症例
60代女性のインプラント治療
担当医の処置方針
右下の一番奥の歯が痛むということで来院されました。右下は歯が割れており(歯根破折)、抜歯してインプラント治療を行いました。 CT所見から骨が比較的あったので、歯を抜くと同日にインプラント埋入オペを行いました。
治療後の口腔写真
Before
After
Before
After
この症例に使用した装置と費用
デンタルインプラント(ストローマンインプラント) オプション:ガイデッドサージェリー、抜歯即時埋入、GBR(骨造成) |
約 561,000 円(税込) |
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※備考
手術、調整費用、保証費用を含む治療費総額
インプラント治療に伴う一般的なリスク・副作用
- ①歯周病菌への感染
➡手術後、定期的にメンテナンスを受けないと、インプラントと歯肉の周囲に炎症が起きます。進行するとインプラントを支える顎の骨が溶けてしまいます。
どんな治療であれ、歯科医院で歯周病の検査を受け、PMTCでお口の中を清潔に保つことが大切です。
②骨の厚みや高さの不足
➡原因は骨密度や骨量の不足にあります。骨の状態を把握せずにインプラントを埋入すると、このようなトラブルが起こります。
③見た目の問題が起こる
➡埋入したインプラントに問題が生じることがあります。特に前歯のインプラントは、見た目の問題が起こりやすいです。
歯が抜けて外的刺激を受けなくなると、その部分の骨は痩せていきます。インプラント埋入後も少しずつ骨量が減り、歯肉も退縮することから、インプラントの歯が長く見えることがあります。
また、インプラント部分の歯肉が薄いと、金属の歯根部分が透けてしまい、黒っぽく見えてしまいます。
④金属アレルギー
➡金属アレルギーは、金属が汗などで溶け出してイオン化することでアレルゲンとなります。ですがアレルギー反応をしやすい金属・しにくい金属があります。
インプラント体のほとんどは「チタン」という金属でできています。チタンはイオン溶出しにくいため、アレルギー反応がほとんど起こりません。しかしチタンアレルギーは存在するため、気になる方は事前にパッチテストを受けると良いでしょう。 ⑤骨との結合がうまくいかない
➡骨粗しょう症などが原因で、インプラントの周囲の骨密度が低いと結合しにくくなります。
⑥糖尿病
➡高血糖だと傷が治りにくいため、無計画なインプラント手術はおすすめできません。また、高血糖の状態では免疫系細胞の活動が低下するので、歯周病菌への感染リスクが高くなります。
逆をいうと血糖値が安定すればインプラント治療ができるため、かかりつけ医と歯科医師が連携し、血糖値をコントロールすれば、リスクはかなり抑えられます。
⑦人為的なミスが起こることもある
➡ミスが起こるおもな原因は、不十分な検査や診察、担当医の経験不足・技術不足などです。インプラントで術中ミスが起こった場合、確率としては低いものの、生涯改善が見込めない神経麻痺などを引き起こすリスクもあります。
⑧インプラント手術直後は、違和感・痛み・腫れ・出血などが発生する場合がありますが、大半は2〜3日でおさまります。
⑨インプラントが骨に接着するまでに最低3ケ月〜6ケ月程度の治癒期間を要します。また、インプラントを埋め込む骨の厚みを増やす手術を行う場合、さらに期間を要することになります。
⑩神経の圧迫・損傷
➡神経を損傷すると、口周りや舌の感覚の麻痺やぴりぴりとした痺れが生じます。
⑪オーバーヒートによる骨壊死
➡オーバーヒートによる骨壊死は痛み、腫れ、熱感をもたらすだけでなく、インプラントと骨がうまくくっつかなくなる原因でもあります。
⑫埋入したインプラントが上顎洞の骨や粘膜を突き抜けて上顎洞に達してしまうと、感染を起こして副鼻腔炎や蓄膿症になることがあります。
担当医師コメント
HANA Intelligence 歯科口腔外科• 美容皮膚科
田中千恵
患者様は64歳であり、ご自身の年齢と体力を心配されていましたが、問題なくインプラント治療を終えることができました。 インプラント手術は1回法と2回法とがありますが、今回は1回法を選択したため、オペに際する精神的肉体的な負担も最小限にすることができました。