マウスピース矯正で歯がむずむずするって本当?原因や対処法を解説
2024年8月30日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザラインに代表されるマウスピース矯正は少しずつ形の違う透明のマウスピース型装置を交換することで歯を動かしていく新しい矯正治療の方法です。

 

この矯正方法についてネットなどで調べると、「マウスピース矯正で歯がムズムズする」というような意見を見かけることがあります。

 

ムズムズは本当に起こるのでしょうか。

 

この記事では「マウスピース矯正で歯はムズムズするのか」という点について詳しくご説明していきます。

 

マウスピース矯正で歯がむずむずしてしまう原因とは?

マウスピース矯正をしている患者様の中には、違和感のひとつとして「歯のかゆみ・ムズムズ感」を訴える方がいらっしゃいます。

 

この症状を訴える方は珍しくありませんが、初めてこのムズムズ感を感じた方は原因がわからず不安に感じる方もいらっしゃいます。

 

では何が原因となっているのでしょうか。

 

以下で原因として考えられるものをご紹介いたします。

 

歯が動いている

矯正治療で感じる歯のムズムズ感には「歯が動いている」ことが大きく関係しています。

 

歯は歯根膜という膜を介して歯槽骨という骨の中に埋まっています。

 

矯正治療で歯に力をかけていくと一方の歯根膜は圧迫されて縮み、もう一方は伸ばされます。

 

この歯根膜は、元の状態に戻ろうとして縮んでいる側の骨を溶かし、伸びている側は新たに骨を作る、骨のリモデリングという過程を引き起こします。

 

この過程で出る刺激が歯や歯の周囲にある神経に伝わり、むず痒さや違和感を感じる原因となります。

 

歯周組織が反応している

歯が動いていくと歯の周りの歯周組織もどんどん変化していきます。

 

引っ張られたり圧迫されたりの動きを違和感やむず痒さとして感じる方もいらっしゃいます。

炎症反応が起きている

歯を動かしていく過程で一時的に炎症反応が出ることがあります。

 

この炎症反応は防御反応として自然なものですので心配はありませんが、むず痒さとして感じてしまう場合があります。

 

また、矯正治療中はお口の中に汚れが残りやすい環境となります。

 

歯の周りに残った汚れが歯茎に炎症をおこすことでもむず痒さを感じることがあります。

 

飲食の後は歯磨きをすることを徹底し、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを取り入れて丁寧なケアを心がけましょう。

マウスピース矯正で歯がむずむずするタイミング

マウスピース矯正をしている間、ずっとムズムズ感が続くというわけではありません。

 

矯正中のムズムズは起こりやすいタイミングがあります。

 

しかし、一般的にムズムズ感は一時的なものです。

 

いつまでもムズムズ感が続く場合は矯正装置や治療計画に問題がある場合もありますので歯科医師に相談しましょう。

 

以下で具体的なタイミングについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

 

マウスピース矯正の治療を始めたタイミング

マウスピース矯正を始めたばかりのタイミングでは、ムズムズのような違和感を感じる方が多いです。

 

マウスピースを装着すると歯に力がかかり、少しずつ動いていきます。

 

その感覚をムズムズ感として現れます。

 

また、今まで装着していなかったマウスピースをお口の中に長時間入れることの違和感によってムズムズが引き起こされることもあります。

 

矯正開始直後のムズムズ感は、矯正治療自体に影響を与えるものではなく、数日〜数週間で気にならなくなる事がほとんどなので落ち着くまで様子見をしましょう。

 

新しいマウスピースに交換したタイミング

マウスピース矯正では歯を動かすために現在の歯列とほんの少し異なる形のマウスピースを装着します。

 

そのため、新しいマウスピースに交換した直後は歯が圧迫され、それをムズムズ感として感じることがあります。

 

7日〜10日ほど装着することでだんだんマウスピースの形に歯が動いてフィットしていきますので、ムズムズは数日で慣れることがほとんどです。

 

アタッチメントをつけたタイミング

アタッチメントとは歯の表面に直接つける突起状の補助装置です。

 

アタッチメントをつけることで歯にマウスピースの力がかかりやすくなり、効率的に歯を動かす事が可能になります。

 

