インビザライン治療でブラックトライアングルができる?予防策を解説
2024年1月31日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザラインとは少しずつ形の異なる透明のマウスピース(これをアライナーと呼びます)を交換することで歯を動かしていく近年人気の歯列矯正治療です。治療中も見た目を損いにくい治療方法ですが、人によっては治療途中にブラックトライアングルができてしまうことがあります。このブラックトライアングルとは一体どのようなものなのでしょうか。この記事ではブラックトライアングルについて詳しくご説明していきます。

そもそもブラックトライアングルとは?

ブラックトライアングルとは歯と歯が隣接している部分と歯茎で囲まれた部分にできる黒い三角形のことです。本来、理想的な歯並びと健康な歯茎であれば、歯と歯の間には歯茎がびっちりと隙間なく入り込んでいる状態になり、隙間はありません。しかし加齢、歯周病やブラッシング圧などが原因でこの歯茎が退縮し、下がってしまうことで三角形の隙間が出来て、黒く見えることがあります。また、がたがたの歯並びを矯正で直した後にブラックトライアングルが出現することもあります。前歯部、特に下の歯は形状や環境からできやすく、気にされる方が多いです。

ブラックトライアングルができる原因

ブラックトライアングルができる原因は一つではなく様々なものがあります。主な原因として・加齢・歯周病・強いブラッシング圧が挙げられます。以下でそれぞれの原因について詳しくご説明していきます。

 

加齢

ブラックトライアングルができる直接の原因は歯ぐきが下がることですが、これには歯ぐきの下にある骨が関係しています。歯ぐきの下には歯槽骨と呼ばれる骨があり、これが歯茎を支えています。ですので、その歯槽骨が減るとそれに合わせて歯茎の高さも下がってしまいます。歯槽骨は加齢によって少しずつ減っていってしまうものなので、年齢を重ねると歯槽骨の減少に伴って歯茎も下がり、ブラックトライアングルが生じてくるようになります。また、歯槽骨の減少だけでなく歯ぐきの細胞活性も低下してくるのでこれも原因の一つとなります。

 

歯周病

歯に汚れが溜まると歯茎が炎症を起こし腫れぼったくなります。一見、これにより歯と歯茎の隙間が埋まっているように見えますが、これは病的な状態です。汚れを取り除き歯茎が健康になると引き締まってくるので、それによって隙間があきブラックトライアングルができることがあります。また、歯周病は進行すると歯周病細菌が毒素を出し、歯槽骨を溶かしていきます。先ほどもご説明した通り歯茎の高さは歯槽骨の高さによって決まりますので、歯周病で歯槽骨が減少すると、その分歯茎も下がりブラックトライアングルができます。

 

誤った歯磨きの方法

不適切な歯磨きの方法を続けている場合もブラックトライアングルができる原因となります。特に多いのが、強すぎるブラッシング圧で歯を磨くことです。歯茎は非常にデリケートで過度な刺激を与えられると傷がつき退縮してしまいます。強い力で毎日ゴシゴシ磨いていると歯肉が退縮してブラックトライアングルが生じることがあります。また歯ブラシの硬さが硬かったり、歯間ブラシを誤った角度で無理やり挿入したりすることも退縮の原因となります。ご自身の歯磨きの仕方に不安がある方は歯科衛生士に相談して正しい歯磨きの仕方を身につけましょう。歯磨き指導では適切なブラッシング圧や患者さんそれぞれに適した器具などを教えてもらうことができます。

 

インビザライン治療はブラックトライアングルができやすいの?

