インビザラインはつらい?つらい原因と対処法9つを歯科医師が教えます
2023年4月26日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

矯正治療には興味があるけれど「インビザラインはつらい!」と漠然としたイメージを持っている方、多いのではないでしょうか。「インビザラインをやりたいが、つらいのではないかと不安に思っている」「インビザラインの何がつらいのか、事前に知りたい」インビザラインのつらさを乗り越える方法を知りたい」この記事はそんなお悩みをお持ちの方に参考にしていただけます。

インビザラインがつらいって本当?

インビザラインがつらい!と聞いたことはあるけれどそれって本当なの?実際にインビザラインで矯正治療をしている方々がつらいと感じたポイントを具体的にご説明します。

気軽に飲食できなくてつらい

インビザラインは”アライナー”と呼ばれる専用のマウスピースを1日に食事以外の時間、常に(1日22時間を推奨)装着して歯を動かしていく治療法です。そして装着中は虫歯や着色を防ぐため基本的には水以外のものを飲食することは控えていただくことになります。そのため、今まで気軽に取っていた間食や仕事中のお茶やコーヒー、ジュースなどは難しくなります。

 

痛み・違和感がつらい

インビザラインは形が少しずつ違うアライナーを1週間ごとに交換していくことで歯を動かしていきます。ワイヤー矯正より痛みや違和感が少ないとされているインビザライン治療ですが、矯正治療開始直後やマウスピースの交換直後は違和感や痛みを感じることが多くなります。

 

取り外しが面倒でつらい

食事をするときは必ず外していただくことになります。アライナーはお口の中の型取りをして作る、歯にぴったりと沿ったものです。そのため治療開始直後の慣れないうちはアライナーを取り外しする時に思うようにスムーズに外せず、面倒に感じることもあります。

 

喋りにくくてつらい

お口全体の歯並びを安全に確実に治してくためにはしっかり時間をかけて治療を行うことも大切です。個人差はありますが平均して1.5年程度アライナーをつけて生活していただくことになります。

 

装着時間が長くてつらい

インビザラインは1日22時間以上の装着が推奨されており、外せる自由さがある反面「意識的に管理する負担」があります。装着を忘れると治療効果が出にくくなるため、自己管理が重要です

食事や歯磨き以外の時間は常に装着する必要があり、最初は煩わしさを感じることもあります。慣れないうちは、装着時間を充分にとれているか確認するためにスマホのアプリなどで管理することもおすすめです。

 

インビザラインはなぜ22時間の装着が必要?

インビザラインに代表されるマウスピース型矯正は、現在の歯並びと少しずれたマウスピースを装着することで歯に持続的に力をかけ、徐々に動かしていく仕組みをとっています。そのため装着していない時間は歯に全く力がかからず、動かすことができません。

 

また、外している時間が長いと。予定通り動かないだけでなく思わぬ方向に後戻りを起こしてしまうこともあります。22時間という長時間の装着は、歯の動きを安定させるために必要不可欠で、守れないと治療期間が延びる・効果が出にくくなる可能性があります。

 

治療期間が長くてつらい

インビザラインの治療期間は、軽度の歯並びでも半年以上、一般的には2年前後かかることが多くあります。長期にわたる治療の中で、途中でモチベーションが下がってしまう方も少なくありません。

 

特に奥歯をたくさん動かす治療計画では治療期間が長くなりやすいです。また、不十分な装着時間や不適切な装着方法によるアンフィット(マウスピースと歯のフィットが悪くなること)もマウスピースの再製作となり、治療期間の延長に繋がります。

 

歯の動きが実感できなくてつらい

矯正はゆっくりと歯を動かす治療のため、日々の変化を感じにくいことがあります。「本当に効果があるの?」と不安になることもあるでしょう。一般的に、前歯を動かしている間は変化を感じやすいですが、奥歯を動かしているあいだはご自身で変化を感じにくくモチベーションを保ちづらくなる方もいらっしゃいます。

 

