インビザライン中もOKな飲み物・NGな飲み物一覧。よくある勘違いも
2025年8月29日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

インビザラインとは、少しずつ形の違う透明のマウスピース(これをアライナーと呼びます)を周期的に交換していくことで理想の歯並びに近づけていく矯正方法です。目立ちにくく、違和感も少ないため近年人気を集めている歯列矯正治療の方法です。またアライナーをつけたり外したりを患者様自身で行っていただけるため大変自由度が高いです。ではアライナーをつけている間はどんな飲み物を飲んでもOKなのでしょうか。この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。

 

インビザラインを付けたまま飲んで良い飲み物

インビザラインのアライナーはつけていることが極力わかりにくくするため、特殊加工された透明のプラスチック素材でできています。アライナーをつけたまま飲み物を飲むと当然その飲み物はアライナーにも触れますし、外してうがいをしない限り歯とアライナーの間に留まり続けます。飲み物の色はアライナーに着色し、飲み物の糖分は虫歯の原因となります。そのため、アライナーをつけた状態で飲んでいいものは、色のついていないもの、糖の入っていないもの、そして極端に温度が高くないものに限られます。

具体的には

・水

・白湯

(・糖分の一切入っていない炭酸水)

になります。これらはアライナーをつけたまま飲んでも問題は起きません。

 

インビザライン付けたまま飲んではいけない飲み物

インビザラインは比較的自由度の高い矯正治療ですが、アライナーをつけている時に口にできるものには色々と制限があります。具体的な例となぜ飲んではいけないのかの理由も合わせてご説明していきます。

 

甘い飲み物

アライナーをつけた状態でジュースなどの甘い飲み物は飲んではいけません。アライナーをつけた状態で飲み物を口にするとアライナーと歯の間に飲み物がとどまります。甘い飲み物は糖分をたくさん含んでいるため、糖分がアライナーの中に停滞し、虫歯の原因となります。運動中や熱中症対策によく使われるスポーツドリンクも大量の糖分に加えてクエン酸などの酸性物質も加えられています。これらは両方とも虫歯の原因となります。汗をかいた際の水分補給は水で行う習慣をつけ、甘い飲み物を飲むときはアライナーを外して飲みましょう。飲んだ後は歯磨き、できなければ水で口を濯いでからアライナーをつけるようにしましょう。

 

色のついた飲み物

ワインやお茶、コーヒーのような色の濃い飲み物もアライナーをつけたまま飲むことは推奨されません。これらに含まれている色素は飲むときに当然アライナーにも触れます。アライナーは特殊な加工はされていますがプラスチック製のためそれらの色素を吸着してしまいます。色素を吸着したアライナーが矯正治療の歯の動きに悪影響を及ぼすことはありませんが、インビザラインは目立ちにくい装置であることが最大のメリットですのでせっかくの透明な装置が台無しになってしまいます。また色の濃い飲み物がアライナーの中に滞留することで歯も着色してしまいます。歯とアライナーをきれいに保つためにこれらの飲み物はつけたまま飲まないようにしましょう。

 

熱い飲み物

インビザラインのアライナーはプラスチック製です。変形しにくいように特殊な加工はされていますが高温に晒されると変形を起こしてしまいます。上にあげたような色素や糖分などを含んでいなくても、高温の飲み物はアライナーをつけたまま飲まないように気をつけましょう。変形したアライナーは再発注して届くのに時間がかかりますし、場合によっては追加料金がかかってしまうことがあります。

 

カフェインを含む飲み物

コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物は、インビザライン装着中に飲むのは避けた方が無難です。これらは着色の原因になりやすく、アライナーが変色するリスクがあります。

 

また、熱い飲み物はアライナーを変形させる可能性もあるため注意が必要です。飲みたい場合は、装置を外してから飲み、必ず歯磨きまたは口をゆすいでから再装着しましょう。

 

アルコールが含まれる飲み物

ビールやワイン、チューハイなどアルコールを含む飲み物も、装着中には避けるべきです。これらの飲み物には糖分や酸が含まれていることが多く、虫歯や歯の酸蝕のリスクが高まります。

 

また赤ワインは特に着色しやすく、アライナーが変色する原因になります。飲酒時は必ずアライナーを外し、飲んだあとは歯磨きやうがいをしてから装着しましょう。

 

この飲み物はインビザライン中に飲んでも良い?

