こどもにマウスピース矯正は必要?メリット・デメリットや治療例を紹介
2024年5月31日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

近年、成人の歯科矯正だけでなくこどもの歯科矯正も多くの関心を集めるようになりました。

成人矯正にワイヤー矯正とマウスピース矯正の種類があるように、こどもの矯正にもワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。マウスピース矯正はまだ新しい矯正方法ですので、どのようなものか想像がつきにくい方もいらっしゃるかもしれません。

この記事ではこどものマウスピース矯正のメリットデメリットや始める時期などについて詳しくご説明していきます。

こどもがマウスピース矯正を行うメリット5つ

こどもがマウスピース矯正を行うにはいくつものメリットがあります。

代表的な5つのメリットについて以下でご説明いたします。

 

顎の発達が促進される

現代の食生活ではパンや麺類を食べる機会が増え、咀嚼(そしゃく)による顎の発達が促されにくい環境です。

顎の発達が未熟だと、永久歯が綺麗に生えるスペースが足りずでこぼこの歯並びになってしまったり、出っ歯になってしまいます。

マウスピース矯正では装置を使って顎の成長を促すことができます。成人になってからでは顎の成長促進はできませんので、こどものうちに矯正をすることの大きなメリットです。

 

歯並びに関する悪い癖を改善できる

爪を噛む、舌で歯を押す、舌を突き出す、などの癖は歯並びを悪くしてしまう原因となります。

歯並びがせっかく綺麗になっても悪い癖があると矯正終了後に後戻りを起こしてしまいます。

一部のマウスピース矯正ではトレーニングを用いてこれらの癖を改善していくことができますので、歯並びが悪くなる根本を直すことができ、後戻りの防止が可能です。

口呼吸をやめられる

お口が常にポカンとあいて口呼吸になっていると出っ歯の原因になります。

マウスピース矯正には「筋機能矯正装置」と呼ばれるタイプがあり、この装置を使用することで歯並びを整えるとともにお口周りの筋肉が鍛えられ、お口を閉じることができるようになります。

口呼吸は矯正終了後の後戻りの原因となるばかりでなく虫歯や歯周病のリスクを高めたり口臭の原因にもなります。こどものうちに口呼吸をやめるのは大切なことです。

 

顔のバランスが整う

マウスピースを装着することで、お口周りの筋肉を鍛え顎の成長を促すことができます。6歳までに顎や顔の骨格成長のうち約80%が完了すると言われています。

その期間に正しい成長へと促すことで、顔のバランスを整えることができます。

歯磨きの習慣が身につく

マウスピース矯正は食事の後、歯磨きをして綺麗なお口の状態で装着するのがお約束です。マウスピースを装着するためには歯磨きをしなければならないので、食後に歯磨きをする習慣がつきます。

日中に食後の歯磨きができない場合はうがいをして装着するなどの対応をしましょう。年齢によっても可能な対応策が異なりますので歯科医師と相談するのが良いでしょう。

 

こどもがマウスピース矯正を行うデメリット・注意点

先ほどの項目ではこどもがマウスピース矯正を行うメリットをご紹介してきました。

マウスピース矯正はメリットがたくさんある矯正方法ですが、もちろんデメリットや注意が必要な点もあります。

子どもをやる気にさせる必要がある

マウスピース矯正は患者様ご自身で取り外しが可能な装置です。当然ですが、外している時間は全く力が働かず矯正は進みません。

そのため、患者様がやる気を持って取り組まないと装着時間が短くなって効果が得られなくなってしまいます。口腔内の違和感や取り外しを面倒に感じて装置を使わなくなってしまうお子様もいらっしゃいますので、やる気をもって取り組むための工夫が必要です。

 

親の協力と管理が欠かせない

装置を使用するのはお子様ですが、装着時間の管理や衛生面の管理などまだ小さいお子様ご自身で行っていただくのは難しい点が多々あります。そのため親御さんが管理を行うことは必須となります。

ただ装着時間や装置の洗浄を行うだけでなく、お子様が前向きに取り組めるような声かけを積極的にすることも重要です。

 

破損・紛失のリスクがある

ワイヤー矯正は歯に直接貼り付けているため、簡単に装置が破損することはありませんし、紛失することもありません。

しかしマウスピース矯正は取り外しが可能であるため、外している間に破損や紛失してしまうおそれがあります。矯正装置の再作製には時間も費用も余分にかかってしまいます。

外している間に無くさないよう、専用のケースを用意したり、家の中での置き場所を決めたりして工夫しましょう。

こどもは何歳からマウスピース矯正を始めるべき?