虫歯ができてつらい

マウスピースを長時間装着することで、口内の乾燥が進み唾液の循環が滞ることで、細菌が繁殖しやすくなります。また、食後すぐに歯磨きをせずに装着してしまうと、食べ物のカスが歯とマウスピースの間に密閉される形となり、虫歯や歯周病が進みやすくなります。

 

虫歯になってしまうと虫歯治療が優先されて矯正治療が中断されることもあるため、治療期間の延長にも繋がります。場合によってはマウスピースの再製作となり費用の追加になることもあります。

 

口臭が悪化してつらい

マウスピースを装着しているとお口が開きやすいため乾燥が進みやすく細菌が繁殖しやすくなります。また、マウスピース内に汚れがたまっている場合も、唾液が循環しにくいことで細菌の繁殖が活発になりやすく、強い口臭の原因になることがあります。特に、歯磨きやマウスピースの洗浄が不十分だと、口臭が気になりやすくなります。

 

インビザラインがつらいときの対処法

では上で挙げた「つらい!」にはどのような対処法があるのかMeLoSがおすすめする対処法をご紹介します。

気軽に飲食できなくてつらいときの対処法

もともと間食や水以外のものを飲みながら作業をする習慣がある方にとっては気軽に飲食できなくなるのはつらいかもしれません。ですがこれらを控えることによって治療がスムーズに進むだけではなく虫歯や着色の予防にもなると前向きに考えてみましょう。また厳しく制限するのではなく、「週に1度は間食OKにする」など条件を決めて取り組むことも有効です。矯正治療をきっかけにメリハリをつけた食習慣を取り入れてみましょう。

 

痛み・違和感がつらいときの対処法

痛みや違和感が強く感じられるのは新しいマウスピースをはめて初めの2,3日であることがほとんどです。その期間は歯に強い力がかからないような柔らかく食べやすい食材を食事に取り入れるなどして乗り切りましょう。歯が動いてきれいになっていくと痛みや違和感もかなり少なくなってきます。

 

取り外しが面倒でつらいときの対処法

矯正治療開始直後は慣れず、鏡をみながらでないとアライナーの取り外しができなくても2.3日使っているうちにほとんどの方が鏡を使わずに簡単に外せるようになります。またどうしても外すのが苦手な方のために取り外し専用のピックもあります。

 

喋りにくくてつらいときの対処法

本人は滑舌が悪くなって喋りにくいと感じていても、周囲はそう感じていないことも多くあります。どうしても気になる場合は家族や友人にアライナーの有無の違いを確認してもらうのもいいでしょう。また舌やお口周りの筋肉も徐々に順応していきますので喋りにくいからといって外したり喋るのを控えたりするのではなく、つけた状態で喋る練習をしていきましょう。

 

装着時間が長くてつらいときの対処法

インビザラインを1日22時間以上装着するのは、慣れるまで確かに大変です。対処法としては、まず「食事・歯磨き以外は着ける」とルールを決め、時間管理アプリやスマートウォッチのアラームを使って装着時間を可視化することが効果的です。外していた時間に気づきやすくなり、自然と着けている時間が増えていきます。特に初期の数週間は意識して管理を徹底しましょう。

 

また、装着のしやすさや違和感の少なさを実感できるようになると、ストレスも軽減します。習慣化されれば「着けるのが当たり前」と感じるようになり、気持ちが楽になります。

 

治療期間が長くてつらいときの対処法

まずはできるだけアライナーをつける時間を長くしましょう。モチベーションが下がってつける時間が短くなってしまうとどんどん治療期間が伸びてしまいます。また、追加オプションにはなりますが光加速装置を使用して通常より早いペースでアライナーを交換していくことも可能です。

 

歯の動きが実感できなくてつらいときの対処法

治療を続けているのに歯の動きが感じられないと、「このままで本当に効果があるの?」と不安になる方もいます。そんなときは、定期的に口元や歯並びの写真を撮り、過去と比較してみるのがおすすめです。1カ月前と比べるだけでも、小さな変化が確認でき、自信につながります。

