「歯並びがガタガタで気になる……」「矯正したいけれど、どの方法がいいの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。歯並びの乱れ(叢生)は見た目の問題だけでなく、歯磨きがしづらく虫歯や歯周病のリスクが高まる原因にもなります。
本記事では、ガタガタの歯並びを矯正する方法や、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。ワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)など、ライフスタイルに合わせた治療法を紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください!
ガタガタの歯並びは、専門的には「叢生(そうせい)」と呼ばれる状態で、歯が適切な位置に並ばず、重なったり前後にずれたりしている状態を指します。主な原因として、顎の大きさに対して歯が大きく、十分なスペースが確保できない場合や、乳歯の抜けるタイミングが遅れて永久歯が正しく生えない場合などがあります。
叢生があると、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、噛み合わせが悪くなることで顎関節症の原因にもなることがあります。
また、見た目の問題としてコンプレックスを感じる方も多く、笑顔に自信が持てない要因になることもあります。ガタガタの歯並びは、矯正治療で改善することが可能ですので、適切な治療方法を知ることが大切です。
歯並びがガタガタになる主な原因は、顎の大きさと歯のバランスが合っていないことです。顎のサイズに対して永久歯のサイズが大きいと、生えるスペースが不足し、歯が重なり合って生えてしまいます。
顎の発達については先天的な場合も多いですが、近年では食生活の変化により幼少期によく噛んで食事を摂る機会が減り、顎が未発達であるというような後天的な原因も指摘されています。
また、乳歯の生え変わりが遅れたり、早く抜けたりすると、永久歯が正しい位置に生えにくくなることも原因の一つです。指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などの口腔習癖も、歯並びの乱れを引き起こす要因になります。
ガタガタの歯並び(叢生)があると、歯が重なり合った部分や隙間に歯ブラシが届きにくくなり、汚れが溜まりやすくなります。その結果、歯垢(プラーク)が蓄積し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯が重なって生えていると歯と歯の間が見えづらく、虫歯の発見が遅れます。
また、虫歯を発見しても綺麗に治療を行うことが難しく、やむなく妥協的な治療になってしまうことも少なくありません。また、歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けてしまい、最悪の場合、歯を失うことにもつながります。
歯周病や虫歯の一番の予防策は口腔衛生状態を良好に保つことです。虫歯も歯周病は初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行してしまうため、歯並びを整えて予防しやすい環境をつくることが大切です。
さらに、歯並びが悪いと噛み合わせに偏りが生じるため、一部の歯に負担がかかりやすくなります。その結果、歯がすり減ったり、欠けたりしやすくなります。長期的な歯の健康を守るためにも、整った歯並びは大切です。
ガタガタの歯並びは、口臭の原因にもなります。歯並びが悪いと、歯磨きやフロスでの清掃が不十分になりやすく、磨き残しが蓄積することで口臭が悪化します。
さらに、歯周病が進行すると、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)が深くなり、そこに細菌が増殖することで強い口臭を引き起こすこともあります。
歯並びは、第一印象や顔全体のバランスに大きな影響を与えます。ガタガタの歯並びが気になると、歯が見えるような笑顔を控えるようになったり、人前で話すことに自信を持てなくなったりすることがあります。
特に、前歯の乱れが目立つ場合は、写真や会話の際に口元を隠してしまう方も多いです。歯並びにコンプレックスを感じることで、積極的に人と関わることを避けるようになると、日常生活や仕事にも影響が出る可能性があります。
矯正治療を行うことで、口元の印象が整い、笑顔に自信が持てるようになります。また、理想的な噛み合わせになることで口周り顔周りの筋肉の使い方のバランスが取れるようになり、表情筋にも良い変化が得られることがあります。
歯並びが悪いと、噛み合わせのバランスが崩れ、顎や首、さらには全身の姿勢に影響を与えることがあります。噛みやすい片側の歯ばかりで噛む癖がつくと、顔の筋肉の発達に偏りが生じたり顔の歪みにつながり、最終的には顎のズレが首や肩に影響を及ぼし、肩こりや頭痛、腰痛などの症状を引き起こす可能性もあります。
長年乱れた歯並びで日常生活を送っていると慣れてしまって噛み合わせの悪さに不便を感じなくなってしまう方もいらっしゃいますが、噛み合わせの悪さは無意識に体のバランスを崩し、姿勢の歪みにつながることがあるため、注意が必要です。
ガタガタの歯並びによって噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかりと噛み砕くことが難しくなります。その結果、消化不良を引き起こし、胃腸への負担が増えることになります。消化は、食べ物をよく噛み、唾液としっかり混ざることでスムーズに行われるため、噛み砕きが不十分な状態で食べ物を飲み込むと、胃での消化に時間がかかり、胃もたれや腸内環境の悪化を招くことがあります。
