「銀歯があると歯列矯正はできないのでは?」と不安に感じていませんか。実は、銀歯があっても歯列矯正は可能です。ただし、装置の接着方法や矯正方法の選択、治療中の注意点など、通常のケースとは異なる配慮が必要になる場合があります。
本記事では、銀歯がある方でも対応できる矯正方法や、治療前に知っておきたいポイントを歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
結論から言うと、銀歯が入っていても歯列矯正は可能です。銀歯そのものが矯正治療の妨げになることはありませんが、通常の天然歯とは異なり、矯正装置を直接接着しにくいという特徴があります。
そのため、ワイヤー矯正では装置の固定方法を工夫したり、マウスピース矯正では歯の動きを慎重に計画したりする必要があります。また、銀歯の下に虫歯が隠れていないか、噛み合わせに問題がないかなど、事前の診断も重要です。歯並びや口腔内の状態によって適した方法は異なるため、矯正歯科での詳しい検査と相談が欠かせません。
銀歯があってもワイヤー矯正マウスピース矯正ともに可能ですが、それぞれの銀歯への対処法やメリットデメリットは異なります。以下でそれぞれ説明します。
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を交換しながら歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。装置が目立ちにくく、食事や歯みがきの際に取り外せるため、日常生活への影響が少ない点が大きなメリットです。
銀歯がある場合でも、マウスピースが歯全体を推して矯正力をかけることができるため、歯の表面にブラケットを接着する必要がなく、比較的スムーズに治療を進められるケースが多いといえます。
また、事前に歯並びや噛み合わせをデジタルデータで解析し、治療計画を立てるため、銀歯や詰め物がある場合でも治療後のやりかえが必要かどうかある程度予測しながら治療を始めることができます。
一方で、歯を動かす力がワイヤー矯正に比べて穏やかなため、大きく歯を動かす必要がある症例や、複雑な噛み合わせの調整には不向きな場合があります。また、銀歯の形状や位置によっては、マウスピースが密着しにくく、治療効果が出にくくなることもあります。その場合、被せ物を一旦外してアタッチメントと呼ばれる補助装置を設置したり、調整が必要になったりすることがあります。
さらに銀歯のあるなしにかかわらず1日22時間以上の装着が求められるため、自己管理ができないと治療期間が延びる点もデメリットといえるでしょう。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの力を利用して歯を動かす、最も一般的な矯正方法です。歯の移動量や方向を細かく調整できるため、銀歯や大きな歯列不正がある場合でも幅広い症例に対応できるのが大きなメリットです。噛み合わせの大きな改善や、歯並びが複雑なケースでも安定した治療効果が期待できます。
ただし、銀歯は金属素材でできているため、天然歯と同じ方法ではブラケットが接着しにくいことがあります。そのため、表面処理を施して接着力を高めたり、矯正期間中のみ仮歯や別素材の被せ物に交換したりする対応が必要になる場合があります。こうした追加処置により、治療期間や費用が増える可能性がある点は注意が必要です。
また、銀歯に処理を加えたり力を加えたりすることで脱離を起こすリスクもあります。さらに装置が目立ちやすく、歯みがきが難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まることもデメリットといえます。銀歯の状態や口腔内環境をしっかり確認したうえで、定期的なメンテナンスを受けながら治療を進めることが重要です。
銀歯が被せ物(クラウン)の場合、歯列矯正において最も注意が必要なのは、矯正装置の固定方法です。被せ物は天然歯とは素材や表面性状が異なるため、ワイヤー矯正で使用するブラケットが通常どおり接着できないことがあります。そのため、専用の接着処理を行ったり、治療期間中のみ仮歯や別素材の被せ物に交換したりするケースもあります。
また、被せ物の内部で虫歯が進行している場合、矯正による歯の移動がトラブルを引き起こす可能性があるため、矯正前の精密検査が欠かせません。さらに、矯正後に噛み合わせが変化すると、被せ物の形状が合わなくなり、最終的に作り直しが必要になる場合があります。治療計画の段階で、被せ物の交換時期や費用も含めて歯科医師と十分に相談することが重要です。
銀歯が詰め物(インレー)の場合は、被せ物に比べると矯正治療への影響は少ないものの、いくつか注意点があります。詰め物は歯の一部分を補っている状態のため、歯の移動自体は問題なく行えるケースが多いです。しかし、矯正によって歯の位置や噛み合わせが変わると、詰め物が入っている周囲の歯列にわずかな段差や隙間が生じることがあります。
これにより、食べ物が詰まりやすくなったり、虫歯のリスクが高まったりする可能性があります。また、ワイヤー矯正でブラケットを装着する位置によっては、詰め物に負荷がかかり、外れやすくなることもあります。
