インビザラインで受け口は治る?費用・期間や放置するリスクも
2024年3月28日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザラインとは専用のマウスピース(これをアライナはーと呼びます)を交換していきながら歯並びを変えていく矯正治療で、装置が透明で目立ちにくいため近年人気がある治療方法です。

インビザラインで治せる歯並びには様々な種類があります。

この記事ではそのうちの一つである「受け口」とインビザラインについて詳しく解説していきます。

 

受け口とは?

下顎前突(受け口)とは下の前歯が上の前歯に対して飛び出している状態の歯並びです。

本来、上の前歯が下の前歯より数ミリ前に出ているのが正常な咬合ですので、受け口は反対咬合とも呼ばれます。

 

この歯並びでは審美性の問題以外にも、前歯でうまく物が咬み切れない、奥歯に過度な負担がかかりやすい、発音しにくい音が生じる、などの問題点があります。

 

受け口にも種類があり、

・歯並びが問題でおこる歯槽性の受け口

・骨格が問題でおこる骨格性の受け口

に分けられます。

 

歯槽性のものだと比較的軽度であることが多く、インビザラインで直すことが可能です。

骨格性のものは重度であるとインビザラインだけで治すことは難しく外科矯正の併用が必要となることもあります。

 

受け口になる原因

受け口になる原因には先天的なものも後天的なものもあります。代表的なものである

・遺伝

・顎の発育

・口周りの癖 

について説明いたします。

 

遺伝

顔つきや体格と同じように歯並びや顎の骨格も遺伝の要素が大きいです。

特に骨格性の受け口の場合、遺伝の影響が強く、親や近しい親戚に「上顎が小さい」または「下顎が大きい」という骨格を持った人がいる場合、骨格が遺伝して受け口になることがあります。これは先天的な原因と言えるでしょう。

顎の発育

顎の発育が原因のこともあります。

上顎骨が発育不全を起こし、上下の顎の骨のバランスが悪くなった場合は、受け口になることがあります。

 

上顎骨の発育には幼少期の舌の位置が大きく関係していることがわかっています。

上顎骨が発達する時期に、舌が正しい位置におけず低位舌と言われる状態で過ごすと、舌による上顎の骨への刺激が不足し、上顎が十分に発達しません。

このタイプの受け口はこどもの間に治療を開始すれば受け口を回避することができる可能性があります。

 

成人してから顎のバランスを整えるのは大掛かりな治療が必要になることがありますので早めの対策が大切です。

 

口周りの癖

顎の骨が成長している時期に悪癖があるとそれが受け口へと繋がってしまうことがあります。

受け口へと繋がりやすい悪癖としては「下の前歯を舌で押す」「指びしゃぶりをする」「下の顎を前に出す」などがあります。

 

こどもの顎の骨は柔らかく、悪癖の影響を大きく受けやすいので、このような癖を発見した時は周囲の大人がやめるように促してあげましょう。

口周りの癖で受け口になるのは後天的な原因だと言えるでしょう。

 

インビザラインで受け口を治療する方法

歯並びが原因(歯槽性)で受け口になっている場合、インビザラインで直すことが可能です。

IPRや抜歯、遠心移動などの処置を下顎に行い、下顎前歯を引っ込めるスペースを作り、飛び出している前歯をインビザラインで移動させて歯並びを整えます。

 

下に実際にMeLoSで行った歯槽性の受け口の治療例をご紹介いたします。

 

治療前

下顎の前歯が上顎の前歯より前に出ている不正咬合です

治療後

30代男性

治療期間:8ヶ月

費用:66万円

抜歯は行わず、下顎のIPRと遠心移動によって前歯部の被蓋関係を治療しました。

 

