗な歯並びに戻すことが可能です。

 

 

マウスピース矯正で前歯だけを治療できない症例

前歯のみのマウスピース矯正では治療ができない症例を以下にご紹介いたします。

 

 

重度の歯周病

重度の歯周病がある場合、マウスピース矯正を含む矯正治療を開始することはできません。

 

歯周病は歯を支える骨や歯茎にダメージを与え、歯がぐらつきやすくなるため、矯正の力を加えるとさらに悪化する可能性があります。

 

矯正治療中は口腔内の清掃が難しくなるため、歯周病が進行しやすくなるリスクも高まります。治療前に歯周病を完治させることが不可欠です。

 

 

重度の不正咬合(噛み合わせが悪い)

前歯だけを矯正しても、噛み合わせの問題が重度の場合は十分な改善が期待できません。

 

重度の不正咬合は、奥歯も含めて歯全体の位置を調整する必要があるため、部分矯正では対応が難しいです。

 

見た目だけを改善しようとすると、噛み合わせがさらに悪化する可能性があるため、全体矯正を行うことが推奨されます。

 

長期的な歯の健康を考慮し、総合的な治療計画が必要です。

 

 

前歯がインプラント

前歯にインプラントが入っている場合、そのインプラント自体は動かすことができません。

 

インプラントは顎の骨に固定されているため、周りの歯を動かすことはできても、インプラントの位置は変えられません。

 

そのため、前歯にインプラントがある症例では部分矯正が不適用となる場合が多く、インプラントの位置に合わせた治療計画を立てる必要があります。

 

 

前歯だけのマウスピース矯正にかかる期間・費用

前歯だけのマウスピース矯正は一般的に全体矯正より期間は短く費用も少ない傾向にあります。

 

以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

 

期間

前歯だけのマウスピース矯正にかかる期間は、3ヶ月から1年ほどが一般的です。

 

奥歯の動きや噛み合わせの微調整を行わず、主に前歯の歯並びの改善に集中するため、全体矯正に比べて期間が大幅に短くなります。

 

特に、軽度の不正咬合や出っ歯の場合、短期間で効果を感じやすいことが特徴です。

 

また、大切なイベントや結婚式などを1年以内に控えている方にとっても、比較的短い治療期間で理想の歯並びを手に入れることができるため、スケジュールに合わせた治療が可能です。

 

ただし、治療期間は症例によって異なるため、初回のカウンセリングで正確な期間の見積もりを出してもらうことが重要です。

 

 

費用

前歯だけのマウスピース矯正にかかる費用は、30万〜60万円程度が相場となります。

 

費用は、使用するマウスピースの枚数や治療の難易度、そして通院する医院の価格設定によって異なります。

 

特にマウスピース矯正は、1人1人にオーダーメイドの装置を作成するため、使用するマウスピースの数が増えるほどコストが高くなることがあります。

 

部分矯正は全体矯正に比べて治療範囲が狭いため、比較的安価に抑えられる傾向がありますが、医院によって価格にばらつきがあるため、事前に費用の詳細を確認することが大切です。

 

費用に関しては、カウンセリングの際に支払い方法なども含めて相談しておくと安心です。

 

 

前歯だけのマウスピース矯正を検討中の方は、MeLoSにご相談ください

前歯だけのマウスピース矯正をお考えの方は、ぜひMeLoSにご相談ください。

 

専門のスタッフが患者様のお口の状況を丁寧にお伺いし、適切な治療方法をご提案いたします。

 

また、インビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能ですので、近隣で信頼できるクリニックをお探しの方もご安心ください。

 

初回のご相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にLINEよりご連絡ください。

 

部分矯正に関するご質問や治療の詳細について、しっかりとサポートさせていただきます。

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