飲み物別にアライナーをつけたまま飲んではいけない理由をご説明いたします。

 

お茶

お茶は糖分を含んでいないので、アライナーをつけたまま飲んでも虫歯や歯周病になることはありません。しかしポリフェノールが含まれているため、着色する原因となります。アライナーをつけたまま飲むとアライナーと歯の間にお茶が入り込んで滞留し、アライナーと歯の両方に着色してしまいます。お茶の中でもウーロン茶や緑茶、紅茶はポリフェノールが多く着色がつきやすいです。

 

それに比べてそば茶やほうじ茶、麦茶はポリフェノールが比較的少ないので着色しづらいとされています。アライナーを外していても歯に着色は起こるため、着色が気になる方は普段からこれらを意識しておくといいかもしれません。

 

無糖の紅茶

無糖の紅茶は砂糖が含まれていないため一見安全に思えますが、インビザライン装着中に飲むのはおすすめできません。紅茶にはポリフェノールが含まれており、アライナーが着色する原因になります。

 

また、熱い紅茶は装置の変形につながるリスクもあります。どうしても飲みたい場合は、装置を外してから飲み、歯磨きやうがいをしてから再装着するようにしましょう。

 

コーヒー

コーヒーはブラックで飲めば糖分は含まれていないので虫歯の原因にはなりませんが、非常に色素が濃いので着色の原因となってしまいます。コーヒーを飲むことでアライナーのみならず歯も茶色く着色してしまい不衛生な印象を与えてしまうことになります。当然、お砂糖やミルクを加えて飲めば着色だけでなく虫歯を引き起こす原因にもなります。コーヒーを飲む際はアライナーを外してから飲み、歯磨きをしてからアライナーを付けましょう。仕事中にコーヒーを飲みながら作業をする習慣がある方はアライナーを外している時間が長くなってしまわないように注意が必要です。

 

スポーツドリンク

スポーツドリンクは運動中の水分補給に使われることも多いですが、実は非常に多くの糖分を含んでいる飲み物です。また、クエン酸やアミノ酸のような酸性の物質が加えられている製品も多いので、これらがさらに歯を溶かしやすい環境を作り出します。運動中の水分補給は基本的に水で行い、スポーツドリンクを飲むときはアライナーを外して飲むようにしましょう。もちろん飲んだ後は口を濯いだり歯磨きをしてからアライナーをつけるのがお約束です。

 

エナジードリンク

エナジードリンクは糖分や酸が多く含まれており、インビザライン装着中に飲むと虫歯や酸蝕のリスクが非常に高まります。さらに、着色料を含む商品もあり、アライナーの変色の原因になることもあります。飲む場合は必ず装置を外し、装置を外して飲んだあとは、最低でも口をすすいでから再装着するようにしましょう。

 

無糖のサワー

コンビニなどで売っている甘い缶チューハイなどは砂糖が含まれているのでもちろんアライナーをつけたまま飲むことはできません。

また、

・ビール

・日本酒

・カクテル

・ワイン

は一見糖分が含まれていないように感じるものもありますが、もともと糖分が含まれていたり、発酵の過程で糖分に分解されるものが含まれていたりするため注意が必要です。ウイスキーや麦焼酎は糖分は含まれていないため虫歯をつくる原因にはなりませんが、アルコールにより血流がよくなり痛みが発生しやすくなるリスクがあるため多量の摂取はすすめられません。またこちらに関してはアライナーを外していても起こる可能性があります。

 

炭酸水

炭酸水は無糖で色のついていないものをたまに飲む程度であれば過度に避ける必要はありませんが、厳密にはpH4〜5の酸性の飲み物です。糖や色素を含んでいないからと言ってアライナーをつけているときに常飲していると、アライナーと歯の間に滞留した炭酸水が歯を溶かし虫歯になりやすくなったりしみやすくなったりします。そのため、無糖の炭酸水もたまに飲む程度にしておいた方が無難と言えるでしょう。また、近年増えているフレーバー炭酸水は糖が含まれていることも多いので注意しましょう。

 