 

医院によっては来院時定期的に歯列を光学スキャンし、モニター上で変化を確認できるところもあります。少しずつでも確実に歯が動いていることを信じて、焦らず継続することが大切です。また、マウスピースの番号が進んでいること自体が、歯が動いている証拠でもあります。治療経過を記録として残すと、自分の頑張りを実感しやすくなります。

 

途中で歯科医に確認してもらい、今はそこの歯がどのように動いているのかを説明してもらうのも安心材料になりますので、つらいと感じたらまずは歯科医師に相談しましょう。

 

虫歯ができてつらいときの対処法

虫歯になってしまった場合は、まず速やかに歯科医院で治療を受けましょう。治療の影響でインビザラインの装着が一時中断することもありますが、早期に対応すれば大きな問題にはなりません。今後の虫歯リスクを減らすためには、食後すぐの歯磨きを習慣化し、マウスピースを装着する前に口腔内を清潔に保つことが何より大切です。

 

さらに、フッ素入りの歯みがき粉や、歯間ブラシ・フロスを取り入れた丁寧なケアで再発を予防しましょう。ご自身のケアに不安がある方は口腔衛生のプロである衛生士に相談して歯磨き指導を受けるのもあおすすめです。定期検診では歯科医師のチェックにより虫歯の兆候を早期に発見してもらうこともできます。できてしまった虫歯はきちんと治療し、新たな虫歯を作らないように務めることが大切です。

 

口臭が悪化してつらいときの対処法

インビザライン中はマウスピース内が密閉状態になるため、口臭が気になりやすくなります。原因の多くは、マウスピースの汚れや口内の清掃不足です。毎回の装着前には水洗いを行い、口臭の気になる方は1日1回専用の洗浄剤で除菌しましょう。歯磨きも、舌ブラシやフロスを使って丁寧にケアし、食べかすや舌苔を残さないようにします。

 

また、唾液の分泌が少ないと口臭が強くなりやすいため、水分補給や軽い咀嚼を意識してみてください。これらを習慣にすることで、口臭の予防・改善につながり、快適に治療を進められます。

 

インビザラインがつらいときに、してはいけないこと

インビザラインがつらいからといって、絶対にしてはいけないことが2つあります。なぜしてはいけないのか、も合わせてご説明していきます。

インビザラインを付けたまま飲食してしまう

絶対に避けていただきたいことのひとつ目はインビザラインのアライナーをつけたまま飲食をすることです。理由としては以下のことが挙げられます。

 

矯正装置の変形や破損につながる

インビザラインは薄くて柔軟な素材でできているため、熱や強い咀嚼によって変形や破損を起こすことがあります。特に、熱い飲み物や硬い食べ物を装着したまま口にすると、マウスピースが歪み、正しく歯にフィットしなくなる恐れがあります。装置の精度が落ちると、治療の計画が狂ってしまうこともあるため、飲食の際は必ず取り外すようにしましょう。

 

矯正装置が変色してしまう

透明で目立ちにくいのがインビザラインのメリットですが、色の濃い飲み物や食べ物によって装置が着色してしまうことがあります。コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどは特に注意が必要です。装置が変色すると見た目が悪くなるだけでなく、口元の清潔感にも影響します。美しさを保つためにも、飲食前には取り外す習慣を身につけましょう。

 

虫歯になるリスクが高まる

インビザラインを装着したまま飲食すると、食べかすや糖分がマウスピースの内側に閉じ込められ、虫歯や歯周病のリスクが大幅に高まります。マウスピースは唾液の流れも妨げるため、口内の自浄作用が弱まり、細菌が繁殖しやすい環境になります。健康な歯を守るためにも、必ず食後に歯磨きをしてから再装着することを徹底しましょう。

 

インビザラインの装着時間・交換時期を守らない

2つ目はインビザラインのアライナーの装着時間を守らないということです。アライナーの装着時間は1日22時間以上を推奨されていますが、これを守らないと以下のようなことが起きてしまいます。

 

