インビザラインは少しずつ形の違う透明のマウスピース(これをアライナーと呼びます)を交換しながら歯を動かしていく近年人気の高まっている矯正治療方法です。インビザラインをはじめたら痩せた!という意見を聞いたことはありませんか?インビザラインは歯並びを治すためのものなのに、なぜ痩せると言われるのでしょうか。この記事では「インビザライン」と「痩せる」の関係について詳しくご説明していきます。
インビザラインは大前提としてアライナーをつけることで歯並びを整える「歯の矯正治療」です。ですので体重を減らすことを目的として行う治療ではありません。しかし、インビザラインを始めたことで結果として体重が減った!とおっしゃる方はいらっしゃいます。体重を減らすためには”一日の消費カロリー>一日の摂取カロリー”となることが必須条件です。これが満たされない限り体重が減ることはありません。つまりインビザラインを始めたことでたまたまこの条件を満たせるようになった、ということなのです。ではどうして一部の方はインビザラインで痩せることができるのでしょうか。その理由を次の項目でご説明していきます。
インビザラインではアライナーの1日22時間以上の装着が推奨されていてその間は水以外の飲食は厳禁です。そのため、ジュースを飲みたいなと思っても、まずアライナーを一度外してジュースを飲み、歯磨きをしてからまたアライナーをつける……という手順を踏まなければなりません。インビザラインを始めると、この手順をいちいち踏むのが面倒くさくなってジュースを飲む回数が減ったり、ジュースの代わりに水を飲むようになる方が多いです。ジュースには多くの砂糖が含まれていて太りやすい飲み物なので飲む機会が減ることで痩せやすくなります。
先ほどと同じような理由で間食の回数も減ります。また、「私は間食のたびにアライナーを外してはみがきをする!」という方でも、1日22時間の装着時間を確保するためにはそう何度も間食の時間をとることはできません。だらだら時間をかけてたくさん間食をしたり、一日に何度も間食したりしているとアライナーをつけている時間が短くなり歯の動きが悪くなってしまいます。間食の回数や量が減ると自ずと摂取カロリーも抑えられて痩せやすくなります。
インビザラインは従来のワイヤー矯正に比べると痛みの少ない治療方法ですが、それでも力をかけて歯を動かすことには代わりないので歯に痛みがでます。この痛みは硬くて弾力のあるものを噛むと強くでやすいのでお肉やフランスパンなどは避けていただき、柔らかく、あまりかまずに食べれるものを食べていただくのがおすすめです。お肉よりお魚のほうがかみやすいので、例えば脂っこいお肉を好んで食べていた人がお魚がメインになったり、パンをよく食べていた方がおかゆをよく食べるようになったりすると、食生活の変化により痩せやすくなると言えます。
インビザライン矯正を始めた直後はアライナーに慣れていないため違和感を感じやすいです。またそれに加えて、アライナーを交換した直後の2、3日は歯の動き始めで痛みをともなうことが多いです。これらの感じ方には個人差がありますが、痛みや異物感によって食欲自体がわきにくくなることも多いです。そのため、食事で摂取するカロリーが減って痩せる方もいます。しかし、アライナーの違和感は矯正を初めて1週間〜数週間で慣れて気にならなくなりますし、アライナーをつけた時の痛みも矯正が進んでいくにつれて出にくくなっていきますので食欲と体重は元に戻っていくことがほとんどです。逆に、インビザライン矯正の違和感や痛みで食事が取れなくなってしまう、なんてことはありませんのでご安心ください。
矯正を始める前は歯並びの影響で噛み合わせが悪く、ご自身ではしっかり噛んでいるつもりでもきちんと噛めていない場合があります。満腹感はしっかり咀嚼を行うことで得られるものですので、歯並びが悪い状態では満腹感を十分に感じられないままに必要以上の量を食べてしまっている可能性があります。インビザライン矯正で噛み合わせも治していくと、食べ物を以前よりしっかり噛めるようになり、少量の食事でも満腹感を感じやすくなる可能性があります。この傾向は矯正が進むにつれ強くなり、矯正治療が終了しても続く効果となります。
