小児矯正は何歳までに行う?適切な年齢に治療するメリット・デメリット
2024年5月31日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

矯正治療といえば成人矯正のイメージが強いかもしれませんが、最近では小児矯正を検討される方も増えています。では「小児」といっても一体何歳ごろから治療を始めるのが適切なのでしょうか。この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。

 

小児矯正はいつまでに行うべき?

 

実は小児矯正は治療する年齢によって治療内容や使用する装置が異なり、Ⅰ期治療・II期治療と治療のフェーズが分かれています。年齢は目安にすぎず、お悩み事や体の成長スピードによってもスタートすべき年齢は異なります。

 

 

小児矯正をご検討されている方は、適切な治療開始時期を逃さないように早めの受診がお勧めです。 

 

Ⅰ期治療は5歳頃から12歳頃まで

Ⅰ期治療は5歳〜12歳前後までが対象です。乳歯と永久歯が混在している時期に行う治療なので、歯を一本ずつ綺麗に並べるのではなく、骨格の成長をコントロールして後に生えてくる永久歯が綺麗に並ぶための土台を整えていくことが目的です。

 

 

Ⅰ期治療は顎の骨の成長が著しいこの時期にしかできない方法で治療を進めていきます。骨格のバランスを整えることで歯並びもある程度整っていきます。

Ⅱ期治療は12歳以降

II期治療は12歳以降、乳歯が永久歯に生え変わってから17歳くらいまでが対象となる治療です。Ⅰ期治療では歯が生える土台を整えることを目的に治療が行われますが、II期治療では顎の成長のピークはすでに過ぎているため、歯を1本ずつ動かして噛み合わせを整えることが目的に治療を進めます。

 

 

成人矯正と同様にワイヤーもしくはマウスピースを使用して歯並びを整えていきます。

 

小児矯正に適切な年齢で取り組むメリット

小児の時期から矯正に取り組むことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものをご紹介いたします。

 

顎の成長を利用できる

成人矯正では顎の成長がすでに完了しています。歯を並べるスペース確保のために顎のサイズを広げたり、逆に過成長を防いだり、といったことを行うのは難しく、抜歯や外科的処置のような大掛かりな治療が必要になることも少なくありません。

 

 

しかし小児矯正(Ⅰ期治療)では顎の成長途中で非常に柔軟なので適切なサイズへと成長を誘導することができます。小児の限られた時期のみに行える治療なので最大のメリットといえます。

抜歯の可能性が下がる

成長が活発な小児のうちに顎のサイズを適切に広げておくことで永久歯を並べるための十分なスペースを確保することができ、抜歯をせずに綺麗な永久歯列を獲得できる可能性があがります。

 

 

また、Ⅰ期治療のあとにII期治療に進むことになってもわずかな歯並びの乱れですむことが多く、抜歯ではなくIPRや遠心移動のみで対処できるケースもあります。

子どものうちから綺麗な歯並びで過ごせる

小学生の頃になると、自分の容姿が気になるようになります。小児のうちから矯正を行うことで、歯並びや骨格を整えることができます。

 


また、歯並びは見た目だけでなく発音にも影響し、歯並びや噛み合わせが悪いせいで滑舌も悪化するおそれがあります。
矯正をすることでそれらの問題を解決できるケースもあります。

小児矯正のデメリット

小児矯正にはメリットがたくさんありそうだ、ということをお伝えしてきましたが当然デメリットもあります。メリットとデメリットをご家庭内でよく話し合ってから治療を開始することが大切です。

 

 

ワイヤー矯正は見た目が目立つ

II期治療では固定式のワイヤー矯正を行うこともあります。歯の表面にブラケットとワイヤーを固定するので、常に装置が見える状態で過ごすことになり、見た目が気になる方が多くおられます。

 

 

多感な時期に矯正装置が目立つのはいやだ!と感じて治療に積極的になれないお子様もいらっしゃいますので、その点は治療開始前に親子間でよく相談しておきましょう。

 


最近はインビザラインのような透明なマウスピース型の装置で小児矯正を行うことも可能です。インビザラインは見た目にほぼ影響しませんので、目立つ装置が嫌だというお子様には最適です。

 

