インビザラインは口内炎ができやすい?原因や対処法・予防法
2023年11月30日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

矯正治療には口内炎がつきもの、と思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。確かに矯正治療は歯を動かすためにお口の中に様々な装置をつけるので普段よりは口内炎ができやすい環境になります。では、口内炎ができてしまうのは従来のワイヤー矯正のみでなくインビザラインでも同じなのでしょうか。口内炎ができてしまったときの対処法はあるのでしょうか。この記事ではそんな皆様の疑問にお答えしていきます。

インビザライン矯正は口内炎ができやすい?

インビザライン矯正に限らず、矯正治療中のお口の中は口内炎ができやすい環境です。特に従来のワイヤー矯正では凸凹のある装置をつけてワイヤーを通すので装置やワイヤーがお口の中の粘膜部分に触れて口内炎ができやすくなります。これは表側の矯正でも裏側の矯正でも、装置とワイヤーが粘膜に刺激を与えてしまうことは変わりありません。

一方、インビザライン矯正ではこれらの装置を使わず透明なマウスピース(これをアライナーと呼びます)を使って歯を動かしていきます。アライナーは歯にピッタリとフィットする薄いプラスチック素材でできていて表面は滑らかなのでお口の中の粘膜に刺激を与えることは少ないです。そのためインビザライン矯正の方がワイヤー矯正よりも口内炎ができるリスクは少ないと言えます。しかしお口の中に長時間異物を入れてお過ごしいただくことに変わりはありません。どの方法を選択しても矯正中は普段と比べて口内炎ができやすい状況になります。

 

インビザラインのアタッチメントが口内炎の原因となることはない?

アタッチメントとは歯の表面につける小さな突起の補助装置です。この装置を使用することでアライナーと歯をよりしっかりと密着させ、歯にかかる力を効率的に歯に伝えることができます。歯の表面にぽこっと出っ張ったものをつけるため、これが原因で口内炎ができるのではと心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかしアタッチメントはアライナーをつけることで覆われてしまいます。インビザライン矯正では食事と歯磨きの時間以外、常にアライナーをはめているのでお口の中の粘膜とアタッチメントが触れる時間は非常に少なく、口内炎の原因とはなりにくいです。

 

インビザライン矯正中に口内炎ができる原因

では、インビザライン矯正中に口内炎ができる理由として多いものにはどんなものがあるのでしょうか。以下で具体的な原因として挙げられるものについてご説明いたします。

 

マウスピースの縁が口内に当たったから

インビザライン矯正で使用するアライナーは患者様それぞれの歯型にぴったり合うようにオーダーメイドで作られ、縁の部分も綺麗に丸められた状態で歯科医院に届きます。ですので基本的には縁がお口の中にあたって傷つけるということは少ないです。しかしたまに研磨不良でザラつきが残っていたり、お口の動かし方によって頻繁に当たる部分ができてしまうことがあります。また、場合によって担当歯科医師からアライナーの一部をご自身でカットして使っていただくよう指示がでることもあり、カットの仕方によっては鋭利な部分ができてしまうことがあります。アライナーの縁などが触れて痛みを感じる場合は、早めに担当歯科医師に相談しましょう。

 

矯正中に口内環境が変化したから

矯正治療中は歯に常に力がかかっている状態で、それに伴いお口の中全体が敏感な状態になっています。そのため少しの刺激でも口内炎ができてしまうことがあります。また、理想の歯並びとなるまでの間に一時的に歯並びが崩れて磨きにくい場所ができることで清掃状況が悪くなったり、食事がしづらくなって免疫力が落ちたりすることがあります。これらが原因でお口の中の細菌のバランスが崩れて口内炎ができやすくなります。普段よりさらに丁寧な口腔ケアを行い、噛みづらくても十分な栄養を取れるよう食事の面でも工夫することで口内炎ができるリスクを減らすことができます。

 

マウスピースアレルギーがあるから

非常に稀な場合ではありますが、アライナーに使用している素材にアレルギー反応を起こす方がいらっしゃいます。インビザラインのアライナーでは歯科治療に使用できるプラスチックを使用しているためアレルギーを起こす可能性は非常に低いですが絶対に起こさないというわけではありません。アレルギー反応の一部として口内炎ができることがあります。しかしアレルギー反応であった場合、多くの場合で口内炎以外にも発疹・赤み・痒み・腫れなどの症状も一緒に引き起こします。疑問に感じる症状がある場合は早めに受診して相談することをお勧めします。

 

