症例

10代女性の歯列矯正

10代 女性

治療期間: 4年 42回

カテゴリー

担当医の処置方針

上下顎共に歯列が狭窄しており上顎は口蓋が高く、下顎の前歯は萌出した永久歯にがたつきがみられます。また、問診したところ口呼吸、姿勢不良、いびきなどの症状もありました。 萌出してくる歯の大きさに対し土台となる顎が小さくやや劣成長のため、上顎の成長が止まる10歳前後までに土台となる上顎を広げ歯の萌出スペースを作ります。 上顎を広げることで後から成長する下顎も広がることができ叢生を改善します。 骨格から改善することにより、副次的効果として鼻の通りが良くなり口の周りの筋肉や舌の正しい動きを訓練することで歯並びに影響する口呼吸、いびき、不適切な舌癖などの悪習癖を子供のうちに改善します。

治療後の口腔写真

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この症例に使用した装置と費用

歯列矯正
約 550,000 円(税込)

※備考
上顎に急速拡大装置3つ、上顎前方牽引装置を用い、下顎にはリンガルアーチを3つ用いています。Hyrax12㎜+MPAを6ヶ月(Fanタイプ1つ目10回転、MPAを4ヶ月・Fanタイプ2つ目28回転+MPAを9ヶ月)

担当医師コメント

三国ヶ丘ルーチェ歯科・矯正歯科 うえだ歯科クリニック

歯科医師 勝村麻未

近年、顎の小さいお子様が増えてきています。 しかし、萌出してくる歯は栄養豊富な食生活のおかげで以前よりも大きな歯が萌出してきます。そのアンバランスががたつきの原因になります。 上顎が小さいと気道も狭くなり、鼻で呼吸がしずらいため口呼吸の原因になり、 そこからいびきや口臭、不良姿勢、その他の不正咬合を引き起こします。 顎顔面矯正は成長期を利用し、この原因となる骨格(上顎の大きさ)にアプローチすることで本来あるべき正しい成長方向に導く治療法です。 早期に取り掛かることでより効果が得られる治療でもあるため、少しでもお子様の歯並びに心配なことがあれば時間をおかず、ぜひお気軽にご相談ください。

矯正治療に伴う一般的なリスク・副作用

  • ・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
  • ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ・治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • ・歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ・ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • ・治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • ・治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • ・様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • ・歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • ・装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • ・装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • ・装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  • ・あごの成長発育によってかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • ・治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • ・矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。