過蓋咬合(ディープバイト)はインビザラインで治療できる!期間・費用など
2025年2月28日 インビザライン

この記事を監修した人

MeLoS認定アライナー矯正教育担当講師。長崎大学歯学部卒業、東京医科歯科大学病院総合診療科にて研修後、複数の歯科医院で勤務しインビザライン矯正やインプラント、口腔外科分野を含む各種治療経験を豊富にもつ。歯科医師むけ専門書の翻訳なども行う。

過蓋咬合(ディープバイト)は、上の前歯が下の前歯を過剰に覆い隠してしまう噛み合わせです。放置すると、歯や顎関節に大きな負担がかかり、顎関節症や歯のすり減り、歯周病のリスクが高まる可能性があります。

 

インビザラインは、過蓋咬合の治療にも対応可能で、ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、取り外しができるため、日常生活に支障をきたしにくいのが特徴です。

 

本記事では、インビザラインで過蓋咬合を治療するメリット・デメリット、治療期間や費用について詳しく解説します。過蓋咬合を改善したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

過蓋咬合(ディープバイト)とは

過蓋咬合(ディープバイト)とは、上の前歯が下の前歯を通常より深く覆い隠している噛み合わせの不正を指します。

 

通常、上の前歯は下の前歯に2〜3mm程度重なるのが理想とされていますが、過蓋咬合の場合は4mm以上深く噛み込んでしまい、下の前歯がほとんど見えなくなる状態になることがあります。この状態を放置すると、下の前歯が上の前歯の裏側や歯茎に当たり、歯の摩耗や歯肉の損傷を引き起こす可能性があります。

 

また、噛み合わせのズレが原因で顎関節症のリスクが高まることもあり、適切な治療が必要です。過蓋咬合になる原因は歯や顎の状態による先天的なものと、日常生活における癖などで誘発される後天的なものがあります。

 

過蓋咬合(ディープバイト)になる原因

顎の位置や大きさ

過蓋咬合(ディープバイト)の主な原因の一つに、顎の位置や大きさのバランスが悪いことが挙げられます。

 

特に、上顎が下顎に対して前方に突出している場合や、下顎が小さく後退している場合、過蓋咬合が発生しやすくなります。下顎が後退していると、自然に上の前歯が下の前歯を深く覆う状態になり、噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。

 

また、顎の成長が不均衡だと、噛み合わせが深くなりやすく、顎関節に負担がかかりやすくなることもあります。このような骨格の問題は、遺伝的な要因が大きく関係することが多く、家族の中に過蓋咬合の人がいる場合、同じような噛み合わせの問題が出やすいといわれています。

 

成長期のうちに適切な矯正治療を受けることで、骨格の成長をコントロールしながら、過蓋咬合の進行を防ぐことが可能です。

歯の生える向き

歯の生え方も、過蓋咬合を引き起こす原因の一つです。上の前歯が前方に傾いていたり、下の前歯が後方に傾いていたりすると、前歯同士の噛み合わせが深くなりやすくなります。

 

また、歯の生えるスペースが不足している場合、歯が適切な位置に並びにくくなり、結果的に過蓋咬合が生じることもあります。

 

口腔習癖

過蓋咬合の原因には、子どもの頃の口腔習癖も大きく関係しています。特に、指しゃぶり、舌の押し出し癖、唇を噛む癖、頬杖をつく習慣などが、噛み合わせの乱れを引き起こすことがあります。

 

例えば、指しゃぶりを長期間続けると、上の前歯が前方に押し出され、下の前歯が内側に倒れ込み、下の前歯との噛み合わせが深くなることがあります。また、下唇を噛む癖がある方も同じような前歯の倒れ込みを起こしやすいです。

 

さらに、口呼吸の習慣があると、舌の位置が低くなり、正しい噛み合わせが形成されにくくなるため、過蓋咬合の原因となることもあります。こうした習癖は、意識して改善することが重要であり、場合によっては歯科医院でのトレーニングやマウスピースを使用した習癖改善が必要になることもあります。

奥歯の虫歯

過蓋咬合は、奥歯の高さが低くなることでも発生することがあります。特に、奥歯に虫歯ができて削られたり、抜歯後に適切な処置をせず放置したりすると、噛み合わせのバランスが崩れて、前歯の噛み込みが深くなることがあります。

 

奥歯は、噛み合わせ全体の高さを支える重要な役割を果たしています。奥歯が正常に機能していると、前歯の噛み合わせも適切に保たれますが、奥歯が欠損したり、すり減ったりすると、過蓋咬合が進行することがあります。

 

奥歯がない状態が長く続くと、歯が移動して噛み合わせが悪化する可能性が高いため、虫歯や抜歯後の適切な処置が重要です。必要に応じて、クラウンやブリッジ、インプラントなどを用いて噛み合わせを整えることが推奨されます。

過蓋咬合(ディープバイト)を放置するとどうなる?