虫歯や歯周病の対策が必要

矯正中はお口の中が虫歯や歯周病になりやすい環境となります。矯正に使用する装置とお口の中は常に綺麗に保っておかなければなりません。適切なお手入れができていないとせっかく矯正で綺麗な歯並びを手に入れても虫歯や歯周病になってしまっては非常にもったいないです。

 

 

特に小さなお子様は自分自身で衛生的に管理をするのは難しい場合が多いので、親御さんが都度チェックをし、虫歯や歯周病にならないよう仕上げ磨きなどを行いましょう。

子どものモチベーションが保ちづらい

矯正治療は数ヶ月から数年の治療期間となることが多く、特にこどもの場合はモチベーションが保ちづらいです。親子で最終的な歯並びのイメージを共有したり、装置をしっかり使えた場合のご褒美を設定したり、途中で挫折してしまわないように工夫して治療期間を過ごすようにしましょう。

小児矯正の主な4種類

 

小児矯正では時期や目的によって様々な装置を使用していきます。それぞれの装置に特徴やメリットデメリットがありますのでそれを踏まえて歯科医師と相談し、使用する治療装置を選んでいくことが大切です。

 

インビザライン

インビザラインは少しずつ形の違う透明なマウスピース型の矯正装置(これをアライナーと呼びます)を交換しながら使用していくことで歯並びを整えていく矯正方法です。

 


小児矯正ではインビザライン・ファーストというシステムを使用します。アライナーを食事と歯磨きの時間以外は常に装着する必要があり、1日20時間以上の装着が推奨されています。

 


矯正治療後の歯並びを事前に治療計画作成時に確認することができるので、治療後のイメージがわきやすい治療方法です。
また、装置が透明で滑らかに作られているので見た目もよく、装着中に口腔内を傷つけることもほとんどありません。

 

 

日中の生活に影響が少ないので、成人だけでなく小児にもメリットが多く、近年非常に人気があります。

拡大床

顎が狭くて歯が並ぶスペースが足りない場合に使用します。真ん中のネジを回すことで拡大床が横へと広がり、その力で顎を左右へと拡大していきます。顎を小児の時期にしっかり拡大しておくことで、ほとんどの場合、抜歯をおこなわずにきれいな歯ならびを獲得することができます。

 


取り外す事ができるので食事や歯磨きは問題なくできるのがメリットですが、拡大する効果は比較的ゆっくりなことや1日15時間ほど装着する必要があること、紛失する可能性があることはデメリットと言えます。

 

マルチブラケット

マルチブラケットとは成人矯正でも使用されるワイヤーとブラケットを使用した矯正装置です。矯正といえばこちらの装置を思い浮かべる方が多い装置です。歯に直接ブラケットを貼り付け、そこにワイヤーを通して力をかけ、歯並びを整えていきます。

 

 

患者様で取り外すことはできず、歯磨きがむずかしいことと見た目に影響が出てしまうこと、月に1回通院して調整が必須であることがデメリットです。しかし自分で装置を調整する必要がないので、装置の管理を行わずに歯が整えられるのがメリットです。

プレオルソ

顎の成長期にしか効果を期待できない矯正方法のため、特に4歳から10歳くらいの顎の成長期に効果を期待して使用します。柔らかい素材のマウスピース型の装置で、舌や唇などのお口周りの筋肉のバランスを整えることで歯を理想的な位置に動かしていきます。

 

 

また、お口ぽかん、口呼吸、舌習癖を改善して、鼻呼吸を促すことも期待できます。使用時間は1時間と短いため患者様やご家族の負担が少ないのもメリットです。しかしその分、効果を感じるのに時間がかかることが多いのがデメリットです。

 

 

プレオルソの使用で歯並びが改善しなかった場合は他の装置で矯正を行う必要があります。

 

小児矯正をインビザラインで行いたい方は、MeLoSにご相談ください

この記事では小児矯正について詳しく説明してきました。しかしお子様がどのような治療が必要でいつから始めるべきか、という点は歯科医師にしか判断できません。

 

 

小児矯正は適切な開始時期を見極めるのも成功への鍵となりますので、開始時期を逃さぬよう、1度早めに受診しておくことをお勧めいたします。

 


MeLoSではインビザラインの小児矯正にも対応しています。不安や心配事のご相談に専門のスタッフがお答えしますので、小児矯正をご検討中の方はぜひ1度ご相談ください。

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