インビザライン矯正を行うとブラックトライアングルができる!というようなことを目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。インビザライン矯正を行った後にブラックライアングルができてしまう可能性があるのは事実です。しかしなぜできるのでしょうか。インビザライン矯正後にブラックトライアングルができる原因と他の矯正治療の場合についてご説明いたします。

 

歯肉が引き締まるため

まずひとつはインビザライン矯正を行って腫れていた歯肉が引き締まったから、という理由があります。歯がガタガタに重なりあって生えていると、普段の歯磨きで汚れを十分に落とし切ることができず、歯茎が炎症を起こして腫れぼったい状態が常態化していることがあります。このような方がインビザライン矯正で歯並びが改善されると歯磨きがしやすく汚れが落としやすくなるため、歯茎が健康な状態になり引き締まっていきます。歯茎が引き締まると腫れぼったさが消えてボリュームが減るため、隙間が生じてブラックトライアングルができてしまいます。

歯を並べた箇所に歯槽骨が少ないため

叢生(歯が重なって生えている状態)の度合いが重度の場合は、重なり合って生えている部分の下に十分な量の歯槽骨がない場合があります。矯正を行う場合にはこのような歯槽骨の少ない部分にも歯を並べざるをえません。歯茎の高さは歯槽骨の量によって決まるので、歯槽骨が少ない部分の歯茎は下がり、ブラックトライアングルを生じることに繋がります。

 

他の歯列矯正でもブラックトライアングルはできてしまう

では、インビザライン矯正をしたときだけブラックトライアングルができてしまうのでしょうか。実はそんなことはなく、どの矯正方法でも同じようなことが原因となってブラックトライアングルを生じる可能性があります。むしろ従来のワイヤー矯正は装置の周りに汚れが溜まり、清掃不良により歯周病を誘発しやすいというようなリスクもあります。インビザラインではアライナーを取り外せるため歯磨きがしやすく、歯周病でブラックトライアングルを悪化させるリスクはワイヤー矯正に比べて少し少ないといえます。どの矯正方法を選んでもブラックトライアングルができる可能性はありますので、事前に主治医とそのリスクについて十分に話し合ってから矯正を始めるようにしましょう。

 

ブラックトライアングルを予防する方法

ブラックトライアングルを予防するためにはまず、歯周病にかからないこと・悪化させないことです。歯周病を防ぐには、毎日のお口のケアでしっかりプラークコントロールを行いましょう。適切な硬さの歯ブラシを使用して時間をかけて歯磨きを行うこと、フロスや歯間ブラシなどの補助的な器具も使用することで清掃性をかなり上げることができ、歯周病を予防することができます。また、適切なブラッシング圧や歯間ブラシの挿入角度に気をつけることも大切です。強い力でゴシゴシと磨いたり間違った角度で歯間ブラシを挿入したりしていると歯茎が退縮してきてしまいますので注意が必要です。ご心配な方はかかりつけの歯科医院で歯磨き相談をお願いしてみるのも良いでしょう。正しい歯磨きはブラックトライアングルの予防だけでなく、歯の健康を守るためにも必要です。

 

できてしまったブラックトライアングルは治療できる?

できてしまったブラックトライアングルへの治療方法としては

・IPRで少し歯を削り、できた隙間を矯正で閉じる

・レジンを盛りたして修正する

・ラミネートベニアやセラミッククラウンなどの補綴物で歯の形を修正する

などがあります。1つめのIPRによるアプローチ方法はインビザライン中に取り入れやすい治療方法です。その他の方法は清掃性に支障がでたり歯を大きく削るなど、患者様によっては抵抗を感じられることもあります。どの方法で対処するにしても、担当歯科医師とよくメリットデメリットについてご相談の上、治療に進むようにしましょう。

 

ブラックトライアングルについてご不安がある方は、MeLoSにご相談ください

この記事ではブラックトライアングルについて詳しご説明してきました。インビザライン矯正をするとブラックトライアングルができてしまいそうなのでなかなか治療を決断できない……という方も多いのではないでしょうか。ブラックトライアングルのリスクについては患者様のお口の中の状況によって異なります。ご不安やご質問がある方はぜひ1度MeLoSにご相談ください。専門のスタッフがお口の中の状況をお伺いした上でご相談に応じます。また、お近くのインビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、お気軽にLINEよりご連絡ください。

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