しかし、歯にかかる力が強くなったり、力が掛かる方向が変わったりするため、その変化をムズムズとして感じることがあります。

 

また、アタッチメント自体がお口の中の粘膜に触れることで違和感を感じることもあります。

 

しかしこの場合も基本的に数日で慣れてきます。

 

IPRを終えたタイミング

IPRとは歯を並べるためのスペースが不足している場合に、歯と歯が隣り合って接している面を薄く削ってスペースを作り出す処置のことです。

 

削る量は両方の歯を合わせて0.1~0.5mmで、ディスクや細いバーを使用して削ります。

 

このIPRを行う際には、振動があったり、バーがほんの少し歯茎に触れてしまうことがあります。

 

これらを不快感やムズムズとして感じることもあります。

 

また、IPRを行うとスペースができて歯が動きやすくなるので、その結果ムズムズすることもあります。

 

マウスピース矯正で歯がむずむずする期間はどれくらい?

一般的には2~3日でムズムズ感に慣れる方が多いとされていますが、マウスピース矯正によるムズムズ感が解消するまでの期間は非常に個人差があります。

 

初日で感じなくなる方もいればマウスピースを進めていくことで症状がだんだん減っていく方もいます。

 

しかし、2週間以上全く症状が軽快しない、またはひどくなっていく、といった場合には注意が必要です。

 

マウスピースの使用方法に誤りがあったり、マウスピースや治療計画に不具合があるといったことも考えられます。

 

そのような場合には我慢せず、担当の歯科医師に相談をしましょう。

マウスピース矯正による歯のむずむずを軽減する方法3つ

マウスピース矯正のむずむずは問題のない場合がほとんどですが、不快に感じる方もいらしゃるため、できれば症状を抑えたいものです。

 

歯のむずむずを軽減するためにできる方法を以下でご紹介いたします。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース矯正ではマウスピースを装着することで歯に力がかかり、動かしていきます。

 

推奨されている装着時間は1日22時間以上ですが、歯のムズムズがあるからといって自己判断でこの装着時間を短くしてしまうと、症状が軽減されるどころか強くなってしまう可能性があります。

 

装着時間を守り、歯が動きやすくなってくるとムズムズを感じることが減ってくることが多いです。

 

しっかりと守っているのに症状の軽快が感じられない場合は歯科医師と相談しましょう。

 

マウスピースの交換時期を歯科医師に相談する

一般的にマウスピースは7~10日で次のものに交換する設定になっていますが、歯並びの状況や生活習慣などによってはこの日数では不充分な場合があります。

 

しっかり歯がマウスピースの形に動いていないまま次のマウスピースに進んでしまうとマウスピースとのズレが大きくなり、ムズムズ感が強くなるだけでなく、歯の移動もうまくいかなくなってしまいます。

 

指示された交換スケジュールで歯のムズムズがいつまでもなくならない場合は一度歯科医師と相談して交換時期を見直すのも解決策のひとつです。

 

鎮痛薬を服用する

ムズムズの症状が強い場合は痛み止めを飲むのも有効です。

 

市販の鎮痛薬でも充分に効果が期待できますが、鎮痛薬を選ぶ際はカロナールに代表されるアセトアミノフェンがおすすめです。

 

鎮痛作用はロキソニンやボルタレンより緩徐ですが、胃にも優しく、繰り返し使用しても歯の動きを妨げるような働きはありません。

 

ロキソニンなどのイブプロフェンには歯の動きを阻害してしまう場合があるとの指摘があるので常用は避けた方が無難です。

 

しかし、ロキソニンやボルタレンを一時的に服用したことで矯正治療にすぐさま影響が出ることはありませんので、過度な心配をする必要はありません。

 

どの鎮痛薬が良いかわからない場合は、歯科医師に相談の上購入するか処方してもらうと安心でしょう。

 

マウスピース矯正による歯のむずむずが心配な方は、MeLoSにご相談ください

ネットで検索すると様々な意見に出会います。

 

マウスピース矯正を行うと歯がむずむずしてしまうという意見を見かけて心配になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

MeLoSではそのような不安にも専門のスタッフが患者様のお口の中の状況をお伺いした上でご相談に応じます。

 

また、お近くのインビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。

 

初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりご連絡ください。


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