そのため、矯正中は定期的に詰め物の状態を確認し、必要に応じて調整や再製作を行うことが大切です。矯正後の仕上がりを見据え、最終的に詰め物を作り直す前提で治療を進める場合もあります。
銀歯がある方で歯列矯正を行う際、歯並びや顎のスペースの状況によっては抜歯が必要になることがあります。この場合、どの歯を抜歯するかの判断が非常に重要です。銀歯が入っている歯は、過去に虫歯治療を受けているため、歯の状態によっては抜歯の候補になることもあります。
ただし、安易に銀歯の歯を選ぶのではなく、歯根の状態や噛み合わせ、全体のバランスを総合的に考慮する必要があります。抜歯後は歯を大きく移動させることになるため、被せ物や詰め物への影響も大きく、治療途中や治療後に修復物の再治療が必要になるケースも少なくありません。
また、抜歯を伴う矯正は治療期間が長くなる傾向があるため、口腔内の清掃管理や定期的なチェックがより重要になります。長期的な視点で歯の健康を守るためにも、抜歯の必要性や治療後の見通しについて、事前に十分な説明を受けることが大切です。
銀歯は前々から気になっていたし、矯正を機に白くしたい!と考える方も多いでしょう。では白くするためにはどのような方法があるのでしょうか。よくある方法を以下でご紹介いたします。
コンポジットレジンは、歯科用の白い樹脂素材を歯に直接盛り付けて形を整える治療方法です。銀歯を外したあと、その部分をレジンで修復することで、短時間かつ低コストで白い歯にすることができます。治療は1回で完了するケースが多く、歯を削る量も最小限に抑えられる点がメリットです。
また、周囲の歯の色に合わせて調整できるため、見た目も自然に仕上がります。費用は保険適用なら数千円程度、自費なら数万円程度となります。
一方で、レジンは経年的に変色しやすく、強い力がかかる奥歯では欠けたりすり減ったりする可能性があります。そのため、噛む力が強い方や、長期的な審美性を重視したい方には注意が必要です。定期的なメンテナンスや、将来的な再治療を前提に選択する方法といえるでしょう。
オールセラミックは、金属を一切使用せず、すべてセラミック素材で作られた被せ物や詰め物です。天然歯に近い透明感と色調を再現できるため、非常に審美性が高く、銀歯を白くしたい方にとって理想的な選択肢といえます。
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配もなく、歯ぐきの黒ずみが起こりにくい点も大きなメリットです。また、表面が滑らかで汚れが付きにくく、汚れを落としやすい性質があるため、長期間きれいな状態を保ちやすい特徴があります。
一方で、保険適用外となるため費用が高額になりやすく、強い衝撃が加わると割れるリスクもあります。そのため、噛み合わせや歯ぎしりの有無を事前に確認し、必要に応じてナイトガードなどの対策を行うことが重要です。見た目と耐久性のバランスを考慮した上で選択する必要があります。
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを組み合わせた素材で作られる修復物です。オールセラミックに比べるとやや透明感は劣りますが、自然な白さを再現でき、銀歯からの置き換えとして選ばれることが多い方法です。
レジンを含むことで適度な柔軟性があり、噛み合う歯への負担が少ない点が特徴です。また、オールセラミックより費用を抑えられる場合が多く、審美性とコストのバランスを重視する方に適しています。ただし、レジン成分が含まれるため、長期間使用すると変色や摩耗が起こる可能性があります。また、耐久性はオールセラミックより劣るため、使用部位や噛む力によっては適さないケースもあります。
将来的な再治療の可能性も踏まえ、どの程度の見た目や持続性を求めるかを歯科医師と相談しながら選択することが大切です。
銀歯を白い歯にやり替えるタイミングとして最もおすすめなのは、歯列矯正が完了した後です。矯正治療中は歯の位置や噛み合わせが大きく変化するため、先に白い被せ物や詰め物を作ってしまうと、最終的な歯列で形や高さが合わなくなる可能性があります。
その結果、再製作が必要になり、余計な費用や時間がかかってしまうことも少なくありません。矯正後であれば歯並びと噛み合わせが安定しているため、見た目だけでなく機能面も考慮した修復が可能です。長期的に満足できる仕上がりを得るためにも、銀歯を白くする処置は歯列矯正後に行うのが理想的といえるでしょう。
銀歯があることで歯列矯正を迷っている方も、決して少なくありません。MeLoSでは、専門のスタッフが患者様一人ひとりのお口の中の状況やお悩みを丁寧にお伺いし、銀歯がある場合の矯正方法や注意点について分かりやすくご説明します。矯正方法の選択や治療の進め方に不安がある方でも、状況に応じた現実的なアドバイスが可能です。
また、お住まいの地域やご希望に合わせて、矯正治療を受けられる提携クリニックのご紹介も行っています。初回相談は無料ですので、「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、どうぞお気軽にLINEよりご連絡ください。