インビザラインを付けたまま水以外を飲まなければいけない場合

インビザラインは治療期間が長いため、出先でアライナーを外すことが出来ずどうしてもアライナーをつけたまま水以外を飲まなければならない状況が発生するかもしれません。ご自身で飲み物をえらぶことができる場合は、上でご説明したリスクができるだけ少ないものを選ぶ必要があります。優先して避けたいのは糖分と温度です。ご自身で飲み物を選ぶことができる状況であれば糖分の含まれていない飲み物を選ぶようにしましょう。熱いコーヒーやお茶を飲まなければならない時は少し冷ましてから飲むと変形のリスクをさげることができます。どの飲み物を飲んだ場合でも、飲んだ後なるべく早くアライナーを外し、歯とアライナーの両方を綺麗にすることが大切です。すぐに歯磨きができなくても、お水を最後に飲んだり、ゆすいだりするだけでもリスクを下げることができます。

 

インビザライン装着中でもストローを使って飲めば大丈夫って本当?

アライナーを装着していても、ストローを使えば大丈夫なのでは?と考える方も多いかと思います。たしかに、直接口に含んで飲むよりストローを使って飲む方が歯やアライナーと飲み物との接触面積を少なくすることができ、虫歯や着色のリスクをさげることができます。しかし完全にゼロにすることができるわけではないので、ストローを使った場合も飲んだ後できるだけ早くお口とアライナーを清潔にして保つことが必要です。

 

インビザライン装着中の飲み物が限られている理由

アライナーをつけている時の飲み物はなぜ水や白湯に限定されているのでしょうか。その理由についてご説明いたします。

虫歯や歯周病の原因になり、治療が遅れる

アライナー装着中の飲み物が限られている理由のひとつに「虫歯や歯周病の原因になる」があります。糖分を含んだ飲み物をアライナー装着中に飲むと、飲み物が滞留し虫歯や歯周病の原因となります。インビザラインは歯の形をスキャンして患者様の歯の形にぴったりあったアライナーを作製して治療をおこないます。そのため治療途中で虫歯や歯周病になって歯の形がかわったり歯を失ったりすると、虫歯や歯周病の治療期間が加わる上にインビザラインの治療計画も新しく立て直し、アライナーを再度作り直す必要もでてきます。そうなると最終的なゴールが大幅に遠ざかってしまいます。

 

マウスピースに着色する

2つめの理由に、「アライナーに着色してしまう」があります。アライナーはプラスチック製ですのでお茶やワインのような飲み物に含まれた濃い色素を吸着し、着色してしまいます。着色してしまったアライナーはどんなに磨いても元の色に戻すことは困難ですし、着色したからといって気軽に作り変えることはできません。せっかく透明で目立ちにくいアライナーが着色によって汚い見た目になってしまっては台無しです。インビザライン治療のメリットをしっかり活用することができるよう、装着中の飲み物には気をつけましょう。 

 

マウスピースが変形・破損する

3つ目の理由に、「アライナー(マウスピース)の変形・破損」があります。アライナーはプラスチック製ですので高温にさらされると変形を起こしてしまいます。公式のサイトでは40度以上で15分以上の温水にさらされると変形する可能性があるとされています。通常ホットの飲み物は60度以上になっているものが多いのでこれらを飲む時には注意が必要です。アライナーが変形したり破損したりするとアライナーを作り直さなければならず、治療期間が伸びるだけでなく医院によっては追加の費用がかかることもあります。

 

インビザラインを付けたまま水以外の飲み物を飲んでしまったらどうする?

万が一、インビザラインを装着したまま水以外の飲み物を飲んでしまった場合は、できるだけ早く対処することが大切です。まずはマウスピースを外し、口をよくすすぎましょう。その後、歯磨きが可能であれば歯とアライナーを丁寧に清掃してください。その際、歯は歯磨き粉を使用すると効果的ですが、アライナーの清掃には歯磨き粉は使わないようにしましょう。

 

ブラシで軽く擦るか、指でこすり洗いをしましょう。糖分や着色成分が残ると虫歯や着色、歯周病のリスクが高まります。可能であればアライナー用の洗浄剤に少しつけ置きするのも良いでしょう。放置せず、なるべく早めに清潔な状態に戻すことで、口内トラブルの予防につながります。

