症例

10代女性の歯列矯正

10代 女性

治療期間: 約2年 25回

カテゴリー

担当医の処置方針

上下顎共に永久歯への生え変わりが年齢の割に早く、既に永久歯間に著しい叢生が見られました。 上下歯列が軽度に狭窄しており上顎は口蓋が高く、側貌からも上顎の劣成長が認められます。 また、問診で口呼吸、いびきなどの症状もありました。 年齢、歯齢的には拡大するには少し時期が遅く厳しかったのですが、急いで装置をセットし上顎を広げ、同時に前方牽引を行い、歯の萌出スペースを作ります。 上顎を広げることで後から成長する下顎も広がることができ叢生や顔貌の改善を目指します。 顎顔面矯正は、骨格から改善することにより副次的効果として鼻の通りが良くなり、口の周りの筋肉や舌の正しい動きを訓練することで歯並びに影響する口呼吸、いびき、不適切な舌癖などの悪習癖を子供のうちに改善します。

治療後の口腔写真

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この症例に使用した装置と費用

歯列矯正
約 550,000 円(税込)

※備考
上顎に急速拡大装置3つ、上顎前方牽引装置を用い、下顎にはリンガルアーチを2つ 用いています。

担当医師コメント

HANA intelligece歯科・矯正歯科 うえだ歯科クリニック

歯科医師 勝村麻未

今回は初診時の時点でほとんどの歯が永久歯に交換しており、1期治療ではなく2期治療の 適応か悩む症例でした。 歯並びというよりは、側貌から判断し少しでも上顎を前方に牽引したいという方針で始めましたが、患者様、親御様のご協力もありMFT(機能トレーニング)もうまく奏功し、短期間でいい結果が出ました。 夜間のいびきもなくなり、口呼吸の習慣がまだ少し残りますが今後もトレーニングを継続し、経過を見ていきます。

矯正治療に伴う一般的なリスク・副作用

  • ・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
  • ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ・治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • ・歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ・ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • ・治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • ・治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • ・様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • ・歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • ・装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • ・装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • ・装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  • ・あごの成長発育によってかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • ・治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • ・矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。