治療期間が延びてしまう

インビザラインはアライナーによって歯に継続的に力をかけることで歯を動かしていきます。当然、アライナーをつけていない時間は歯は動いていきません。それどころか後戻りを起こしてしまうこともあります。インビザラインの治療計画は装着時間をきちんと守って歯が動いてく前提で綿密な治療計画がたてられています。治療計画とズレが起きてしまうとその分、治療期間が長くなってしまいます。

 

矯正装置が合わなくなってしまう

アライナーの装着時間を守れないと歯が動いていきません。歯がしっかり動いていない状態で次のアライナーに交換してしまうと少しずつズレが生じてきて次第に合わなくなっていきます。合わなくなると治療計画の変更やアライナーの作り直しが必要となり治療期間が長くなります。

 

インビザラインが失敗に終わるリスクが高まる

装着時間を守れず、治療計画の変更やアライナーの作り直しを何度も繰り返していると治療期間が長くなってしまいます。その分来院回数や費用が増え、なにより歯並びの変化が感じられずモチベーションが下がってしまいます。目標としていた治療のゴールまで辿り着けず、失敗に終わるリスクが高まります。

関連記事:「インビザライン 22時間 無理」

 

インビザラインは最初つらくても、すぐ慣れる!

ここまでお読みになってインビザラインって結構つらそう、、、と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにつらいと感じるポイントもいくつかありますがほとんどはすぐに慣れてしまいます。

 矯正治療開始から1週間ほどで装置の操作や喋りづらさには慣れてきます。また1ヶ月ほどで食習慣にも慣れてくる方が多いです。痛みに関しても矯正治療が進むにつれて軽減されていきます。

 

インビザラインがつらいときは、歯並びが良くなった未来を想像しよう

矯正治療はどうしても年単位の治療期間や痛み違和感など不便さが伴います。開始した直後はやる気があっても段々嫌になってしまうことも。そんなときは治療が終了してきれいな歯並びになったところを想像してモチベーションをあげて乗り切りましょう!治療開始前にシミュレーションを行った際の画像を保存しておくとゴールを意識しやすいでしょう。また、来院時に現在の進捗状況を見せてもらうと今までの頑張りがわかりやすくて前向きに治療に取り組めるようになるでしょう。

20代女性の歯列矯正

 

どうしてもインビザラインがつらい場合に考えられる原因

インビザラインは多くの方にとって快適な矯正方法ですが、どうしても「つらい」と感じ続けてしまう場合、単に装着の不慣れや本人の問題だけでなく、治療そのものに原因があるケースもあります。ここでは、考えられる2つの要因についてご紹介します。

 

歯科医師の技術が不足していた

インビザラインは見た目がシンプルな矯正方法ですが、実は精密な診断力と高度な治療計画が求められます。担当医がインビザラインに十分な経験や知識を持っていない場合、診断や調整、アタッチメントの設置などが適切でないことがあり、痛みや違和感が続いてしまう原因になることもあります。

 

インビザラインは誰が扱っても同じ結果になるわけではなく、豊富な症例経験を持つ歯科医師の診断と管理が不可欠です。

 

最初の治療計画に無理があった

治療開始時に立てた計画が、患者さんの歯や骨の状態に合っていないと、歯が計画通りに動かずに過度な負担がかかったり、予想以上に時間がかかったりする場合があります。また、一度に動かす距離が大きすぎる設計になっていると、強い痛みを感じたり歯や歯肉にダメージを受けやすくなります。

 

このようなときは、無理に治療を進めるのではなく再度治療計画を見直し、マウスピースの再作製(リファイメント)を検討することも重要です。

 

インビザラインがつらいのでは?と心配な方は…

この記事ではご相談の多いものについて説明してきました。しかし「やっぱり専門の先生に直接話を聞いて欲しい!」「他にもこんなことがつらいと聞いたけどどうなの?」など、心配なことを相談した上で矯正治療のカウンセリングを受けてみたい方はぜひ一度MeLoSへお気軽にご相談ください。

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