歯列矯正で人中が長くなることはない。長くなったと感じる原因を解説
2025年11月26日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

歯列矯正を検討している方の中には、「矯正で人中(鼻の下の部分)が長くなるのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。実際には、歯列矯正によって人中そのものが長くなることはありませんが、歯や口元の位置が変化することで、見た目の印象として「人中が長くなったように感じる」ことがあります。本記事では、人中が長く見える原因とその仕組み、そして矯正前に知っておきたい対策について、わかりやすく解説します。

 

そもそも人中とは

人中とは、鼻の下から上唇の間にある縦の溝のことを指します。顔の中心に位置しており、表情や口元の印象を左右する重要なパーツのひとつです。笑ったり話したりするときの筋肉の動きにも関係しており、人中の長さや形によって顔全体のバランスや若々しさの印象が変わります。

 

美容の観点からは、人中が短いと顔が引き締まって若々しく見え、長いと落ち着いた印象を与えるといわれています。

 

人中の平均的な長さ

人中の長さは、性別や顔の骨格によって個人差がありますが、美容的な平均値は成人女性で約12~15mm程度、成人男性で約14〜18mm程度といわれていますがあくまでも美容的な値であって、長さには個人差が大きくあります。

 

鼻の形や唇の厚み、歯列の位置関係によっても見え方が変わるため、数値そのものよりも「顔全体のバランス」が重要です。歯列矯正を行うことで、唇や口元の位置がわずかに変化する場合がありますが、人中そのものの長さが物理的に伸びることはありません。

 

歯列矯正で人中が長くなる?

歯列矯正によって人中(鼻の下から上唇までの距離)が実際に伸びることはありません。人中の長さは、皮膚や筋肉、骨格の構造によって決まっており、矯正治療によって変化するものではないためです。

 

ただし、歯列矯正によって歯や唇の位置が変化した場合、口元全体が引っ張られたりたるんだりすることで「人中が長くなったように見える」ことがあります。これはあくまで見た目の印象の変化であり、実際に皮膚が伸びたわけではありません。

 

矯正の治療計画を立てる際に、口元のバランスや横顔のラインを考慮することで、人中が長く見える印象を防ぐことが可能です。

 

歯列矯正で人中が長くなったように感じる理由

矯正によって人中が伸びたように感じてしまう要因は様々ありますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。よく挙げられるものを以下でいくつかご紹介いたします。

 

歯並び改善による変化

歯列矯正によって歯並びが整うと、前歯の位置や傾きが変化します。特に出っ歯気味だった歯を後方に下げる治療を行った場合、唇の位置も自然と後ろに引かれるため、口元がややへこんで見えることがあります。

 

その結果、鼻の下から唇までの距離が以前より長くなったように感じてしまうのです。実際には人中そのものが伸びたわけではなく、唇が下がったことで人中の「見え方」が変化したに過ぎません。

 

また、矯正によって歯列が整うと、顔全体の印象がシャープになる一方で、以前より口元のボリュームが減ったように感じることもあります。これは矯正の自然な経過の一部であり、数ヶ月〜1年ほど経つと筋肉や表情が新しい歯並びに馴染み、違和感も少なくなります。

 

口周りの筋肉のバランスの変化

歯列矯正を行うと、歯や顎の位置だけでなく、それを支える筋肉のバランスにも変化が起こります。特に唇や頬、口輪筋と呼ばれる口の周囲の筋肉は、歯並びや噛み合わせの変化に敏感に反応します。

 

矯正によって口元が後退すると、これまで唇を支えていた歯の位置が変わり、唇のハリが少なく見えることがあります。その結果、人中が伸びたような印象になる場合があります。しかしこれは筋肉が新しい位置関係に慣れていない一時的な現象であり、時間の経過とともに自然に調整されます。

 

また、矯正治療中や直後はマウスピースやワイヤー装置の影響で、口元をうまく動かせないこともあり、表情の変化が強調されて見えることがあります。口周りのストレッチや発声運動などで筋肉を柔軟に保つと、見た目のバランスが整いやすくなります。

 

適切な抜歯をしなかったことによる影響

歯列矯正では、歯を並べるスペースが足りない場合に抜歯を行うことがあります。しかし、抜歯はいやだ、という思いを尊重した結果、歯を抜かずに無理に歯を並べると、歯列が外側に広がり、口を閉じたときに上唇が引っ張られて人中が長く見えるケースがあります。

 

これらの違和感を避けるためには、治療前に顔全体のバランスを考慮したシミュレーションを行い、抜歯の必要性を丁寧に判断することが大切です。抜歯の有無だけを検討材料にするのではなく、顔のバランス、口元の美しさ、お口の中の健康状態、をトータルで考え、信頼できる歯科医師のもとで適切な治療計画を立てることで、自然で美しい治療結果を得ることができます。

 

歯列矯正で人中が長くなったと感じる場合の対処法

 人中が長くなったように感じた場合、どのように対処すればいいのか、以下で対処法をご紹介いたします。人中の変化について不安になった場合は以下の対処法を参考にしてみてください。

 

歯列矯正後に「人中が長くなった気がする」と感じても、実際に皮膚が伸びたわけではなく、口元や唇の位置が変わったことによる見た目の印象の変化であることがほとんどです。そのため、まずは時間をかけて新しい顔のバランスに慣れることが大切です。

