症例

50代女性のインプラント治療

50代 女性

治療期間: 24ヶ月

カテゴリー

担当医の処置方針

左下2本の欠損部にはインプラント治療を行いました。 矯正も希望されていたので、インプラントと矯正治療を同時に進めました。 また、不良補綴の再製も行い、理想の咬合平面となりました。

治療後の口腔写真

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この症例に使用した装置と費用

インプラント治療・インビザライン矯正・親知らず抜歯
約 2,222,000 円(税込)

※備考
オプション:ガイデッドサージェリー、GBR(骨造成)、静脈内鎮静 ジルコニアクラウン修復

担当医師コメント

HANA Intelligence 歯科口腔外科• 美容皮膚科

田中千恵

インプラント埋入オペ前に矯正治療も含めたシミュレーションを行い、さらにインプラント埋入ガイドを用いたので、より正確な治療計画とオペ時間の短縮が可能となりました。 インプラント埋入後の固定待機の期間中も矯正治療を並行して行うことで、トータルの治療期間を短縮することができました。

インプラント治療・矯正治療に伴う一般的なリスク・副作用

  • ■インプラント治療
  •  ①歯周病菌への感染
     ➡手術後、定期的にメンテナンスを受けないと、インプラントと歯肉の周囲に炎症が起きます。進行するとインプラントを支える顎の骨が溶けてしまいます。
    どんな治療であれ、歯科医院で歯周病の検査を受け、PMTCでお口の中を清潔に保つことが大切です。
    ②骨の厚みや高さの不足
     ➡原因は骨密度や骨量の不足にあります。骨の状態を把握せずにインプラントを埋入すると、このようなトラブルが起こります。
    ③見た目の問題が起こる
     ➡埋入したインプラントに問題が生じることがあります。特に前歯のインプラントは、見た目の問題が起こりやすいです。
    歯が抜けて外的刺激を受けなくなると、その部分の骨は痩せていきます。インプラント埋入後も少しずつ骨量が減り、歯肉も退縮することから、インプラントの歯が長く見えることがあります。
    また、インプラント部分の歯肉が薄いと、金属の歯根部分が透けてしまい、黒っぽく見えてしまいます。
    ④金属アレルギー
     ➡金属アレルギーは、金属が汗などで溶け出してイオン化することでアレルゲンとなります。ですがアレルギー反応をしやすい金属・しにくい金属があります。
    インプラント体のほとんどは「チタン」という金属でできています。チタンはイオン溶出しにくいため、アレルギー反応がほとんど起こりません。しかしチタンアレルギーは存在するため、気になる方は事前にパッチテストを受けると良いでしょう。
    ⑤骨との結合がうまくいかない
     ➡骨粗しょう症などが原因で、インプラントの周囲の骨密度が低いと結合しにくくなります。
    ⑥糖尿病
     ➡高血糖だと傷が治りにくいため、無計画なインプラント手術はおすすめできません。また、高血糖の状態では免疫系細胞の活動が低下するので、歯周病菌への感染リスクが高くなります。
    逆をいうと血糖値が安定すればインプラント治療ができるため、かかりつけ医と歯科医師が連携し、血糖値をコントロールすれば、リスクはかなり抑えられます。
    ⑦人為的なミスが起こることもある
     ➡ミスが起こるおもな原因は、不十分な検査や診察、担当医の経験不足・技術不足などです。インプラントで術中ミスが起こった場合、確率としては低いものの、生涯改善が見込めない神経麻痺などを引き起こすリスクもあります。
    ⑧インプラント手術直後は、違和感・痛み・腫れ・出血などが発生する場合がありますが、大半は2〜3日でおさまります。
    ⑨インプラントが骨に接着するまでに最低3ケ月〜6ケ月程度の治癒期間を要します。また、インプラントを埋め込む骨の厚みを増やす手術を行う場合、さらに期間を要することになります。
    ⑩神経の圧迫・損傷
     ➡神経を損傷すると、口周りや舌の感覚の麻痺やぴりぴりとした痺れが生じます。
    ⑪オーバーヒートによる骨壊死
     ➡オーバーヒートによる骨壊死は痛み、腫れ、熱感をもたらすだけでなく、インプラントと骨がうまくくっつかなくなる原因でもあります。
    ⑫埋入したインプラントが上顎洞の骨や粘膜を突き抜けて上顎洞に達してしまうと、感染を起こして副鼻腔炎や蓄膿症になることがあります。
  • ■矯正治療
  •  ・最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
    ・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
    ・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
    ・治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
    ・歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
    ・ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
    ・ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
    ・治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
    ・治療中に一時的に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
    ・様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
    ・歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
    ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
    ・装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
    ・装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
    ・装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
    ・あごの成長発育によってかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
    ・治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
    ・矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。