では実際に小児矯正を行いたい場合は何歳から始めるのがいいのでしょうか。

小児矯正には年齢によって適用となる治療が異なります。それぞれの治療について以下でご説明いたします。

 

Ⅰ期治療は6歳頃から

Ⅰ期治療とは乳歯が永久歯に生え変わっていく混合歯列期に行う治療です。

歯の生え替わりは個人差がありますが年齢で言うと5歳〜11歳頃がこの時期に該当するため、一般的には6歳ごろから始めるのが適しているとされています。

この時期は歯の生え替わりとともに、顎の骨も非常に柔軟で、大きく成長していく時期でもあります。筋機能矯正装置や床矯正装置、インビザラインなどを利用して顎の成長促進・抑制を行い、後に生えてくる永久歯が綺麗に並ぶための土台を整えていきます。

 

Ⅱ期治療は12歳頃から

II期治療は永久歯列期に行う治療です。年齢で言うと12歳以降が該当します。

Ⅰ期治療では歯が生える土台を整えることがメインに治療が行われますが、II期治療では顎の成長のピークはすでに過ぎているため、歯を動かして噛み合わせを整えることをメインに治療を進めます。

そのため使用する矯正治療装置は成人矯正と同様に、ブラケット+ワイヤーもしくはインビザラインに代表されるようなマウスピース型装置となります。

 

マウスピース矯正を行った方が良いこどもの歯並び

上顎前突、下顎前突、上下顎前突、叢生、過蓋咬合は矯正を行った方がいいとされる歯並びの代表例です。

お子様の歯並びがこれらに該当しているかも、と思った方はかかりつけ医に相談してみましょう。

 

上顎前突(出っ歯)

上顎前突とはいわゆる出っ歯のことです。

歯の傾きが原因で出っ歯になる歯性上顎前突と骨格が原因で出っ歯になる骨格性上顎前突に分けられます。

骨格性の場合、こどもであれば顎の骨がまだ成長途中のため矯正装置で顎の骨の成長をコントロールして改善できる可能性があります。

上顎前突の子供はお口がポカンと開いたまま過ごしていることが多いです。きちんと口を閉じることができず、口腔内が乾燥すると、口臭の原因となったり虫歯や歯周病のリスクが高まったりします。

 

下顎前突(受け口)

下顎前突は反対咬合・受け口とも呼ばれ、下の前歯が上の前歯より前に出ている歯並びのことです。

歯並びが原因で起こる歯性反対咬合と骨格が原因で起こる骨格性反対咬合に分けられます。骨格性反対咬合の場合、こどもであれば顎の成長がまだ途中なので下顎の骨の成長をコントロールすることで改善できる可能性があります。

そのため骨格性反対咬合の場合はできるだけ早期に治療を開始することが望まれます。骨の成長が完了してしまってからでは大掛かりな治療が必要になることが多いです。

上下顎前突(口ゴボ)

上下顎前突とは、上下の歯が前に飛び出したような状態の歯並びで、口ゴボと呼ばれることもあります。

歯の傾きが上下とも倒れている場合と上下の骨格が前に出ている場合があります。お顔の見た目に関わってくるため、一見歯並びや噛み合わせだけを見ると問題がなさそうでも実は気にしている方が大人でも多い噛み合わせです。

骨格性の症状が進むと大掛かりな治療が必要となりますので、成長途中であるこどもの間に顎の骨のコントロールを行ってあげることが大切です。

叢生(歯並びがでこぼこ)

叢生とは、歯が重なり合って凸凹に並んでいる歯並びのことです。

歯が重なり合って生えていると歯磨きが十分にできないことが多く、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、重なっていることで出っ歯になりお口が閉じにくくなることもあります。

叢生は顎のサイズに対して歯のサイズが大き過ぎることが原因ですので、顎が成長途中で柔軟なこどものうちに顎を広げ、歯が綺麗に生えるスペースを作ってあげることが大切です。

過蓋咬合(噛み合わせが深い

過蓋咬合とは、咬み合わせが深く、上の前歯が下の前歯を覆ってしまっている状態の噛み合わせです。放置すると顎の関節に痛みを生じたり、歯肉炎になったりすることがあります。

また、歯の一部に過剰な負担がかかるようになり、歯が割れてしまう等の不具合を起こす可能性があります。

 

こどものマウスピース矯正でよくある質問

こどものマウスピース矯正について患者様から寄せられることの多いご質問内容をご紹介いたします。

 

マウスピース矯正をしながら習い事や部活は続けられますか?

内容にもよりますが、ほとんどの場合続けることが可能です。

マウスピース矯正の中でもインビザラインは長時間の装着を求められますが、装置が非常に薄いのでつけたまま活動することが可能です。むしろ、ワイヤー矯正に比べて、装置にでこぼこがないのでスポーツをするうえでは怪我のリスクも少ないといえます。

どうしても外さなければ難しい場合は、かかりつけ医と相談のうえ、装着時間を決めましょう。

 

乳歯でマウスピース矯正をして意味があるの?

乳歯の残っている時期に行う矯正は歯を1本ずつ動かして並べるものではなく、悪い歯並びの原因となっている悪習癖の除去・顎の成長のコントロールなどを行って将来生えてくる永久歯が綺麗に並ぶための土台を整えるものになります。

土台のコントロールは顎の成長が活発な小児期にしか行えないものなので、この時期に矯正をはじめることには非常に大きな意味があります。

 

マウスピース矯正中に歯が生え変わっても大丈夫ですか?

生え変わっていくことを前提に治療計画を立案いますのでご安心ください。

歯が抜けた場合は歯科医院にお問い合わせください。歯科医師がお口の中の状況を確認した上で新たな装置を作製するかどうかを判断します。

 

こどものマウスピース矯正でお悩みの方は、MeLoSにご相談ください

この記事では子供のマウスピース矯正について詳しくご説明してきました。

MeLoSではインビザラインを使用した小児矯正、インビザラインファーストを取り扱っています。お子様の歯並びにお悩みの方はぜひ一度MeLoSにご相談ください。

専門のスタッフがインビザラインファーストに関する不安や心配のご相談に乗ります。

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