矯正治療をしたら小顔になりますか?とご質問をいただくこともあります。全てのケースに当てはまるわけではありませんが、患者様のお顔の骨格によっては小顔効果を得られることもあります。どのような骨格なら小顔効果を得られる可能性があるのか以下で具体的にご説明いたします。
エラが張っている方の中には、噛み締めた時に膨らむ「咬筋」という筋肉が発達していることでエラが目立ってしまっている方がいらっしゃいます。噛み合わせが悪いと噛み癖や奥歯への過剰な負荷がかかり、筋肉のバランスが崩れて咬筋が発達しすぎてしまうことがあります。矯正治療によって噛み合わせが整うと、筋肉への負担が軽減してエラの張りが改善され小顔効果が得られる可能性があります。ただし、筋肉ではなく骨格が原因でエラ張りが起きている場合は矯正治療で改善するのは難しいので、気になる方は担当の歯科医師に相談してみましょう。
親知らずが矯正治療の歯を並べるスペースの邪魔になっていたり他の歯を押していたりする場合は抜歯を行うことがあります。歯を抜歯するとその歯を支えていた骨はやがて吸収され痩せていきます。親知らずはフェイスラインに近いのでその部分の骨が痩せることでフェイスラインがスッキリする可能性があります。
出っ歯や口ゴボの方は前歯が前にでているせいで口元全体が前に突出してしまうので顔が大きい印象を与えやすいです。インビザライン矯正によって出っ歯や口ゴボが解消されると口元も引っ込むので、特に横顔がスッキリとした印象となり小顔になったように感じられます。
歯並びが悪いと噛み癖などでお顔周りの筋肉のバランスが崩れ、顔の歪みも強くでてしまう方がいらっしゃいます。インビザライン矯正で歯並びを整えることで噛み合わせがよくなることで筋肉のバランスも整うのでフェイスラインがすっきりします。歪みが整うとお顔の印象もかなり変わったように感じられることが多いです。
ここまでインビザライン矯正で得られる「痩せ」「小顔」についての効果をご説明してきましたが、それ以外にも期待できる健康効果がありますのでご紹介いたします。
噛み合わせに問題があると、奥歯でしっかり食べ物を噛めなかったり左右どちらかだけで噛む癖があったりするとお口周りの筋肉に不要な緊張を与えてしまいます。この筋肉は首や肩の筋肉とも密接に関わり合っているため、連動して頭痛や肩こりを起こしてしまうことがあります。矯正治療で噛み合わせをなおすと筋肉のバランスが整いこれらが改善する可能性もあります。しかし頭痛や肩こりは複雑な要因が絡み合って引き起こされていることも多いので矯正だけでの解決は難しい、と捉えておくことも大切です。
まずインビザライン矯正中はアライナーをつけている間は水以外飲食禁止であるため、間食やジュースを摂取する機会がかなり減ります。また装着時間を確保するためにはだらだら食べも控えなければなりませんので、お口の中が食べかすによって酸性となる時間も減らすことができます。これらの結果、食生活が改善されて虫歯や歯周病になりにくい習慣が身につきます。また歯並びが整うと今まで磨きにくかった部分にも歯ブラシが届きやすくなり歯磨きの精度が上がるので虫歯や歯周病のリスクを大きく減らすことができます。
この記事ではインビザライン と「痩せ」「健康」の関係についてご説明してきました。歯並びがなおるだけでなく、他の健康効果もあるのであればインビザライン をやってみようかな…と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、今までの生活習慣によって期待できる健康効果は異なります。インビザラインをはじめたら歯並び以外にどんなメリットが出る可能性があるのか話だけでも聞いてみたい、という方はぜひMeLoSにご相談ください。専門のスタッフが患者様のお話を詳しくお聞きし、ご質問にお答えいたします。