症例

30代男性のCEREC修復

30代 男性

治療期間: 3ヶ月 8回

カテゴリー

担当医の処置方針

左上前歯が折れておりその歯の治療を希望されて来院されました。 過去に転倒した際に破折し、歯科医院を受診しており破折した歯は接着剤で固定し、根管治療を受けていらっしゃいました。 当院受診時には当該歯に根尖病変を認めたため根管治療からやり直す必要がありました。患者様と相談し根管治療は保険、補綴は自費で治療することとなりました。全顎的な歯周病の治療も並行して行いました。 前歯なので審美を優先してオールセラミッククラウンでの補綴を行いました。

治療後の口腔写真

Before

After

Before

After

Before

After

この症例に使用した装置と費用

セラミックを用いた虫歯治療
約 110,000 円(税込)

※備考
保険治療の費用は含んでおりません。

担当医師コメント

うえだ歯科クリニック

歯科医師 波戸本 亮

全顎的に口腔内の清掃状況が不良であったため一時的に仮歯に置き換え、改善されてから補綴を行いたかったが患者様の希望で清掃状況は不完全であったが最終修復装置を装着することとしました。補綴装置の形態や色調に関しても何度か相談し、決定しました。

セラミック治療・虫歯治療に伴う一般的なリスク・副作用

  • ■セラミック治療
  •  ①健康な歯を削る必要があります。セラミック歯は、少し多めに歯を削らなければなりません。陶材という性質上、破折などを免れるため、詰め物・被せ物に厚みを持たせる必要があります。削る量が多いからと言って、歯の長期安定性が低下するわけではありません。
    ②強い力がかかると割れたり欠けたりします。歯科用陶材であるセラミックは、とても硬い材料ですが、強い力がかかると割れる、あるいは欠けることがあります。天然歯とほぼ同じ強度です。
    ③保険が適用されません。セラミック治療には、健康保険が適用されません。そのため、銀歯など保険治療と比較すると費用は高くなります。
    ④歯ぎしり食いしばりで割れることがあります。歯ぎしりや食いしばりを日常的に行っている人も少なくありません。そうしたブラキシズムと呼ばれる悪習慣は、セラミック歯に過剰な圧力を加えることで、破折や脱離を招くことがあります。
    ⑤歯の神経を取らなければならないことがあります。セラミック歯は、ある程度の厚みを確保しなければならないため、歯を形成する過程で歯髄の露出が避けられないこともあります。そうしたケースでは、セラミック歯を被せる前に歯の神経の治療を行うことがあります。
    ⑥理想の色を出せないこともあります。歯の色は、個々人によって違いが見られます。また、色の見え方や価値観などにも個人差があるため、セラミック歯を理想の色に仕上げられないこともあります。また、残った歯の色調の変化や追加で行った被せ物の治療などによって、セラミック歯が逆に目立つようになることもあり得ます。
    ⑦セラミック歯の色に合わせてホワイトニングするのは難しいです。歯のホワイトニングを検討中の方は、セラミック歯を入れる前に施術することをおすすめします。ホワイトニング後の天然歯の色にセラミック歯の色調を近づけることは、比較的容易だからです。逆に、セラミック歯の色に合わせてホワイトニングすると、色の不調和が生じやすくなります。
  • ■虫歯治療
  •  ①削ったところから虫歯になりやすくなります。歯を削ると、削った部分には凹凸が出来、お口の中の細菌が付着しやすくなります。歯の凹凸の部分で虫歯菌が繁殖すると、その部分が虫歯になってしまい、周囲に広がっていきます。歯を削ることで、虫歯菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうことがあるのです。また、削った部分を保険適用の銀歯で詰めたり被せたりすると、銀歯を装着した部分と歯の間に隙間が出来やすくなり、何年か経過した後にそこから二次虫歯になってしまう方が多いです。
    ②痛みや知覚過敏のもとになることがあります。歯を一部分でも削り取ると、歯の表面が内部の神経に近づきます。神経に近くなると痛みを感じやすくなり、冷たい食べ物や飲み物が歯にしみる知覚過敏を起こしやすくなります。もし歯の神経に触れて激しい痛みが出る場合は、歯の神経を抜く治療が必要になることもあります。
    ③歯髄を取らなければいけない場合にリスクがあります。虫歯が進行して深くなり、歯の神経まで虫歯になっている場合は、神経を抜かなければなりません。神経を抜いても痛みは発生しないので安心かというと、そうではありません。痛みを感じないまま、その部分がまた虫歯になってしまう危険があります。痛みを感じないので、虫歯になっていることに気づかず、かなり悪化させて最終的に抜歯になってしまうこともあります。