インビザラインは少しずつ形の違う透明のマウスピース(これをアライナーと呼びます)を交換していきながら歯を動かしていく近年人気の高まっている矯正方法です。
従来のワイヤー矯正とは全く異なる装置を使うため治療中も装置が目立ちにくいため今まで見た目を気にして矯正治療に踏み出せなかった方にもおすすめの治療法です。この記事ではインビザラインの見た目はどのくらい目立つのか、装置以外にも目立つ部分はあるのか、など治療中の見た目について詳しくご説明していきます。
インビザラインはアライナーと呼ばれる薄いプラスチックでできたマウスピース型の装置を使用する矯正方法です。アライナーの薄さは約0.5mmで患者様の歯型に合わせてオーダーメイドで作られるので装置をはめた時も非常に自然で見た目を損ないにくいです。
プラスチックでできているため多少の光沢感はありますが、お口の中に入れて数分経つと唾液が全体に馴染んでその光沢感も減ります。意識してよく見ればアライナーをつけていることはわかりますが、普段の生活で相手の口元を注視する場面は少ないため矯正治療に気づかれないことがほとんどです。インビザラインではアライナー1枚を約1週間使用して次のアライナーへと交換していくので1枚を長期使用することはほとんどありません。
また、食事や着色の可能性のある飲み物を口にする際は自分で自由に装置の取り外しができるので外して飲食を行います。これらのおかげでアライナーは審美性が保たれやすくなっています。従来のワイヤー矯正では歯の表面にブラケット装置を貼り付けてそこにワイヤーを通していて、一度装置をつけると患者様ご自身で外すことはできず、常に歯の表面に凸凹の装置がたくさんついた状態で審美性は確保できませんでした。ですので従来の矯正治療方法と比べてもインビザライン矯正は非常に目立ちにくく審美性の高い方法だと言えます。
インビザラインは非常に目立ちにくい治療方法ではありますが、時には「目立つ!」と感じることもあるようです。特にお声として多いのは補助装置を使用した場合と抜歯を行った場合です。インビザラインの補助装置とは?抜歯をしたらどんな風に目立つの?それぞれについてご説明いたします。
アタッチメントとは、効率的に歯を動かすために歯の表面につける小さな突起です。アタッチメントをつけることでアライナーと歯の密着度が増し、歯の移動方向などをコントロールしやすくなります。この装置は歯と同じ色のレジン(プラスチック)で作られるためつけた直後はほとんど目立ちません。しかしレジンは色の濃い飲食物を口にすることで着色してしまう素材です。
インビザラインは全顎で行うと約2年前後の治療期間が必要になるため、時が経つにつれてだんだんと着色が気になるようになることがあるようです。着色が気になる場合は歯科医院で着色部を磨くことで落とすことができます。どうしても目立たせたくない場合は治療計画上で装置を減らしたりつけずに進めるということが可能な場合もあるので担当歯科医師に相談してみましょう。また、矯正中に着色しやすい飲食物を避けるのも装置を目立ちにくくするために有効です。
インビザライン矯正では歯の動きを補助したり顎の位置を誘導したりするために顎間ゴムを使用することがあり、上下の歯にまたがるように医療用ゴムを装置に引っ掛けます。お口を大きく開けた時にゴムが見えてしまうので「目立つ」と感じる方が多いようです。顎間ゴムはアライナー同様ご自身で取り外しができますが、基本的には1日22時間の装着が推奨されます。
しかし、旅行で写真を撮る時やお仕事などで人前に立つ時など、数時間程度であれば外しておくことも可能です。長時間つけている方が歯の動きはよくなりますが、どうしても日中目立つのが嫌だという場合には顎間ゴムの使用を夜のみにするなど工夫も可能ですのでこちらも担当歯科医師とよく相談しましょう。
また、顎間ゴムは治療期間ずっと使用するわけではなく、治療期間のうちの一定期間のみで使用されることがほとんどですので目立たせたくない時期が決まっているのであれば顎間ゴム使用の時期を相談してみるのも良いでしょう。
矯正治療を行う際に抜歯が行われることがあります。インビザライン矯正では歯と歯の間を削る(IPR)・歯をお口の奥の方に移動させる(遠心移動)・歯列を横に広げる(側方拡大)などで歯を並べるスペースを作り出しますが、それらを行っても足りない場合は抜歯が必要となります。
