インビザラインで口臭が悪化する原因と予防策を歯科医が解説
2023年10月31日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザラインは少しずつ形の違う透明のマウスピース(これをアライナーと呼びます)を交換していきながら歯を動かしていく近年人気の高まっている矯正方法です。従来の矯正方法とは全く違う装置を使用するのでメリットもたくさんある一方で「インビザラインを始めると口臭が気になるのでは……」と不安に思ってらっしゃる方もいるのではないでしょうか。この記事ではインビザラインと口臭の関係について詳しくご説明していきます。

 

インビザラインで口臭が悪化する原因

インビザラインによって唾液の自浄作用が弱まるから

インビザライン矯正ではアライナーを1日22時間以上装着していなければなりません。アライナーは歯にぴったりと密着しているため、内側には唾液が流れ込みにくい状況が続きます。唾液は口臭の原因となる汚れを洗い流す作用がありますが、アライナーをつけているとこの作用を十分に働かせる事ができません。夜間はさらに唾液の分泌が抑えられ、この傾向は強くなります。そのためアライナーを長時間つけているとお口の中の細菌が増えてきてだんだん口臭が強くなってしまいます。

 

食後に磨き残しがあるままインビザラインを付けているから

インビザラインでは食後に歯磨きをしてからアライナーをつける、というのは必ず守っていただきたい約束事です。しかし、食後にはみがきを十分にできる時間や設備がなかった場合致し方なくそのままはめてしまった……という方もいらっしゃるかもしれません。また歯磨きはしたものの急いでいて丁寧に磨く事ができず、磨き残しがあるままアライナーをつけてしまう方もいらっしゃると思います。その結果アライナーで食べかすなどの汚れを閉じ込めてしまうことになり、細菌がどんどん増殖して口臭が悪化していきます。インビザライン矯正中はアタッチメントがついていたりIPRや抜歯で隙間があったりするため普段より磨き残しを起こしやすい状況ですので注意が必要です。

 

インビザラインの洗浄不足で菌が繁殖しているから

歯磨き後にアライナーをつけるようにしていても磨き残しなどによって口腔内では細菌が繁殖している為、アライナーも次第に汚れてきます。インビザラインを正しく洗浄できていない状況が続くとアライナー自体に細菌が繁殖して匂いの元になってしまいます。1週間しか使わない物だから、と油断せずに常に清潔な状態で使うようにしましょう。

 

インビザラインに歯石が付着しているから

インビザラインのアライナーを綺麗に洗浄できていないとアライナーに歯石が付着してきてしまいます。歯石は表面がざらざらしているためそのままにしておくとさらなる汚れが付着しやすくなり、汚れが蓄積したアライナーをはめていると当然口臭が強くなります。一度歯石がついてしまうと流水やブラシで落とすことはできず、除去するためには歯科医院で特別な機械を使わなければなりませんので歯石がつかないようにアライナーを保つことが大切です。歯石がついてしまったら早めに歯科医院で綺麗にしてもらいましょう。

 

歯周病が進行しているから

頻度としては多くありませんが、歯磨きがうまくいっていないなど何らかの理由でインビザライン矯正中に歯周病が進行してしまうと急に口臭が強くなる事があります。歯周病は歯周病菌が毒素を出すことで歯周病特有の口臭がするようになります。病状が進行するとともに口臭も強くなります。歯周病はひどくなると歯を支える土台を失ってしまうため、放置したまま矯正治療を続けることは出来ません。発見が遅れないように定期的な検診で歯周病のチェックを行うようにしましょう。

 

インビザラインによる口臭を放置するとどうなる?

最近では口臭を緩和するようなグッズもたくさん販売されていますので、インビザライン中に口臭が気になるようになってきても口臭ケアグッズを使用して誤魔化していればいい、とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、口臭とは原因のほぼ全てが細菌の繁殖ですので口臭の放置=細菌増殖の放置にほかなりません。細菌の増殖を放置していると虫歯や歯周病、その他感染症の原因にもなります。

口臭が気になってきたらそのまま放置するのではなく、早めに対処するようにしましょう。

インビザラインによる口臭の予防方法

インビザライン矯正中に口臭を予防するためにはどのような方法があるのでしょうか。ご自身でできる方法をいくつかご紹介いたしますので気になっている方はぜひ実践してみてください!

 

正しく歯磨きをしてからインビザラインを装着する

口臭予防でまず初めに行いたいのは歯磨きの見直しからです。正しく磨けている!とご自身で思っていても案外磨き残しがあるものです。歯磨きでは歯ブラシだけではなくフロスや歯間ブラシなどの清掃補助器具を使用することが非常に大切です。歯ブラシだけで落とせる汚れは60%ほどだと言われていますのでフロスや歯間ブラシを歯磨きに取り入れるだけでも汚れの除去率が格段に上がって口臭の減少につながるはずです。

また、それらを取り入れてはいるものの今の自分の歯磨きが正しくできているか不安……と思ってらっしゃる方はぜひ歯科衛生士さんに相談してみましょう。磨き残しや歯磨きの癖などをチェックして、歯磨き指導をしてもらうことができます。歯石などすでに汚れがついている場合はクリーニングも行いましょう。

アライナーを毎日洗う

お口の中だけでなくアライナー自体を綺麗にすることも大切です。アライナーは取り外しを行うたびに流水で洗うことが推奨されていますが、それだけでは十分に汚れを落とし切る事ができません。1日に1回は手指で優しくこすり洗いをするようにしましょう。

ブラシを使用することでさらに細かい汚れも落とすことができますが、その際硬いブラシや研磨剤入りの歯磨き粉を使用してしまうとアライナーの表面に細かい傷をつけてしまいますので使用しないよう注意しましょう。マウスピース用の専用洗浄剤もありますのでそちらも併用されるとより効果的です。

唾液が分泌する行動をする

お口の中が十分に潤っていないと唾液による自浄作用が働かず口臭が発生しやすくなってしまいます。インビザライン治療中はアライナーを装着していることで唾液の分泌が少なくなりがちです。唾液の減少が気になったら唾液腺を刺激するマッサージを行って唾液の分泌を促しましょう。唾液を出しやすくするためには耳下腺・顎下腺・舌下腺を刺激すると効果的です。また水分補給を行わずにいると体内の水分が減って唾液の分泌も減ってしまうこともあるのでこまめな水分補給も行うようにしましょう。

 

アライナーを正しい方法で保管する

アライナーを外して保管するときも注意が必要です。水分がついた状態で保管していると雑菌が繁殖しやすくなり、最悪の場合カビが生える原因となります。アライナーを流水下でこすり洗いして洗浄した後は、清潔な布やペーパーで水分を拭き取って完全に乾かすか、ケースの蓋を開けた状態で自然乾燥するようにしましょう。専用のつけ置き洗浄剤を使用する場合は、その洗浄剤の説明書にしたがって使用してください。

インビザラインによる口臭が不安な方は、MeLoSにご相談ください

この記事ではインビザラインと口臭の関係についてご説明してきました。インビザラインでの矯正治療が気になっているけど口臭が強くなるのでは、とご不安に思っていらっしゃる方の疑問にお答えできたでしょうか。ここでご紹介した口臭の原因やその対処法はあくまで一般的なもので、患者様ごとに気をつけなければならない点は異なります。口臭も含めてインビザラインに関する不安や心配がある方はぜひMeLoSにご相談ください。初回LIINE相談は無料です。専門のスタッフがお口の中の状況をお聞きした上でご相談に乗ります。

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