骨格性の受け口の場合は難易度が上がります。

インビザラインのみで正常咬合に近づけることが可能な場合もありますが、骨格のアンバランス差が顕著である場合は歯列矯正に加えて外科矯正を行う必要があります。

骨格の異常によって正常な噛み合わせが得られていないと診断された場合は保険治療の対象となることもあります。

しかし、その場合はインビザラインは使用できずワイヤーでの矯正となります。

 

受け口を治療せずに放置するリスク

受け口を治療せずに放置するのはお勧めできません。受け口には様々なデメリットがあります。

ご自身が受け口だと感じていらっしゃる方は、治療のためにどのような処置が必要なのか、ぜひ歯科医師の診察を受けてご相談ください。

 

滑舌に支障が出る

受け口では前歯の噛み合わせが悪く、空気が漏れやすいため滑舌が悪くなりやすいです。

特に上の歯の裏側に舌をあてて発音する、サ行やタ行が不明瞭になります。滑舌が悪いことが原因で、人前で話すのが苦手になってしまったりと、コンプレックスとなることもあります。

 

虫歯や歯周病になりやすい

下顎が大きく前に出た受け口などでは口が閉じにくく、口呼吸になりやすいです。

 

通常は口腔内に唾液が行き渡り、唾液の自浄作用や抗菌作用が働きますが、口呼吸をしていると口腔内が乾燥してそれらの作用がうまく働きません。

その結果、虫歯や歯周病の病原菌が活性化しやすい環境となり、リスクが高まります。

 

咀嚼しづらくなる

受け口では前歯がうまく咬み合っていないので、食べ物を上手に噛み切ることができません。

また、全体的に咬み合わせが整っていないことも多く、奥歯でうまくすり潰しにくいこともあります。

そのため、食事の際に咀嚼しづらく、消化不良で胃や腸に負担をかけてしまいます。

子どもの場合は咀嚼は発育にも大きく関わりますので注意が必要です。

 

風貌に影響が出る

受け口を放置すると下顎の成長だけが進み、横顔が三日月様の特徴的な風貌になります。

そのため、自分の容姿をコンプレックスに感じる方も多いです。顎が目立つので口元に自信が持てなくなってしまいます。

 

顎関節症を発症しやすくなる

受け口は前歯が噛み合わずに奥歯だけが噛んでいる状態が多いので、噛み合わせた時の力を歯全体で均等に受けることができません。

そのため、臼歯が過度な力を受けることとなり、顎関節症になったり歯に痛みが出たりすることがあります。

 

顎関節症では痛みだけでなく、口が開きにくくなったりして日常生活にも影響が出るので、注意が必要です。

 

受け口のインビザライン治療にかかる費用・期間

受け口をインビザラインで治療する場合、お口の中の状況によって費用は異なりますが、全顎矯正では60万円〜120万円であることが多いです。

 

抜歯などを行わず、部分矯正が可能なケースでは、30万円〜60万円です。

インビザラインは歯科医院によってかかる費用が異なります。

 

初めのカウンセリングは無料であるところも多いのでその際に確認しておきましょう。

また、治療期間は全顎矯正で2〜3年、部分矯正で6ヶ月〜1年です。

インビザラインでは、初めに治療計画を作り、それにのっとって治療をすすめていていきます。

部分矯正と全顎矯正での治療範囲の違いや期間の違いはその治療計画で確認することもできます。

 

受け口がインビザラインで治るか不安な方は、MeLoSにご相談ください

この記事では受け口とインビザラインについて詳しく説明してきました。

しかし、ご自身の受け口が骨格性か歯槽性か、インビザラインのみで直すことが可能なのかなどを患者様だけで判断することはできません。

必ず歯科医師の診断が必要となります。

 

MeLoSでは専門のスタッフがお口の中の状況をお伺いして、最適な治療方法をご紹介いたします。

 

受け口をインビザラインで治したい、とお考えの方はぜひ一度MeLoSにご相談ください。

インビザラインに関する不安や心配のご相談に乗ります。

MeLoSマウスピース矯正の詳細情報はこちら

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