また、噛む回数が少ないと、満腹中枢が刺激されにくくなり、過食の原因にもなります。しっかりと噛めないことで、食事のバランスが崩れたり、消化不良が続いたりすると、胃腸だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、歯並びを整えることは、消化機能の向上にもつながります。
ガタガタの歯並びを治療する方法として、インビザラインとワイヤー矯正があります。それぞれのメリット・デメリットや期間・費用をしっかり理解し、比較検討して治療方法を決定していくことが大切です。
マウスピース矯正は、透明な装置を使用するため、周囲に気づかれにくく、見た目を気にせず治療を進められます。また、食事や歯磨きの際に取り外しが可能なため、食事の制限がなく、口腔内を清潔に保ちやすい点も大きなメリットです。
さらに、ワイヤー矯正に比べて歯にかかる力が穏やかであり、金属を使用しないため金属アレルギーの方でも安心して装着できます。通院頻度は1.5〜3ヶ月に1回程度と少なく、忙しい方でも無理なく治療を続けられる点もメリットとして挙げられます。
マウスピース矯正には、治療を進めていくうえでいくつか約束事があり、デメリットだと感じる方もいらっしゃいます。約束事の中でも最も大切なのが1日22時間以上の装置装着です。
取り外しが可能で、新しいマウスピースへの交換も患者様自身でおこなうため、自己管理が求められます。また、すべての症例に対応できるわけではなく、重度の歯並びの乱れや抜歯が必要なケースでは適応が難しい場合があります。
さらに、ワイヤー矯正に比べて治療費が高くなる傾向があるため、費用面も考慮する必要があります。
マウスピース矯正の治療期間は、一般的に1年半から2年半程度とされています。軽度な症例であれば1年以内に治療が完了することもありますが、歯並びの状態が複雑な場合は、3年以上かかることもあります。
費用については、全体矯正の場合、おおよそ80万〜120万円が相場とされています。一方、部分矯正であれば、比較的費用を抑えられ、50万〜70万円程度で済むケースもあります。
ワイヤー矯正は、インビザラインでは対応が難しい重度の歯並びの乱れや抜歯が必要なケースでも治療が可能なため、幅広い症例に対応できます。ワイヤーの力を利用することで、計画的かつ確実に歯を動かせるのも大きな特徴です。
また、装置が固定されているため、マウスピース矯正のように装着時間を自己管理する必要がなく、治療計画が乱れにくい点もメリットのひとつです。
ワイヤー矯正は、金属のブラケットやワイヤーが口元で目立つため、見た目を気にする方には不向きです。また、ワイヤーの締め付けによる痛みや、装置が口内に当たることでできる口内炎、装置周りの歯磨きが難しさなどがデメリットとしてよく挙げられます。
さらに、治療を進めるためには月に1回程度の通院が必要となり、ワイヤーの調整を怠ると治療の進行が遅れます。
ワイヤー矯正の治療期間は、一般的に1年半から3年程度とされています。特に抜歯が必要なケースでは、さらに治療期間が長くなることもあります。
費用の相場はおおよそ70万〜100万円程度ですが、部分矯正の場合は比較的費用を抑えられ、30万〜50万円程度で済むケースもあります。
患者様は全体的な歯のがたつきを気にされてご来院されました。 抜歯・非抜歯両方の治療計画を比較検討し、口元の前突感もなかったため非抜歯(便宜抜歯なし)での治療となりました。
なお、親知らずは矯正開始前に抜歯しています。 患者様のコンプライアンスが良好で治療期間24ヶ月の予定でしたが18ヶ月で完了となりました。叢生は解消され口腔内衛生状態は良好です。動的治療のあとは後戻り防止のため保定装置へと移行しています。
期間:18ヶ月
費用:99万円(税込)
患者様は上下の歯のがたつきと突出感を気にされてご来院されました。抜歯・非抜歯両方の治療計画を比較検討し、非抜歯(便宜抜歯なし)での治療となりました。
追加アライナー5周(計6周)で37ヶ月というやや長めの治療期間となりましたが、叢生も解消され、噛み合わせも綺麗に整えることができました。
矯正治療時にスマイルアーキテクト(被せ物を含めてシミュレーションできるシステム)を使用し、矯正終了後に前歯部はジルコニアクラウンで修復しています。その後、保定装置へと移行しました。
期間:37ヶ月
費用:95万円(税込)
患者様は前歯のがたつきと八重歯を気にしてご来院されました。抜歯・非抜歯両方の治療計画を比較検討し、非抜歯(便宜抜歯なし)での治療となりました。
追加アライナー4周(計5周)で25ヶ月間、動的矯正治療を行い、保定装置への移行となりました。八重歯は適切な位置に動き、反対に噛み合わせていた前歯部分も正しい噛み合わせになっています。叢生が解消されたことで八重歯周辺の衛生状態も改善されています。
期間:25ヶ月
費用:77万円(税込)
「目立たない矯正で歯並びを整えたい」とお考えの方には、透明なマウスピース型矯正「インビザライン」がおすすめです。装置が目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際のストレスが少ないのが特徴です。
MeLoSでは、専門のスタッフが患者様のお口の状況を丁寧にお伺いし、ご相談に応じます。また、インビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にLINEよりお問い合わせください。