抜歯は大体の場合で小臼歯と呼ばれる前から4・5番目の歯で行われることが多く、この部位はお口を開けたり笑ったりした時に見えてしまうので「抜歯して空いたスペースが目立つ!」と感じられる方が多いです。この抜歯スペースはアライナーをつけ始めて約半年〜1年でだんだんと歯が動いてきて閉じられます。抜歯は治療計画の初期の頃に組み込まれることが多いため、矯正治療を考えている方はそのことを踏まえてスタート時期を決めると良いでしょう。
インビザライン矯正で理想の歯並びを手に入れた後は後戻りを防ぐための保定期間に入ります。保定期間ではリテーナーと呼ばれる装置を使用します。このリテーナーはアライナーとほぼ同じ見た目で透明のマウスピースですので基本的には目立ちません。
しかし、約1週間で交換していくアライナーと違ってリテーナーは壊れるまで一つのものをずっと使用します。そのためだんだん透明感が失われてきたり変色してきたりすることがあります。アライナーと同様、水以外の飲食物は外して口にする、外した際には流水と柔らかいブラシで洗浄するということを守っていればそれほど極端に汚れることはありません。
また、リテーナーの使用は保定期間初期は日中もつけるように指導されますが半年ほど経つと夜のみの使用でよくなりますので変色してしまっても形に問題がなければそのまま使用していただけます。
インビザラインで抜歯した場合の見た目が目立つかどうかについてご解説ください。可能であれば、抜歯直後~中期~後期の変化写真なども掲載すると効果的です。
抜歯した直後は元々の歯があったところにぽっかりと隙間ができてしまうので非常に目立ちやすいです。上でも書きましたが矯正治療でスペース確保のために抜歯する場合は小臼歯を抜歯することが多く、これはお口を開けた時に見えやすい場所です。アライナーをつけると抜歯部位は多少目立ちにくくなりますが、抜歯してすぐは炎症が起きているためアライナーをつけることができません。抜歯の炎症が治って感染などがないことを確認してからアライナーの使用を始めるため、それまでの間は抜歯スペースが目立ちやすい状態でお過ごしいただくことになります。
インビザラインでは半年から1年ほどで抜歯スペースに他の歯が動いてきて少しずつ閉じてくることが多いです。しかしアライナーの使用状態や、治療計画によってはもう少し時間がかかることもあります。この期間中、どうしても抜歯スペースが目立つのが気になる場合はアライナーの抜歯相当部位のところを白く塗って、アライナーをはめている間は隙間が目立たないように処置をすることもできます。
インビザライン終了時には抜歯したスペースは完全に他の歯によって閉じられた状態で終了となります。しかし抜歯して歯を動かした場合はその部位の骨や歯茎が少し下がってしまうことなどが原因で鼓形空隙と呼ばれる歯と歯のコンタクト下の部位に隙間ができてしまうことがあります。
歯の機能には全く問題はありませんが、食べ物がつまりやすかったり見た目が気になるといったお声がきかれることも多いです。その場合は追加で処置を行うこともありますが費用や処置内容は医院によって異なりますので担当歯科医師とよく相談して決めましょう。矯正前にこのような隙間ができる可能性をよく理解しておくことも大切です。
矯正治療前の歯並びの状態や治療計画にも左右されますが、抜歯してできたスペースが目立たなくなるまでに少なくとも1年ほどはかかることが予想されます。インビザラインのアライナー1枚が動かす移動量は約0.25mmですので歯1本分を他の歯が移動してきて埋めるのにはそれなりに時間がかかります。
しかし、抜歯した部位が目立つのがいやだからと言って無理に非抜歯で矯正を進めると口元の前方への突出感が思ったより解消されなかったなど納得のいく歯並びが得られないことにもなりかねません。インビザラインは矯正開始前に抜歯・非抜歯で計画を見比べることができるのも大きな強みです。治療計画立案時に抜歯・非抜歯それぞれのメリットをよく理解してから治療に臨むようにしましょう。
この記事ではインビザライン矯正中の見た目について詳しくご説明してきました。しかし、アライナーと合わせて使用する補助装置や抜歯の有無・部位は患者様ごとに大きく異なります。インビザラインで矯正を検討しているけれど治療中の見た目が気になって躊躇している、という方はぜひ一度MeLoSにご相談ください。専門スタッフが患者様のお口の中の状況をお聞きして、見た目を含めたご不安な点についてご回答させていただきます。