 

インビザライン治療中に、人前で飲み物を飲む際の注意点

インビザライン矯正中は、装着時間を守りつつも、食事や飲み物のタイミングには工夫が必要です。とくに外出先や人前では、マナーや衛生面の両方に注意を払うことが重要です。以下で、人前での飲み物に関する対応とマナーを項目ごとに解説します。

 

インビザラインを外す際のマナー

人前でインビザラインのアライナーを外す際には、見た目や衛生への配慮が求められます。周囲に不快感を与えないよう、以下の点に気をつけましょう。

 

人前でインビザラインを外さない

インビザラインのアライナーを外す動作は、唾液が絡んだり、やや手間がかかるため、食事の場などで見られると不快に思う人もいます。清潔感やマナーを考慮し、できる限りトイレや洗面スペースなど、周囲の目が気にならない場所で外すようにしましょう。仕事中や会食時などは特に注意が必要です

 

外したインビザラインは人前に置かない

外したインビザラインのアライナーを無造作にテーブルの上に置いたり、ティッシュにくるんで放置したりするのはNGです。不衛生な印象を与えるだけでなく、ゴミと勘違いして誤って捨てられる危険もあります。必ず専用のケースに入れて保管し、カバンの中に入れるなど目立たないようにしましょう。

 

インビザラインを外した後、紛失しないための工夫

インビザラインのアライナーは薄く透明なため、外した状態での紛失リスクが高いです。うっかり落としたり、捨ててしまったりしないよう、以下のような工夫をしておきましょう。

 

インビザラインケースを持ち歩く

外出時は必ず専用ケースを持参しましょう。コンパクトな携帯用ケースも販売されており、ポーチやカバンに入れておくと安心です。ティッシュや紙ナプキンに包んでおくと、席を立つ時に忘れたり、誤ってゴミと一緒に捨てられるリスクがあるため避けましょう。

 

念のため、予備のインビザラインも持ち歩く

トラブルや紛失に備えて、可能であれば1つ前のステージのアライナーを持ち歩いておくと安心です。万が一、現在のマウスピースをなくしてしまった場合も、一時的に前のアライナーを装着することで矯正の大きな後戻りを防げます。ただし、その場合は事情をすぐに歯科へ相談し、新たなアライナーを発注してもらいましょう。

 

インビザラインを再装着する前のルール

飲み物を飲んだ後や食事の後にアライナーを再装着する際には、口腔内の清潔さとアライナーの衛生を守るため、次のポイントを必ず守りましょう。

 

必ず歯を磨く

食事後や水以外の飲み物を摂取した後は、歯を磨いてからアライナーを装着しましょう。口内に食べかすや糖分などが残ったまま装着すると、アライナーが汚れのフタの役割をしてしまい虫歯のリスクが急上昇します。すぐに歯磨きができない場合は水で口をゆすぐなどして装着し、ケアできる状態になったら早めに対処するようにしましょう。外出先での飲食を想定し、携帯用の歯ブラシや歯磨きセットを常に持ち歩くのがおすすめです。また、歯磨きシートは手洗い場がなくても最低限のケアができ、便利です。

 

インビザラインを洗う

口の中だけでなく、アライナー自体も清潔に保つことが大切です。充分な歯磨きができないまま装着し、アライナーに飲み物の成分が付着している場合は、流水でしっかり洗い流しましょう。熱湯で消毒を考える方もいますが、高音は変形の原因になるため使用しないよう注意が必要です。定期的に専用の洗浄剤で除菌・洗浄するのも効果的です。

 

インビザライン中の飲み物に対するご不安はぜひMeLoSにご相談ください。

ここまでインビザラインのアライナー装着中に飲んでもいいもの、だめなものについて理由とともにご説明してきました。しかし仕事などの理由で完全に守ることができない方もいらっしゃると思います。MeLoSではNGとされている飲み物に対しての対処法をもっと詳しく聞きたいなどの疑問にオンラインでお答えしたり、場合によってはインビザライン以外の治療方法との併用のご提案もさせていただくことが可能です。

 

経験豊富な専門のスタッフのカウンセリングをご希望される方はぜひ一度MeLoSにお問い合わせください。

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