 

矯正治療後は、筋肉や皮膚が新しい歯の位置に順応するまで数ヶ月かかることがあります。その間に、口周りのストレッチや表情筋トレーニングを取り入れることで、筋肉の緊張またはたるみが緩和し、自然な口元に戻っていくケースも多いです。特に「口をすぼめる」「頬を持ち上げる」などの簡単な表情筋トレーニングは、唇まわりの血流を促し、引き締まった印象を保つのに効果的です。

 

どうしても気になる場合は歯科医師に相談する

それでも人中の見た目が気になる場合は、自己判断せず、必ず歯科医師に相談しましょう。矯正後の口元の印象は、歯の位置だけでなく、骨格や噛み合わせ、筋肉のバランスなど複数の要素が関係しています。専門の歯科医師であれば、レントゲンや顔貌写真をもとに、どの部分の変化が影響しているのかを分析できます。

 

場合によっては、マウスピースによる微調整やリテーナーの使用方法を工夫することで、口元の印象を改善できることもあります。また、美容面でのアプローチとして、リップトレーニングやヒアルロン酸注入などの選択肢を併用するケースもあります。

 

大切なのは「見た目の変化に感じた違和感を放置しない」ことです。違和感を一度感じるとどんどん気になるようになり不安感や不信感が募るようになりがちです。不安や違和感を感じたときは、早めに歯科医院へ相談し、自分に合った対処法を見つけることで、より満足度の高い仕上がりを目指せます。

 

歯列矯正で失敗しないためのポイント

 人中の変化も含め、矯正で失敗した、と後悔しないためのポイントを以下にご紹介しします。

 

事前のシミュレーションをしっかりと確認する

歯列矯正で後悔しないためには、治療前のシミュレーションを丁寧に確認することが欠かせません。最近では、3Dシミュレーションによって歯の動きや治療後の歯並び、横顔の変化までコンピュータで可視化できるシステムが導入されています。

 

これにより、「どの歯をどの方向に動かすのか」「抜歯の有無でどのように仕上がりが変わるのか」といった点を具体的に理解できます。ここでしっかり納得せずに治療を始めてしまうと、「思っていた仕上がりと違う」「口元の印象が変わりすぎた」と感じる原因になります。不明点や不安はその場で質問し、歯科医師と理想の仕上がりイメージを共有することが、成功の第一歩です。

 

リスクを正しく把握する

歯列矯正は見た目を整えるだけでなく、噛み合わせや健康面の改善にもつながる治療ですが、リスクがゼロというわけではありません。例えば、歯が動く過程で一時的に知覚過敏や歯ぐきが下がったり、まれに歯根吸収がみられるケースもあります。

 

また、装置を適切に使わないと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまうこともあります。リスクを理解していないまま進めると、思わぬトラブルに不安を感じやすくなるため、治療前に「どんな可能性があるか」を歯科医師から十分に説明を受けることが重要です。リスクを把握し、正しい知識を持った上で治療を受けることが、安心と納得のある結果につながります。

 

信頼できる歯科医院を選ぶ

矯正治療は、長期間にわたって歯を動かす繊細な治療です。そのため、経験豊富で信頼できる歯科医院を選ぶことが非常に大切です。特にマウスピース矯正の場合、歯科医師の治療計画によって結果が大きく異なります。症例数が多く、矯正専門の知識を持つ歯科医師であれば、歯列や骨格、噛み合わせのバランスを考慮した精度の高い治療計画を立てられます。

 

また、治療中のトラブルや見た目の違和感に対しても、適切に対応してもらえる安心感があります。公式サイトで症例写真を確認したり、口コミやカウンセリングで医院の雰囲気を知ることも大切です。信頼できる歯科医院を選ぶことが、矯正を成功へ導く最も確実な方法といえます。

 

歯科医師の指示を守る

どんなにいい矯正装置を選択したとしても、歯科医師の指示を守らなければ計画通りに歯は動きません。マウスピース矯正であれば1日22時間以上の装着が推奨され、ワイヤー矯正では食事やブラッシングの注意点を守ることが求められます。

 

また、通院間隔を守らずに調整が遅れたり、自己判断で装置を外したりすると、歯の移動が止まり治療が長引く原因になります。さらに、保定期間にリテーナーを怠ると後戻りが起きてしまうこともあります。矯正治療は治療期間が長いため、途中で自己判断を行ったり、モチベーションの低下が起こったりしやすいのも事実です。

 

しかし、それらは矯正治療失敗の元になります。こまめに歯科医師と連携をとりながら共に理想のゴールへと進んでいくことが大切です。不安なことや疑問点が出てきたらすぐに歯科医師の指示を仰ぐよう心がけましょう。

 

歯列矯正で人中が長くなるのではないかと不安な方は、MeLoSにご相談ください

「矯正で人中が長く見えるかもしれない」と不安を感じている方も、まずはMeLoSにご相談ください。専門のスタッフが、現在のお口の状態やお悩みを丁寧にお伺いし、口元全体のバランスを考慮した最適な治療方法をご提案いたします。

 

インビザライン矯正を専門的に行う提携クリニックとも連携しており、地域に合わせた医院のご紹介も可能です。治療前のカウンセリングでは、シミュレーションを通して仕上がりのイメージも確認できます。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にLINEからお問い合わせください。

 

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