過蓋咬合(ディープバイト)を放置すると口腔内に様々なトラブルを引き起こす可能性があります。以下で予想されるトラブルをご紹介します。

 

顎関節症のリスクが高まる

過蓋咬合(ディープバイト)を放置すると、顎関節への負担が増え、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。噛み合わせが深すぎると、下顎の動きが制限され、顎関節に無理な力がかかることが原因です。

 

顎関節に負担がかかると、口を開け閉めする際に「カクカク」と音が鳴ったり、顎がスムーズに動かなくなったりすることがあります。さらに症状が進行すると、顎の痛み、こわばり、頭痛、肩こりなどの不調が現れることもあります。

 

特に、長時間の会話や食事の際に痛みを感じるようになると、日常生活に支障をきたす可能性が高くなるため、早めの治療が必要です。

歯茎が傷つきやすくなる

重度の過蓋咬合では、下の前歯が上の前歯の裏側や歯茎に強く当たることが多く、その結果、歯茎が傷つきやすくなります。

 

特に、食事中や会話中に無意識に歯が接触することで、歯茎に圧力がかかり、炎症や腫れを引き起こす原因となります。歯茎が傷つくことで細菌が侵入しやすくなり、歯周病のリスクも高まります。

 

歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、最悪の場合、歯を失う可能性もあるため、過蓋咬合の早期治療が重要です。

見た目が気になる場合がある

過蓋咬合は、口元のバランスにも影響を及ぼし、見た目が気になる原因となることがあります。特に、下の前歯が上の前歯を強く突き上げる状態が続くと、上の歯が押されて出っ歯になり、口元が突出して見えたり、唇の形が不自然になることがあります。

 

また、過蓋咬合の影響で顎のラインが不均衡になり、フェイスラインに歪みが生じることもあります。噛み合わせが悪いと、左右の顔の筋肉の使い方が異なり、顔の非対称性が目立つようになるケースも少なくありません。

 

さらに、過蓋咬合はガミースマイルになりやすいです。ガミースマイルとは、笑ったときに上顎の歯茎が過剰に露出することです。ガミースマイルは歯茎が過剰に露出してしまうことで特に笑顔にコンプレックスを持つ方も多いでしょう。

発音がしづらくなる

過蓋咬合の影響で、下顎や舌の動きが制限されると、正しい発音がしづらくなることがあります。特定の発音が不明瞭になり、発音のクセが気になることもあります。

 

また、過蓋咬合の影響で空気の流れがうまく調整できず、息が漏れやすくなることがあります。これにより、滑舌が悪くなり、言葉が聞き取りにくくなることもあります。

 

歯への負担が大きくなる

通常、噛む力は前歯・奥歯全体に分散されるのが理想ですが、過蓋咬合では前歯が噛み合っておらず噛む力を前歯が受けることができないため、奥歯のみに過度な力がかかります。

 

奥歯に過度な負担がかかることで、歯の摩耗が進みやすく、すり減ったり欠けたりするリスクが高まります。強い力がかかり続けると歯の根が割れたり揺れてきたりすることもあります。これが進行すると、最終的には歯の喪失につながります。

 

また、すでに治療してある歯の被せ物や詰め物がとれたり壊れたりするリスクも高いため、過蓋咬合の治療は早めに行うことが重要です。

 

過蓋咬合(ディープバイト)はインビザラインで治療できる?

過蓋咬合(ディープバイト)は、インビザラインで治療が可能なケースが多いですが、その適応には条件があります。インビザラインは、歯を少しずつ動かしながら噛み合わせを調整するため、軽度から中等度の過蓋咬合には効果的とされています。

 

しかし、顎の骨格に大きな問題がある場合や、歯の位置だけでなく顎全体のずれが原因となっている場合は、ワイヤー矯正や外科矯正と併用する必要があることもあります。また、歯を動かす力をより効果的にするため、アタッチメント(歯に装着する小さな突起)や顎間ゴムを併用することが一般的です。

 

適切な治療方法を選ぶためには、矯正専門の歯科医師による診断が不可欠です。インビザラインで治療できるかどうかは、個々の歯並びや噛み合わせの状態によって異なるため、まずは歯科医院での相談をおすすめします。

 

過蓋咬合(ディープバイト)の治療にかかる期間・費用

過蓋咬合(ディープバイト)のインビザライン治療にかかる期間・費用をご説明します。

 

期間

過蓋咬合のインビザライン治療にかかる期間は、個々の症例によって異なりますが、一般的には2年~3年程度が目安です。軽度なケースであれば、1年ほどで改善が見込めることもありますが、歯の移動量が多い場合や噛み合わせの調整が必要な場合は、より長い期間を要します。

 

特に、抜歯を伴う治療では、歯の動きに時間がかかるため2年以上かかるケースが多いです。さらに、矯正完了後には保定期間(リテーナーを使用して歯の位置を固定する期間)があり、保定期間は少なくとも矯正治療で歯を動かしていた期間と同じだけ必要とされています。

 

治療期間を長引かせないためには、1日22時間以上のマウスピース装着を厳守し、歯科医師の指示に従ってアタッチメントやゴムかけの補助装置を適切に使用することが重要です。

費用

過蓋咬合のインビザライン治療にかかる費用は、症例の難易度や治療計画によって異なりますが、80万~120万円程度が相場とされています。軽度なケースでは、軽度の症例用のパッケージを適用できる場合があり、その場合は50万~70万円程度に抑えられることもあります。

 

ただし、抜歯が必要なケースや、治療中に追加のマウスピース(リファインメント)が必要になった場合は、これに追加費用が発生することもあるため、事前に歯科医院で治療計画や費用の設定をしっかり確認しておくことが大切です。

 

また、費用の支払い方法としては、分割払いやデンタルローンを利用できるクリニックも多いため、無理なく治療を進めるための選択肢として検討するのも良いでしょう。

 

インビザラインで過蓋咬合(ディープバイト)の治療を検討中の方は、MeLoSにご相談ください

過蓋咬合(ディープバイト)は、放置すると顎関節症や歯の摩耗、歯茎のダメージなどのリスクが高まる噛み合わせの問題です。インビザラインなら、ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、快適に矯正を進めることができます。

 

MeLoSでは、専門のスタッフが患者様のお口の状態を丁寧にお伺いし、ご相談に応じます。また、インビザライン矯正を受けられる提携クリニックのご紹介も可能です。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にLINEよりお問い合わせください。

 

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