治療にストレスを感じているから

ストレスは免疫力を低下させ、口内炎の原因となることが知られています。インビザライン矯正はストレスの少ない矯正治療方法ではありますが、治療開始直後やアライナー交換直後の2、3日は痛みや違和感を感じることが多くそれをストレスに感じる方がいらっしゃいます。また、飲食の制限があるため、普段仕事中のコーヒーやおやつなどでストレスを発散していた方は、思うようにできずストレスが溜まってしまいます。アライナーをつけた状態でもおこなえるストレス発散方法を探してみましょう。また、それと合わせて健康的な生活習慣を取り入れることで免疫力をあげて口内炎を予防することができますのでインビザライン矯正開始をきっかけに健康に留意した生活を送るように心がけましょう。

インビザライン矯正で口内炎ができた時の対処法

気をつけて過ごしていても口内炎はできてしまうことがあります。口内炎は強い痛みを伴うためできるだけ早く治したいものです。万が一口内炎ができてしまったときの対処法を以下にご紹介いたします。

 

口内炎用の軟膏を処方してもらう

口内炎ができてしまったとき、歯科医院を受診していただければ軟膏を処方してもらうことができます。市販でも口内炎用の軟膏はありますが、処方されたものの方が効き目がつよいのでお勧めです。軟膏を塗ることで痛みをしずめることができます。また、歯科医院によっては専用のレーザーで表面を焼くことで瘡蓋のような膜を作り、治癒を促進させる方法が取れる場合もあります。専用の機械がないと対応できませんのでかかりつけの歯科医院に確認してみましょう。

刺激物を避ける

香辛料の効いた辛いものや柑橘類のような酸っぱいもののような刺激の強い飲食物は口内炎を刺激してしまい治りを遅らせてしまいます。醤油などもしみて痛みを増大させるためできるだけ避けましょう。口内炎ができている時はゼリーやヨーグルトのようなとろみがあって刺激の少ないものをとるようにしましょう。

 

ビタミンを摂取する

口内炎の治癒にはビタミンBの摂取が効果的だとされています。ビタミンBが多く含まれているとされているのは牛・豚・レバー類・牛乳・のり・アーモンド・たまご・マグロ・カツオなどです。食事でとるのが理想的ですが、口内炎ができている時は痛みで十分に食事をとることができないことも多いので、その場合はサプリメントなどをうまく活用しましょう。サプリメントはあくまでも補助的な役割ですので、食事が取れるまでに回復してきたら栄養バランスの良い食事をしっかりとるようにしましょう。

 

インビザライン矯正中の口内炎を予防する方法

健康的な食事をとる

口内炎にはビタミンBが良いと上でもご紹介しましたが、それだけをたくさん摂取すればいいというわけではありません。栄養素は他の栄養素と一緒に摂取することでより効率的に体の中に取り込まれて働くことができます。そのため、なにか偏ったメニューやサプリメントをたくさん飲むのではなく日頃からバランスの良い食事をとり、口内炎のできにくい体を作ることが大切です。味や量など食事で十分に取り入れづらい栄養素がある場合は、サプリメントを上手に利用して補うようにしましょう。

しっかりと睡眠を取る

睡眠時間の低下は体全体の免疫力低下を招きます。適切な睡眠時間を確保することで口内炎の予防だけでなく体全体の不調を予防することができます。インビザラインではアライナーの装着時間を守ることが大切なため、夜更かしして夜食……というような生活習慣をつづけるのは難しくなります。もしそのような生活習慣がある方はインビザライン矯正がよいきっかけとなるかもしれません。

精神的なストレスを抱えない

ストレスは肌荒れや免疫機能の低下を引き起こします。お仕事や家事育児、勉強など現代人は様々な場面でストレスにさらされています。ストレスを溜め込んでしまう前に積極的に解消するよう心がけましょう。週に数回湯船に浸かったり、意識的に深呼吸をする、というようなことだけでも違ってきますので、ストレス解消のために時間がなかなか取れないという方もご自身のできそうなことから少しずつ取り入れてみましょう。

 

インビザライン矯正による口内炎が心配な方は、MeLoSにご相談ください

この記事ではインビザラインと口内炎の関係について詳しくご説明してきました。口内炎は痛みも強く、ひどいとお食事や会話にも支障の出るものですので出来れば罹らずに矯正治療を終えたいものです。しかし、口内炎のリスクは患者様のお口の状況によっても大きく異なります。インビザライン矯正に興味はあるけど口内炎になるのでは、と心配な方はぜひ一度MeLoSにご相談ください。専門のスタッフがリスクや万が一なってしまった時の対処法など患者様ごとにあった解決方法を詳しくご説明いたします。

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